ウチの映画コレクションを収納順に解説05/キングから吸血鬼へ

2018年1月23日

 ウチのDND棚も、ようやく3段目に入った。
 ま、それでも先は長いけど(笑)。

 この棚は、上の段の後半からつながるスティーブン・キング原作ものカテゴリだ。
 といっても「ショーシャンクの空に」とか「スタンド・バイ・ミー」などの感動作品は別の棚にあるので、ここにあるのはホラーだけなんだけど(笑)。

※注1)
ここではベストテンとか星いくつといった評価はしない。何がベストかは自分でもわかんないもん。その日の気分によっても変わっちゃうし、駄作だと思っていた作品を観返したら超面白かったなんてこともあるし。
 それにね、ダメダメな映画だからこそ救われるってこともあるのよ。よく出来た傑作じゃないからこそ、疲れていてもダラダラ観れるとかね。そういうわけでボクは、バカでダメな映画だってダメなりに愛しているんだ(笑)。

※注2)
記事のほとんどはボクの記憶と印象だけで書いているので、一部に不正確な部分もあるかもしれない。ただし、実際の作品を観もしないで書いてるようなモノは1つもないよ。

 

ローズレッド

幽霊屋敷もので、有名なお化け屋敷に、博士と超能力者たちを連れて乗り込んで調査しようとすると恐ろしいことが次々と起こって……という、またまた鉄板展開。
基本的なプロットは以前に紹介した「ヘルハウス」や「ホーンティング」などと一緒で、モデルになった豪邸は、かの有名な「ウィンチェスター・ミステリー・ハウス」なのは間違いない。
元々はスティーブン・スピルバーグの依頼で書いた脚本らしいんだけど、諸事情でお蔵入りになり、結局自分自身でプロデュースして全3時間のテレビムービーとして完成した。
ラストでブチ切れた最強エスパーの少女が館を完膚なきまでに破壊するシーンは、かつての「炎の少女チャーリー」を彷彿させるよな~~。
キング原作の映像作品では、キング本人がどこかにカメオ出演していることが多い。この作品でも、館にピザを届けに来る店員役で登場している。
(2002年/アメリカ・テレビムービー/監督:クレイグ・R・バクスリー、原作&脚本&製作総指揮:スティーヴン・キング、音楽:ゲイリー・チャン、出演:ナンシー・トラヴィス、マット・キースラー、ジュリアン・サンズ)

ローズレッド:ザ・ビギニング

先の「ローズ・レッド」の前日譚として作られた作品。呪われた館がどうやって生まれたかを描いてるんだけど、ローズ・レッドのDVD特典にも短い前日譚が収録されてるし、最後は呪われてバッドエンドになるとわかってるから、イマイチのめり込めなくて一度しか観てないんだよ。というわけで感想とか解説もあんまり書けないの。ごめん(苦笑)。
(2003年/アメリカ・テレビムービー/監督:クレイグ・R・バクスリー、脚本:リドリー・ピアソン、音楽:ゲイリー・チャン、出演:リサ・ブレナー、スティーヴン・ブランド)

1408号室

これもまぁ、幽霊屋敷ものの一種だよね。呪われてるのは高級ホテルの1408号室。
基本的には誰も泊めないことにしてるけど、高級ホテルの矜持があるからベッドメイキングなどのメンテナンスはしっかりやっていて、でも決して一人では入らないようにしているんだそうだ。ちょっとでも目を離すと死んじゃうから。
そんなホテルの噂を聞きつけた超常現象スポット専門のライター(ジョン・キューザック)が、その部屋に泊まってみると言い出し、支配人(サミュエル・L・ジャクソン)があの手この手で引き止めても強引に泊まって、案の定……というお話。
ジョン・キューザックは1986年の「スタンド・バイ・ミー」や2016年の「セル」でもキング作品に出てるんだけど、一番ヤバそうなこの作品が一番救われる展開になってるかもしれない。スタンド・バイ・ミーなんか、最初から死んでる役だったもんなぁ(笑)。
(2007年/アメリカ映画/監督:ミカエル・ハフストローム、脚本:マット・グリーンバーグ、スコット・アレクサンダー、ラリー・カラゼウスキー、音楽:ガブリエル・ヤレド、出演:ジョン・キューザック、サミュエル・L・ジャクソン、メアリー・マコーマック)

シャイニング

これも幽霊屋敷ものでホテルが舞台。キューブリックによる映画が超有名だけど、こっちはキング本人がプロデュースして3時間超のテレビムービーとして作った作品。
キューブリック版のシャイニングはヒットしたけど、原作と違いすぎて作者としては不本意だったらしいんだよね。実際、あの映画を観ても、どこがどう「シャイニング」なのか全然ピンと来ないし。
というわけで作られたテレビ版なんだけど、同じ原作なんだから基本的なあらすじは一緒。
ただ、細かいトコでは大きく違う。シャイニングの意味もはっきりわかるし、何よりもハッピーエンドなのよ、これ。
幽霊に取り憑かれてオカしくなっていくお父さんだけど、最後は父の愛は悪霊をも超えるって感じの感動のクライマックス(原作通り)になってるんだ。
その分だけ怖さはそれほどでもないんだけど、救いのある物語だし、原作に近いのはこっちだし、ボクはけっこう好きなの。
(1997年/アメリカ・テレビムービー/監督:ミック・ギャリス、原作&脚本&製作総指揮:スティーヴン・キング、出演:スティーヴン・ウェバー、レベッカ・デモーネイ、コートランド・ミード)

シャイニング

キューブリック監督&主演のジャック・ニコルソンの怪演で大ヒットしたホラーの傑作。先のテレビ版シャイニングの紹介で書いたように原作とはかなり違うし、原作者自身も不満らしいけど、恐怖感はこっちが上。長い廊下にぽつんと立つ双子の少女とか、狂ったニコルソンとか、怖いよなぁ。
昔コミケで見かけた同人誌に、シャイニングのパロになってる「アルプスの少女ハイジ」があって「おんじはお外で遊べない。おんじは今に気が狂う。レドラム、レドラム、レドラム……」って書いてあって爆笑したことがある。
なお、SF映画の名作「ブレードランナー」の元々の劇場公開版では、ラストシーンの映像が、このシャイニングのオープニングの使い回しだったんだ。なのでボクも当時「うぁああ、この後、二人はホテルに閉じ込められてデッカードがオカしくなっちゃうのかなぁ」とか妄想しちゃったもんだ(笑)。
(1980年/アメリカ映画/監督:スタンリー・キューブリック、脚本:スタンリー・キューブリック、ダイアン・ジョンソン、音楽:ベラ・バートック、ウェンディ・カルロス、出演:ジャック・ニコルソン、シェリー・デュヴァル、ダニー・ロイド)

IT/イット

キングのテレビミニシリーズはたくさんあるんだけど、最初に観たのがコレだったと思う。「みんな浮かぶんだよぉお」と現れるペニーワイズ(ピエロ)がすごくおっかない。この作品のせいで欧米ではピエロ恐怖症が激増したとも言われてるけど、いや本当にピエロって怖いよ。
基本的には「スタンド・バイ・ミー」っぽい少年期編と大人編の二部構成なんだけど、子供時代と大人になった現在が入り混じって展開する構成なので、明確に分かれているわけじゃない。
3時間以上あるんだけど観始めたら止まらなくて、ハラハラ・ドキドキしながら最後まで観たんだけど……ラストのアレはなぁ……アレはもうちょっと何とかならんかったのか……
2017年に劇場映画としてリメイクされて大ヒットした。ボクも劇場に観に行った。少年編だけだかったので当然ながら大人編が控えているんだけど、どうかアレは……アレは他の何かに変えておいてくれ……。
(1990年/アメリカ・テレビムービー/監督:トミー・リー・ウォーレス、脚本:トミー・リー・ウォーレス、ローレンス・D・コーエン、音楽:リチャード・ベリス、出演:リチャード・トーマス、アネット・オトゥール、ジョン・リッター)

ザ・スタンド

これまでに紹介した「シャイニング」や「IT/イット」などと同じ長尺テレビムービーの1つで、善と悪の戦いを描いている。
基本的に好きなんです、この作品。
軍の研究所で作られた細菌が漏れてしまい、ほとんどの人が死んでしまうが、稀に病気を発症しない人々もいた。生き延びた人は善人か悪人で、それぞれ夢で見た場所に集まっていく。善人たちはコロニーを作り、支え合って生きていこうとするが、悪人たちは核施設を占拠し、世界を滅ぼそうとしている。それを食い止めるために、選ばれたメンバーは何も持たず、ただひたすらお告げを信じて荒野を歩む……。
病に倒れた家族との別れ、新たな仲間との出会いと再出発、それを打ち砕く悪意、希望を信じての献身と自己犠牲など、泣かせる展開がいっぱいのヒューマンドラマ仕立てで、そこは感動的でいいんだけど……やっぱり最後にアレがね……またしてもアレがね……。キリスト教(特にファンダメンダリズム)の考え方では違和感ないんだろうけど、日本人的にはアレはねぇ……。それでも全体的には好きなんだけどさ……。
(1994年/アメリカ・テレビムービー/監督:ミック・ギャリス、原作&脚本&製作総指揮:スティーヴン・キング、音楽:タイラー・ベイツ、出演:ゲイリー・シニーズ、モリー・リングウォルド)

ニードフル・シングス

直接の関わりが薄いご近所の誰かに、ほんのちょっとのイタズラをする。あまり悪気を感じない程度の軽いイタズラ。でも、みんながそういうことをしていると、やがて大ごとになっていき、地域は不信感で覆われ、やがて崩壊していく……。
そういう、ものすごく嫌な方法で仕掛けてくる悪魔が怖い。そういう悪魔に踊らされてしまう人間はもっと怖い。主役はタフなキャラで知られるエド・ハリスだっていうのに、意思や力で解決できない悪意そのものが敵だからどうしようもない。
それほど悪いことをしたという意識もなく広まっていく悪意っていうのは、近頃のSNS上とかでも起こりそうなコトで、やっぱり怖い。この映画を観て、シャレやジョーダンだと思ってやってることが、取り返しのつかないビッグトラブルになることもあるってことを学んでおいたほうがいいと思う。
(1994年/アメリカ映画/監督:フレイザー・C・ヘストン、脚本:W・D・リクター、音楽:パトリック・ドイル、出演:エド・ハリス、ボニー・ベデリア)

デスペレーション

先の「ザ・スタンド」と「ニードフル・シングス」の要素を1つにしたような作品。
ネバダ州の小さな鉱山町「デスペレーション」は狂った警官エントラジアン(ロン・パールマン)に支配されていて、町の人々は殺害されたり監獄に閉じ込められたりしていた。「神の声」を聞くことができる少年デヴィッドの導きで監獄を脱出した人々は、エントラジアンと、それを操る邪悪な存在「タック」に立ち向かっていく……というわけなんだけど、ちょっと端折りすぎ(原作は上下巻の長編)なところが残念だなぁ。怪演させたら右に出る者がいないロン・パールマンが狂気を見せてくれるのは嬉しいんだけどさ。
なお原作のほうでは、この続編……いやパラレルワールド版ともいえる「レギュレイターズ」がある。キングがもう1つの筆名リチャード・バックマン名義で書いた作品で、邪悪な存在や登場するキャラ名などは同じだけど全然別な展開になっているんだ。
(2006年/アメリカ・テレビムービー/監督:ミック・ギャリス、原作&脚本&製作総指揮:スティーヴン・キング、出演:トム・スケリット、スティーヴン・ウェバー、ロン・パールマン)

ペット・セメタリー

基本的には原作に忠実に映像化したって感じなんだけど、キングの原作って長いからねぇ。この「ペット・セメタリー」でさえ、厚めの文庫本で上下巻だったし、それを2時間弱の映画にまとめようとすると、どうしてもダイジェスト版になっちゃって、原作が持ってる味わいの多くが失われちゃうんだよなぁ。
かつてのインディアンがつくったというペット墓地。そこに屍体を埋めると生き返る。そういう場所を知ってしまったが故の不幸。
この物語が恐ろしいのは、愛するが故にどんどん恐ろしいことになってしまう部分なんだよね。もしも同じ状況になったら、ボクも主人公たちと同じ行動をしてしまうに違いない。そして同じようにおぞましい末路を味わってしまうはずだ。そうとわかっていても、家族を愛する自分を止められない。なんて悲しい話なんだろう。

このペット・セメタリーについては、もうちょっと書きたい。
原作を読んだ当時、ものすごくショックを受けた作品なんだよ。文庫の上巻はね、それほど怖いことは起こらないんだ。死んだ猫が生き返るけど、大したことにならずに済む。そして上巻の最後は、息子と凧揚げをするシーンなんだ。幸せな親子。でも、その直後に「この数ヶ月後、この子は生きていない」との衝撃の1行があって、そのまま上巻は終わってしまう。そして下巻のイントロは息子の葬儀。
読んだときにね、うわぁああってなって「おいキング!あんただって親だろう!なんで、こんなキツいものを書けるんだ!?」って思ったもんだ。
自分も創作者の端くれだから、自分にこれを描写できるかと何度も考えたんだけど、こんなキツいことには向き合えないと思えてしまうの。ボクも親だから。
そして自分の作品に登場するキャラクターだって自分の子の投影なんだ。生きてるんだ。そんな愛する我が子を恐ろしい目に遭わせるなんて、自分には描けそうにないって思ってしまった。ここまで描けるのがプロなのかと、自分の中の甘さを思い知らされたりもした
原作を読んでから30年近くが過ぎたけど、今でもボクには、こういう物語を描けそうにない。どうしても助けてしまう。
だからボクはヒーロー物を描いているんだ。絶望には突き落とすけど、必ず助ける。ボクは甘い。甘いまま、その甘さを武器にして描いていくしかないんだ。
(1989年/アメリカ映画/監督:メアリー・ランバート、原作&脚本:スティーヴン・キング、音楽:エリオット・ゴールデンサール、出演:デイル・ミッドキフ、フレッド・グウィン、デニーズ・クロスビー)

ドリームキャッチャー

え~っと、先の「IT/イット」を、悪魔や悪霊じゃなくて宇宙人に置き換えたって感じかなぁ。子供時代と大人時代が絡み合う友情物語ってトコまで含めて、まんま同じっぽい。
でも、この映画には史上最もキツいシーンもあるんだよ。
グロいとかスプラッタとかではないんだけど、個人的にはかなりキツく感じたシーン。ホラー映画は見慣れているから、ゾンビ見ながらご飯を食べたりできちゃうくらいなんだけど、コレは無理。そういうシーンがあるのよ。
仲間たちの絆の中心であり、障害があるけど謎の力も持っているダディッツくんの決めゼリフ「うーぴーうーぴーどぅ、しおとのじかんだよ!(スクービィドゥ、仕事の時間だよ!)」がカッコイイ。
(2003年/アメリカ映画/監督:ローレンス・カスダン、脚本:ローレンス・カスダン、ウィリアム・ゴールドマン、音楽:ジェームズ・ニュートン・ハワード、出演:モーガン・フリーマン、トーマス・ジェーン、トム・サイズモア、ティモシー・オリファント)

死霊伝説/完全版

ボクが一番好きなキングの小説「呪われた町(セイラムズ・ロット)」を映像化した作品。
メイン州の小さな町セイラムズ・ロット(ジュル・サレムズ・ロットともいう)が、吸血鬼に侵されていく話で、アニメ化・コミック化もされた小野不由美の小説「屍鬼」は、この小説へのオマージュだっていうのは有名だよね。
元々はテレビムービーだったけど、後に再編集(大幅にカット)して劇場版にもなった。この「完全版」はテレビの全長版のほう(つ〜か今では完全版じゃないバージョンのほうがずっとレアだと思う)。後に再映像化された作品よりも、こっちのほうが原作に近い。ま、それでも色々と違う部分は多いんだけど。
監督は「悪魔のいけにえ」で有名なトビー・フーパー。主演のデヴィッド・ソウルは「刑事スタスキー&ハッチ」が好きだったなぁ。情報屋アントニオ・ファーガスも好きだったよ。走れ、赤い稲妻!(全然「死霊伝説と関係ないオチになってしまった)
(1979年/アメリカ・テレビムービー/監督:トビー・フーパー、脚本:ポール・モナシュ、音楽:ハリー・サックマン、出演:デヴィッド・ソウル、ジェームズ・メイソン、ボニー・ベデリア)

死霊伝説/セーラムズ・ロット

「呪われた町」二度目の映像化。冒頭で神父を襲い、瀕死の重傷で病院に運び込まれた男(ロブ・ロウ)が、何故そうしなければならなかったのかを看護師に語る、という形式で物語が進んでいく。
主演のロブ・ロウの憂鬱な感じも悪くないけど、吸血鬼側のドナルド・サザーランドやルトガー・ハウアーが不気味でいい。前の「死霊伝説」に出てきた吸血鬼バーローは、吸血鬼映画の古典「吸血鬼ノスフェラトゥ(1922年)」のまんまで、あんまり知的な感じがしなかったからなぁ。
なので、あらすじ的には前作のほうが原作に近いんだけど、全体の感じはこっちのほうが原作っぽい。ヒロインがあんまり優しくなくて棘を感じちゃうので、それでボクは彼女に感情移入しづらくて、そこだけは残念なんだけど。
(2004年/アメリカ・テレビムービー/監督:ミカエル・サロモン、脚本:ピーター・フィラルディ、音楽:リサ・ジェラード、クリストファー・ゴードン、出演:ロブ・ロウ、ドナルド・サザーランド、ルトガー・ハウアー)

 ……というわけで、ここでスティーヴン・キングシリーズはいったん終了。
 で、死霊伝説=ヴァンパイアものってことで、ここから吸血鬼シリーズになるのだ。

吸血鬼ドラキュラ

吸血鬼ものとなれば、その一発目はやはりハマープロの「吸血鬼ドラキュラ」だろう。
ドラキュラ役のクリストファー・リーの顔の怖さ。対するヒーロー、Drヴァン・ヘルシングを演じるピーター・カッシングの静かなる知性。
初めて観たのは幼稚園くらいだったので、そういうことは全然わからなかったんだけど、今観るとね、そういう部分に興味を惹かれちゃうんだよね。
ただ……。
絶対に傑作ではあるんだけど、今の映画を見慣れた人には物足りないだろうなぁとは思う。
ボクらはね、幼い頃からの思い出補正がかかってるから、今でもリーのドラキュラが怖いんだけど、実際に映像で観ると吸血鬼ならではの怪力でもないし、ちょっとコウモリに化けたりはできるけど大したことはしないし、追い詰められて逃げるときも普通に「ひぇええ」って感じでただ走ってオタオタしてるだけだし、吸血鬼ってだけで他は普通のオジサンに見えちゃうと思うんだ。
なのでレトロマニアな人や、かつて、こういう映画を楽しんでた人じゃないと、この映画の怖さは味わえないかもしれないんだよね。
いや本当に怖かったんだよ、数十年前はね。
なお、ヒット作だから続編もたくさん作られていて、本作の後「吸血鬼ドラキュラの花嫁」「凶人ドラキュラ」「帰って来たドラキュラ」「ドラキュラ血の味」「血のエクソシズム/ドラキュラの復活」「ドラキュラ’72」「新ドラキュラ/悪魔の儀式」「ドラゴンvs7人の吸血鬼」などがある。「ドラゴンvs〜」は、中国を舞台にカンフー青年たちとドラキュラが戦う異色作なんだ。
(1958年/イギリス映画/監督:テレンス・フィッシャー、脚本:ジミー・サングスター、音楽:ジェームズ・バーナード、出演:ピーター・カッシング、クリストファー・リー、マイケル・ガフ)

帰ってきたドラキュラ

英ハマープロ・ドラキュラ映画の4作目。これ以前に3作も作ってるんだから今さら「帰ってきた」もクソもないと思うんだけど、とにかくドラキュラは何度でも帰ってくるのだ。
ドラキュラ復活を恐れた司祭が、ドラキュラ伯爵の眠る城に十字架を付けようとするんだけど、余計なちょっかい出したせいでドラキュラが復活しちゃう。ヘルシング教授は出てこないけど、ドラキュラ役のクリストファー・リーは健在。恋人を奪われた青年がバンパイア・ハンターとなって戦ってくれるよ。
(1968年/イギリス映画/監督:フレディ・フランシス、脚本:ジョン・エルダー、音楽:ジェームズ・バーナード、出演:クリストファー・リー、ヴェロニカ・カールソン)

血のエクソシズム/ドラキュラの復活

ハマープロ・ドラキュラ映画の6作目。さすがに6作目ともなると、かなりグダグダになってて、前作最後に死んだドラキュラがまたしても蘇って、古城を舞台にあ~でもない、こ~でもないと何だかわからんことがダラダラと続き、またしても最後に死んじゃう。ジェイソンかお前は(いやコッチが先なんだけどさ)。
(1994年/イギリス映画/監督:ロイ・ウォード・ベイカー、脚本:チューダー・ゲイツ、音楽:ジェームズ・バーナード、出演:クリストファー・リー、クリストファー・マシューズ、 デニス・ウォーターマン)

 ……というわけで、まだまだ吸血鬼の群れは続くんだけど、ここでちょっと「ハミ出して置いてあるDVD」を紹介しておこう。
 冒頭の画像で、横になって置いてある3作ね。
 でも、それらも一応は吸血鬼映画カテゴリで間違ってはいないんだよ。
 しかも3作とも同じ原作なの。

地球最後の男

リチャード・マシスンの小説「I Am Legend」の映画化作品。原作は日本では最初にハヤカワ書房から出た「吸血鬼」のほうが知られている感じだよね。
主演はいくつものモンスターホラー映画で主演しているヴィンセント・プライス。リチャード・マシスン自身も脚本に参加してるけど、出来が気に入らなかったらしく、クレジットでは別名になっている。
謎の宇宙線が降り注ぎ、全人類が吸血鬼となってしまった世界で、人間のままの主人公は、夜は武装した家に籠城し、昼は吸血鬼たちを探して殺し続ける。けれど、全ての人が吸血鬼化した世界では、自分のほうが恐るべき「伝説の怪物=I Am Legend」だと気づいていく……という話で、このプロットは、前にも書いたようにジョージ・A・ロメロの「ナイト・オブ・ザ・リビングデッド」の元ネタになっている。
ちなみに、このDVDはもう1本、「人類SOS」という映画と同梱の2枚組なんだ。なんでその2枚がセットなのかなって思ってたんだけど、後に関連に気づいた。
原作が71年に再映画化されたときに、ハヤカワ書房からも原作が再販されていて、そのときのタイトルが「人類SOS」だったらしいの。原作の邦題が「地球最後の男」になるのは77年版からで、その後も2007年の三度目の映画化の際に、原題通りの「アイ・アム・レジェンド」に変更されている。
(1964年/イタリア・アメリカ合作/監督:ウバルド・ラゴーナ、シドニー・サルコウ、脚本:フリオ・M・メノッティ、ウバルド・ラゴナ、ウィリアム・レイセスター、ローガン・スワンソン(リチャード・マシスンの偽名)、音楽:ポール・ソーテル、バート・シェフター、出演:ヴィンセント・プライス、フランカ・ベットーヤ)

地球最後の男/オメガマン

「ベン・ハー」「猿の惑星」などで知られる名優チャールトン・ヘストンを迎えて、2度目の映画化。
元々の吸血鬼な設定は薄くなり、細菌によって変質してしまった人々と、元のままの人間たちそれぞれの立場や主張がぶつかり合う感じの社会派映画っぽい作りになっている。まぁ60年代後半から70年代にかけてはベトナム戦争の影響で厭世的な作品が流行った時期だから、この映画もそういう影響が出てるんだろうなぁ。
(1971年/アメリカ映画/監督:ボリス・セイガル、脚本:リチャード・マシスン(原作も)、ジョン・ウィリアム、ジョイス・H・コリントン、音楽:ロン・グレーナー、出演:チャールトン・ヘストン、アンソニー・ザーブ)

アイ・アム・レジェンド

ついに原題のままで日本公開となった3度目の映画化。
たった一人、生き残った主人公役はウィル・スミス。愛犬とともに暮らしているけど、愛犬殺されちゃうんだ。ボクも犬を飼っているので、人間が殺されるよりキツイんだよなぁ。
本作に出てくる細菌で変質してしまった人々は「ダーク・シーカー」と呼ばれていて、超すばやく動く怪物として描写されている。
太陽の光に弱いという弱点だけは共通なんだけど、ゾンビや吸血鬼より「ディセント」の地底人に似てる感じ。タイトルの「I Am Legend」も、ダーク・シーカーから見た怪物ではなく、人類を救った伝説の人物という扱いになっている。

……というわけで同じ原作の映画3本だけど、そういうのを見比べるのって好きなんだ。時代やスタッフによって、どこがどう違うのか、どんな解釈になるのかなど、すごく興味深い。中には言われなきゃ同じ原作とは気づかないものだってあるし、本当に興味深いのよ。
(2007年/アメリカ映画/監督:フランシス・ローレンス、脚本:マーク・プロトセヴィッチ、アキヴァ・ゴールズマン、音楽:ジェームズ・ニュートン・ハワード、出演:ウィル・スミス、サリー・リチャードソン、アリシー・ブラガ)

 

 ……以上、今回はここまで。
 吸血鬼の列は、まだまだ続くので、次の記事では全部が吸血鬼ものだけになる。それでも終わらず、次の次まで引っ張ることになる(しかも他の場所にもある)。
 吸血鬼って、不死者であり、数多くの弱点もあり、悲しみも背負っていたりして、解釈や視点によってロマンスにもアクションにもなる題材なんで、映像作品も多いんだろうなぁ。