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基礎編

 ボクは広告漫画を描く仕事をずっと続けてきている。  最初にやったのは25歳くらいの頃だから、もう四半世紀以上やっていることになる。  でも、ずっと続けてはいるけれど、広告漫画だけでやれた時期っていうのは、ほぼゼロに近い。  ボクの場合は「広告」と「広告漫画」の兼業なんだよ。  そうだから漫画もやっ ...

基礎編

 前の単行本の話に関連して、広告漫画の著作権の話をもう少ししておこう。  もっともボクは法律家ではないし、そもそも独自の著作権意識でやってるトコがあるので「ボクはこう考えてこうしているよ」というだけのことだけど。 広告漫画の依頼者は著作権なんか全然意識してない  え~っと……意外に思われるかもしれな ...

基礎編

 まぁ確かに、広告漫画を単行本にするのは難しい場合が多いよなぁ。  何せ、そのときの広告・宣伝・広報のために作ったモノなんだから、広告主にとっては単行本にする理由がない。  むしろ困ることになりかねない。  そのキャンペーンはもうやってないとか、商品もないとか、下手すりゃ会社もないとか。  商品やサ ...

制作編

 えっと……間に合わなきゃダメです。  すいません、コレはどうにもなりません。ごめんなさいじゃ済みません。  よほどのコトがない限り、締切って伸びません。  ビジネスだもん。  厳しい世界なんだもん。  だからね、スケジュール管理はしっかりやろうね。  発注者だって、そのスケジュールに沿って予定を立 ...

打ち合わせ編

 コストって問題は、とても重要だ。  自分が赤字になっちゃうような金額で請け負っちゃいかんし、一方で、お客に過剰な負担をかけるのも良くない。  お客が支払うギャランティは、ボクらを食わせるためのモノじゃない。  お客のお金は、お客のもの。  ボクらのギャラっていうのは、お客の予算をどう効率良く運用す ...

■ウチのDVD棚から

 長かった吸血ワールドも、あとちょっとで一旦終了。だけど、それはさらに恐ろしい世界へとつながっているのだ。 「アンダーワールド」「デイブレイカー」という、理性的で人間とも共存できそうな吸血鬼がようやく出てきて希望を感じたところで、SF的なバンパイアつながりということで「スペースバンパイア」を挟んでし ...

イバライガーコラム

 小説イバライガーの11~12話に関する筆者コメンタリーだよ。  この11~12話は息抜き的なエピソードなんだけど、それでも今後に関わる大事なことを密かに盛り込んでいる。特にミニライガーたちが元気に動き回るシーンは描きたかった。ハードバージョンでやってるのと人間たちなどキャラが増えてるせいもあって、 ...

イバライガー連載小説

(←第12話前半へ) Bパート  整備された地域から少し外れると、周囲はたちまち闇になる。  街灯など、どこにもない川沿いだった。周囲は田んぼで、その先は、どの方向を向いても黒々とした森がどこまでも続いている。  月明かりと遠くの街の灯のおかげで輪郭がうっすらとわかるが、自分たちの周囲は黒だけだ。 ...

イバライガー連載小説

(←第11話後半へ) OP(アバンオープニング)  彼女なんか、いない。家に帰っても、そこにいるのは口うるさい母親だけだ。  面倒くせぇ、ウザったい。いつもそう思っていた。  だが、今はそれが懐かしい。愛おしい。  帰りたい。あの日々に。  妻とは最近は疎遠だったように思う。二人で出掛けることなど、 ...

ヒストリー編

(←「広告漫画家物語09」に戻る) 営業って、どうやってやればいいんだろ?  大勢の善意のおかげで絶望から立ち直れたボクは、再び仕事に取り組み始めた。  当面は、みんなが回してくれた仕事があるので、まずソレに集中。  作りながら、ソレらをやり終えた後のコトを考え続けた。  これからは「自分の足で立つ ...

打ち合わせ編

 広告用の漫画を依頼されて描いたんだけど、アレコレ普通じゃないコトを言われて嫌になった、といった話を耳にすることがある。  まぁ、世の中には常識知らずな人もいるから、どれだけ注意していてもアブない人に出会ってしまうことはある。  ボクもそういう相手と出会うことは少なくない。  ただ、そのほとんどはト ...

制作編

 全部終わって納品できなきゃ、代金はもらえない。  だけど、いつまでも修正が続いて、全然終わらない。  広告の仕事では、そういうことがありがちだ。  自分のドジでそうなるのなら仕方ないんだけど、ちゃんとやってるのに先方の勝手でそういう目に合わされるのは嫌だ。  だから、そうさせないための工夫をしてお ...

制作編

 すいません、ボクも似顔絵は苦手っす。  でも、けっこう大勢描いてます。  数えたことはないけど、100人、200人じゃ済まない人数を描いているハズ。  中には、たまたま似て描けた例もあると思うけど、大半は自分でも似てねぇって思うレベル。  けど、似てないけど似てるんだよ。  見た目は似てなくても、 ...

制作編

 あるあるあるある~~~~(笑)。  普通の漫画の同じ連載でも、1巻と20巻では全然絵が違うってことは珍しくないもんねぇ。  場合によっては絵だけじゃなくてストーリーや世界観まで、同じ作品とは思えないくらいに違ったりする。 『750ライダー』だって連載開始当初はポエムじゃなかったし『ドカベン』も始ま ...

制作編

 コレ、けっこうあるんだよ。  で、ボクも以前はできるだけ応じようとしてたんだけど……ヤバイから止めちゃった。  素人目に「○○っぽい」とわかるように描いたら、モロ盗作になっちゃうし、かといって盗作と言われないで済む程度にすると「○○っぽく見えない」ってコトだから意味ないし。  だから今ではキッパリ ...

打ち合わせ編

 以前の項でチラっと「漫画家の言葉は、あなたが思っている以上に一般の人には通じません」というコトを書いたけど、通じないのは言葉だけじゃない。  色々な漫画の表現も通じない人がいっぱいいるんだ。  何がどれだけ通じないか、ちょっとボクの経験から列挙してみよう。 お客に通じなかったアレコレ ■1)  こ ...

打ち合わせ編

 広告漫画に限らず、広告のオーダーでは、大抵は自分の知らない世界を扱うことになる。  ボクは漫画家で広告屋なんだから、不動産だろうが金融だろうが科学研究だろうがラーメン屋だろうが、やったことない仕事のコトはわからない。  やったことがあっても1社1店ごとの違いはあるんだから、知らないコトは知らないに ...

イバライガー連載小説

(←第11話前半へ) Bパート  剣のような三日月が上っていた。  エレベータ坑を抜けて、屋上へ。そこから別の屋上へ。ホテルの壁を蹴って、つくば駅ターミナルを一気に跳び越える。  昼間なら、人々にも空を切り裂く黒い影と、それを追って跳ぶ3つの色が見えたかもしれないが、わずかな月明かりでは気づく者はい ...

イバライガー連載小説

(←第10話後半へ) Aパート  遠くで声がする。 「こらぁああ! ちょっと待ってよぉ!!」  近付いてくる。  マーゴンは、マンガの続きに没頭している。ただしスナック菓子だけは無意識に素早く隠している。 「くぉらぁああ! 待たんかい、チビ共ぉおお!!」  もっと近付いてくる。  ワカナはアニメ映画 ...

ヒストリー編

(←「広告漫画家物語08」に戻る) カッコイイ大人たち/その1  お世話になったコピーライターの「彼女」とは、その後しばらく会っていなかった。  自分が立ち直るのに必死だったし、どうせなら見事に立ち直った姿を見せたかったからだ。  そして、そろそろ……と思った頃に、訪ねていった。  あの日から数年が ...

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