ウチの映画コレクションを収納順に解説04/ゾンビからSキングへ

2018年1月20日

 今回はウチのDND棚、上から2段目残りの右半分だ。

 前回の後半から続く「オブ・ザ・デッド」ものから、ちょこっとだけ、他に置いとく場所がなかったせいで、やや場違いな神や悪魔系の映画を挟んで、クローネンバーグ監督シリーズに至り「デッドゾーン」から「キャリー」へと、スティーブン・キング原作ものカテゴリへと切り替わっていくのだ。

 ま、多少の関連があるような並べ方だけど基本的にはテキトーだし、新しく何かを入手すると配置も変わることがあるんで、ま、その程度のもんだと思ってみてちょ~だい(笑)。

※注1)
ここではベストテンとか星いくつといった評価はしない。何がベストかは自分でもわかんないもん。その日の気分によっても変わっちゃうし、駄作だと思っていた作品を観返したら超面白かったなんてこともあるし。
 それにね、ダメダメな映画だからこそ救われるってこともあるのよ。よく出来た傑作じゃないからこそ、疲れていてもダラダラ観れるとかね。そういうわけでボクは、バカでダメな映画だってダメなりに愛しているんだ(笑)。

※注2)
記事のほとんどはボクの記憶と印象だけで書いているので、一部に不正確な部分もあるかもしれない。ただし、実際の作品を観もしないで書いてるようなモノは1つもないよ。

 

ドーン・オブ・ザ・デッド(リメイク)

ジョージ・A・ロメロの同名作品(ゾンビ)のリメイク。それまでのノロノロと動くゾンビから、全力疾走する素早いゾンビに切り替えて話題になったんだよね。監督は「300〈スリーハンドレッド〉」や「マン・オブ・スティール」などで知られるザック・スナイダー。
最近はゾンビ作品が毎月すごい数リリースされてる(9割は超B級)けど、この映画が公開されるまでゾンビものが減ってた時期があるんだよ。実際にそうだったかどうか検証したわけじゃないんだけどボクはそう感じていた。そこに、あの伝説の「ゾンビ」が大作映画としてリメイクと聞いて、公開初日に劇場に駆け込んでしまった。そんでDVDも発売とほぼ同時に買っちゃったの。
自分の中のゾンビ成分が減ってた時期だったんで、それだけ飢えてたんだよねぇ。そんなわけで、この映画はウチのDVDコレクションの中では珍しい定価購入なんだ。
ただ、今もそこまで好きかと言われると、ちょっと微妙かなぁ。近くの銃砲店にも生き残りがいて、有名人に似たゾンビを見つけて撃ち合うシーンとか面白いと思うんだけど、やっぱりねぇ、オリジナルが好きすぎるのと、最初は斬新に思えた走るゾンビも、やっぱノロノロのほうが恐いと感じるの。動きが早いとキレた暴徒に見えちゃって屍体って感じが薄らいじゃう気がするの。
でもオマケの映像特典も凝っていて、本編のサイドストーリー的な特典がけっこう多いから十分に楽しめたよ。
(2004年/アメリカ映画/監督:ザック・スナイダー、脚本:ジェームズ・ガン、音楽:タイラー・ベイツ、出演:サラ・ポーリー、ヴィング・レイムス、メキ・ファイファー)

デイ・オブ・ザ・デッド(リメイク)

これもロメロの同名作品(死霊のえじき)のリメイク……なのだけど、先の「ドーン・オブ・ザ・デッド」と違って、オリジナル以下の低予算リメイクだし、シナリオもいまいちなんで、あんまりオススメはできない。出てくるのは「ドーン・オブ~」以上に身体能力が高いゾンビたちで、壁や天井を這い回ったりする。この後「デイ・オブ・ザ・デッド2」も作られてる(一応DVD持ってる)んだけど、ストーリーも設定もほとんど関係ないので、どこが「2」なんだか全くわからん
(2008年/アメリカ映画/監督:スティーヴ・マイナー、脚本:ジェフリー・レディック、音楽:タイラー・ベイツ、出演:ミーナ・スヴァーリ、ヴィング・レイムス、ニック・キャノン)

ショーン・オブ・ザ・デッド

ゾンビの父ジョージ・A・ロメロも絶賛したという傑作ゾンビコメディなんだけど、これ日本では劇場公開されなかったんだよね。今やハリウッドスターになったサイモン・ペッグの出世作で、ロメロゾンビ映画への愛に溢れた作品に仕上がってる。ボクはショーン(ペッグ)と幼馴染の親友エド(ニック・フロスト)が初めてゾンビと出くわすシーンで、レコードを投げてやっつけようとするシーンが大好き。レアものは投げられないんだよね。
レコードで戦うのはそのシーンだけだけど、その後もあまり銃撃戦はない。ゾンビ映画ではゾンビたちを撃ちまくるシーンがお馴染みだけど、この映画では舞台がイギリスだからか、主要な武器が銃じゃなくて鈍器系なんだ。でも、十分に面白いんだよ。
この映画を作った縁で、主演のサイモン・ペッグと監督のエドガー・ライトは「ランド・オブ・ザ・デッド」にカメオ出演し、憧れのロメロ監督と出会う。その様子は「ランド・オブ~」のDVD特典として収録されてるよ。
監督のエドガー・ライト、主演のサイモン・ペッグ、共演のニック・フロストはほとんど盟友みたいなもんで、この後も「ホット・ファズ/俺たちスーパーポリスメン!(2007年)」「ワールズ・エンド/酔っぱらいが世界を救う!(2013年)」でも同じトリオで活躍している。ペッグとフロストは「宇宙人ポール(2011年)」でも主役コンビしてるしね。
(2004年/イギリス映画/監督:エドガー・ライト、脚本:エドガー・ライト、サイモン・ペッグ、音楽:ダン・マッドフォード、ピート・ウッドヘッド、出演:サイモン・ペッグ、ニック・フロスト、ケイト・アシュフィールド)

ゾンビランド

「二度撃ちで確実にトドメを刺せ」「トイレでは油断するな」など、32項目の「ゾンビ世界で生き残るためのルール」を駆使してサバイバルするゾンビコメディ。でもルールにこだわるのはほとんど冒頭だけなのが残念なんだよなぁ。
オタク童貞の大学生、タフでワイルドなオッサン、プロ詐欺師姉妹の4人のロードムービーでもあって、逃避行の途中、ハリウッドでビル・マーレーの屋敷でくつろいだりする(本人が本人役で登場)。詐欺姉妹の妹リトルロック役のアビゲイル・ブレスリンが「ひゃっほう!パシフィックラ~~ンド!」とはしゃぐシーンが可愛くて印象に残ってるな~。
(2009年/アメリカ映画/監督:ルーベン・フライシャー、脚本:レット・リース、ポール・ワーニック、音楽:デヴィッド・サーディ、出演:ウディ・ハレルソン、ジェシー・アイゼンバーグ、エマ・ストーン、アビゲイル・ブレスリン)

ゾンビワールドへようこそ

あんまり売れそうにない邦題なんだけど、これ面白いよ。
原題は「SCOUTS GIDE TO THE ZOMBIE APOCALYPSE」で、高校生になってもボーイスカウトをやってる童貞3人組が、スカウトで身につけたサバイバル技術でゾンビに立ち向かう痛快コメディなんだ。テンポもいいし、シナリオも(ど直球で単純だけど)面白いし、主人公たちのキャラも立ってる。
ダサい邦題で見逃してる人がいたらオススメしちゃうよ。
この映画には、あのシュワちゃんの息子さんでケネディ一族の血縁者でもあるパトリック・シュワルツェネッガーがチョイ役で出ている。映画観てるときには気づかなかったんだけど、後で本人のプロフィール写真とか見てみたら本当にお父さんによく似てるんだよ(笑)。
(2015年/アメリカ映画/監督:クリストファー・ランドン、脚本:クリストファー・ランドン、エミ・モチズキ、音楽:マシュー・マージェソン、出演:タイ・シェリダン、ローガン・ミラー、ジョーイ・モーガン、セーラ・デュモント)

バタリアン

ゾンビコメディの元祖みたいな有名作品だよね。老女ゾンビだからオバンバ、タール漬けだからタールマンなど、日本ではゾンビに名前をつけて売り込んでいたし、邦題自体もわけがわかんない(大勢だからバタリアン=軍勢って……)けど、原題は「The Return of the Living Dead(リターン・オブ・ザ・リビングデッド)」。つまり、あの「ナイト・オブ・ザ・リビングデッド」の後日談(あの映画で描かれたことは事実だった)という形式になってるんだ。
不良たちが墓場でゾンビに襲われるシーンなどはけっこうおぞましくて(そしてエロくて)、コメディだからってバカにできない。
監督は「ダーク・スター」や「エイリアン」の脚本家として知られたダン・オバノン。大ヒットしたので続編がいくつも作られたけど、どれも1作目ほどは面白くない(予算もない)。コメディ要素も2作目までだしね。ちなみにボクがDVDを持ってるのは、この1作目と「4」「5」の3本のみで「2」と「3(リターンズ)」は持ってない。いらないってわけじゃないけど、今のところは持ってないの(観てはいるけど)。
(1985年/アメリカ映画/監督&脚本:ダン・オバノン、音楽:マット・クリフォード、出演:クルー・ギャラガー、ジェームズ・カレン)

ワールドウォーZ

ブラッド・ピット主演で製作された大作ゾンビ映画。「Z」っていうのはゾンビのことで、異常に身体能力の高いゾンビが、津波のように大群で押し寄せてくるシーンは圧巻。ゾンビへの対抗策を探してアメリカ、韓国、イスラエル、英国と世界を股にかけて展開するスケールの大きなストーリーで、こういうのはゾンビ映画としてはとても珍しい。ハッピーエンドとまでは言わないけど、かなり希望のあるラストになっているのもゾンビものとしては珍しい。
原作の小説で日本で自分のマンションに立てこもって生き延びたオタクのエピソードなども描かれてるそうで、読みたいと思ってるんだけど未読のままになってるの。すまん。
(2013年/アメリカ映画/監督:マーク・フォースター、脚本:マシュー・マイケル・カーナハン、ドリュー・ゴダード、デイモン・リンデロフ、音楽:マルコ・ベルトラミ、出演:ブラッド・ピット、ミレイユ・イーノス ※ブラッド・ピットは製作にも名を連ねている)

ゾンビ伝説

「ほほぉ、ウェス・クレイヴンが監督なのか。じゃあ鮮血に彩られた派手な映画なんだろうなぁ」と思って観たら全然予想と違ってた作品。大元のハイチ・ブードゥ教のゾンビを扱っていて、原作は人類学者が書いたノンフィクションなんだ。映画では死人が生き返るけど、本当のハイチのゾンビは、生きている人間をフグ毒などから作った薬で夢遊病者(ゾンビ)のようにしてしまうものらしいんだ。ロメロが「ナイト・オブ~」で今のゾンビを生み出すまでは、ゾンビといったらブードゥ教だったの。
ロメロのゾンビは、ゾンビというよりリチャード・マチスンの「吸血鬼(地球最後の男)」のほうに影響を受けてるんだよね(本人もそれを認めてるし)。
そういう意味では、この映画のほうがゾンビの原点に忠実なんだ。派手な殺戮シーンなどはほとんどなく、ゾンビの伝承を調べ歩く静かなサスペンス。公開当時は地味だなぁって思ってたけど、今は、これはこれで評価してるのよ。
(1988年/アメリカ映画/監督:ウェス・クレイヴン、脚本:リチャード・マックスウェル、A・R・シムーン、音楽:ブラッド・フィーデル、出演:ビル・プルマン、キャシー・タイソン、ゼイクス・モカエ)

ゾンビ大陸アフリカン

アフリカを舞台にしたゾンビ映画。めちゃくちゃマイナーだけど、ロメロの描写に忠実な黒人ゾンビが溢れかえっていて、ノロノロ動きだからこその死臭漂う感じが恐くて雰囲気出てるのよ。都会の灯りなんか一切ないアフリカの原野で闇の中に浮かび上がる歩く死人たちって、けっこうゾッとするよ。
ストーリーはないも同然なんだけど、オチはこれから始まる連続シリーズの第1話って感じ。
続編ではないのかもしれないけど、同じスタッフで似たようなストーリーでインドを舞台にした「ザ・デッド:インディア」ってのもある。「インド・オブ・ザ・デッド」ってのもあるので紛らわしいんだけど(しかも全部DVD持ってるんだよ、ボク……)
(2010年/アメリカ映画/監督&脚本:ハワード・J・フォード、ジョン・フォード、音楽:イムラン・アーマド、出演:ロブ・フリーマン、プリンス・デヴィッド・オシーア、デヴィッド・ドントー)

28日後…

「トレインスポッティング」「スラムドッグ$ミリオネア」などで知られるダニー・ボイル監督のゾンビ映画。事故で意識不明のままだった主人公が「28日後」に目覚めたら、ロンドンはバイオハザードで崩壊していた……というストーリーで、社会派のダニー・ボイルらしい内容になっている。
割と傑作だとは思うんだけど、ボクはあんまり繰り返し観てはいない。前にも書いたけど、ボクにとってゾンビ映画って「そういう退廃世界に浸る環境ビデオ」みたいなもんなんで、そういう見方だとやっぱりロメロになっちゃうのよ。
あ、映画がつまんないわけじゃないよ。むしろ傑作だと思う。思うんだけど、そうだからこそダラダラ眺めるのには向いてない気がするのよ。
続編に「28週後…」があり、そっちではダニー・ボイルは製作総指揮。さらに「28ヶ月後…」とか「28年後…」とか紛らわしいタイトルがいくつもあるようだけど、それらは全然関係ないから気をつけてね(笑)。
(2002年/イギリス映画/監督:ダニー・ボイル、脚本:アレックス・ガーランド、音楽:ジョン・マーフィ、出演:キリアン・マーフィ、クリストファー・エクルストン)

ディセント

さぁ、ようやくゾンビシリーズから脱出したのだけど、さらにヤバいトコに迷い込んでしまったようなもんだ。いや本当に、この「ディセント」はすごく息苦しい映画なのよ、色んな意味で。
女性だけのパーティで巨大洞窟探検に挑むんだけど、トラブルで地底から出られなくなり、挙句に凶暴な地底人たちが襲ってくるというお話で、真っ暗だし、洞窟は窮屈だし、地底人は恐いし、人間関係でも揉めるし、とにかく息苦しいシーンだらけ。よく出来たホラーだとは思うんだけど、気軽に観るにはきっついわぁ。
(2005年/イギリス映画/監督&脚本:ニール・マーシャル、音楽:デヴィッド・ジュリアン、出演:シャウナ・マクドナルド、ナタリー・メンドーサ、アレックス・リード)

ディセント2

前作のエンディング直後からを描く続編。せっかく脱出できたのに、また洞窟に潜ることになるわ、またまた地底人に襲われるわ……と、救いのないお話が続く。いや本当に息苦しいシリーズだよ、これ。
ドキドキ・ハラハラはたっぷりだし、いや~んな雰囲気に浸りたいときにはいいけど、決して元気が出る映画ではないので、メンタル弱ってるときには観ちゃダメよ。
(2009年/イギリス映画/監督:ジョン・ハリス、脚本:ジェームズ・マッカーシー、J・ブレイクソン、ジェームズ・ワトキンス、製作総指揮:ニール・マーシャル、ポール・スミス、音楽:デヴィッド・ジュリアン、出演:シャウナ・マクドナルド、ナタリー・メンドーサ、ダグラス・ホッジ)

ザ・ブルード/怒りのメタファー

先の「ディセント」にも負けず劣らずのメンタル的にキツい系が、悪夢のような描写でファンも多いカナダ出身の鬼才デヴィッド・クローネンバーグの作品だ。
これ以前の彼の監督作品「シーバース」「ラビッド」も、グロくて、エゲツなくて、嫌~んなお話だったけど、この「ザ・ブルード」も、腫瘍ができて、それがやがて子宮になって、憎悪が実体化して胎児になって……という、かなりショッキングで嫌なお話なの。
マニアなら「あ~はいはい」と観れる(いや、すでに観てる)だろうけど、素人さんにはオススメしにくいよなぁ(苦笑)。
(1987年/カナダ映画/監督&脚本:デヴィッド・クローネンバーグ、音楽:ブライアン・デイ、出演:オリヴァー・リード、サマンサ・エッガー)

スキャナーズ

「ザ・ブルード」を皮切りに飛び込んでしまった悪夢のクローネンバーグ世界。その中でも特に有名なのが、この「スキャナーズ」だね。
超能力者=スキャナーを集めて世界征服を企む悪のスキャナー(マイケル・アイアンサイド)と、その野望に立ち向かう正義のスキャナー(スティーヴン・ラック)の戦いを描くお話で、頭が爆発するシーンは当時すごく話題になった。特撮を担当したのは有名なメイクアップ・アーティストのディック・スミス。公開当時、あの「超人ロック」でも超能力者たちをスキャナーと呼ぶエピソードが描かれてたよね。
ただね……そういうショッキングなシーンが有名なんだけど、全体的には、むしろおとなしい映画なのよ。部分的に過激シーンがあるだけで、淡々としたエスピオナージ映画って感じのシーンのほうがずっと多いんだ。ま、クローネンバーグ映画って大抵はそうなんだけど。
かなりヒットしたので当然続編が作られてるんだけど、そっちは持ってない。前に観たけど地味でイマイチだったし、そのくせ安売り(条件は500円以下)では見つからないんだもん。
(1981年/カナダ映画/監督&脚本:デヴィッド・クローネンバーグ、音楽:ハワード・ショア、出演:スティーヴン・ラック、ジェニファー・オニール、マイケル・アイアンサイド)

デッドゾーン

先の「スキャナーズ」同様、超能力をテーマにしたデヴィッド・クローネンバーグの映画なんだけど、これは素人さんにも観てほしい唯一のクローネンバーグ作品かもしれない。
切なくて悲しくて、グロいシーンもなくて「本当にクローネンバーグなの?」って思っちゃうくらいなんだ。
この作品で描かれる超能力は予知。未来を知ってしまった者の悲しみを描いたストーリーで、主演のクリストファー・ウォーケンの演技も相まって傑作と言っていいと思うの。原作はスティーヴン・キングで、後に連続テレビシリーズにもなってる。
そして……この映画から超能力つながりで以降キング原作シリーズへとカテゴリが移っていくんだ。
(2013年/アメリカ映画/監督:デヴィッド・クローネンバーグ、脚本:ジェフリー・ボーム、原作:スティーヴン・キング、音楽:マイケル・ケイメン、出演:クリストファー・ウォーケン、マーティン・シーン)

キャリー(オリジナル)

今やホラーの帝王になったスティーヴン・キングの処女作を、スリラー映画の巨匠ブライアン・デ・パルマが映画化して大ヒットしたのがコレ。
この「キャリー」のヒットがなかったら、彼のキャリアはもっと大変だっただろうし、いくつかの作品は生まれなかったかもしれない。
偏執的なキリスト教信者の母・マーガレットに育てられたキャリーは、気弱ないじめられっこだが実は超能力者だった……というお話で、ショッキング(当時としては)なエンディングが話題になった。
主演のシシー・スペイセクと母親役のパイパー・ローリーの両方がアカデミー賞にノミネートされるなど、演技面でも注目を集めたんだよね。まだ無名時代のウイリアム・カット、ジョン・トラボルタなども出ていて、映画ファンには興味深い作品でもあるよね。
なお、2013年にクロエ・グレース・モレッツ主演でリメイクされてるけど、そっちの円盤は持ってない。レンタルで観たけど、ストーリーはまんま同じって感じだったな~。ただ、映画公開時のプロモーションで仕掛けていたドッキリは、けっこう面白かった。普通のカフェで口論が起こって、激昂した女性が超能力を使うんだ。全部仕込みなんだけど知らずに来店したお客がパニックする様子が撮影され、映画のプロモに使われたの。
(1976年/アメリカ映画/監督:ブライアン・デ・パルマ、脚本:ローレンス・D・コーエン、音楽:ピノ・ドナッジオ、出演:シシー・スペイセク、パイパー・ローリー、ウイリアム・カット、ジョン・トラボルタ)

 

 ……さて、このまま次の棚までスティーヴン・キングが続くんだけど、その前に「他に置き場所がなかったもの」が映り込んでいるので、それを紹介しておこう。

 この「ウチの偏った映画コレクション」シリーズの最初が悪魔関係だったんだけど、そっちに関連するタイトルだね。同じ神や悪魔を扱った映画ではあるんだけど、どっちかというとヒーローものっぽい内容なんで悪魔シリーズに並べておくと違和感あったし、並べて置いておくスペースもなかったので、はみだしてコッチに来ちゃったんだ。そういうの、けっこうあるの。
 ま、限られたスペースに詰め込んでるから、仕方ないのよ。

 

ドライブ・アングリー

ニコラス・ケイジである。しかも不死身なのである。なんせ死んでるから。死んじゃったニコラス・ケイジが復讐のために「地獄」を脱走してきて、追跡者から逃げ回りながらも悪党を殺しまくるのである。愛する娘を殺され、赤ん坊(孫)をカルト教団にさらわれて、ブチ切れた怒りのニコラスを止めることは神にもできないのである。
最初から不幸な主人公だけど、オチはハッピーエンドと呼んでいいから、割と安心して楽しめる。でも助けた赤ん坊や協力したヒロインに何かあったら、またニコラスが殴り込んでくることは間違いないのである。暴走したニコラスはとても危険なので、神様も扱い注意なのである。
(2011年/アメリカ映画/監督:パトリック・ルシエ、脚本:パトリック・ルシエ、トッド・ファーマー、音楽:マイケル・ワンドマッチャー、出演:ニコラス・ケイジ、アンバー・ハード、ウィリアム・フィクナー)

コンスタンティン

人気ホラーコミックを映画化した作品で、主演はキアヌ・リーブス。肺がんで死にかけだけど悪魔を視ることができる能力を持つエクソシスト=コンスタンティンが、天使と悪魔の陰謀を食い止めるために戦うダークヒーローアクション。
十字架型のショットガンとか、聖なるメリケンサックとか、ドラゴンの息吹を吹き出す火炎放射器とか、秘密兵器もいっぱい出てくるし、両腕の刻印を合わせることで魔界にアクセスするとか、アメコミ原作らしいシーンも多いんだけど、ストーリー自体はかなり宗教色が強い内容になっていて、キリスト教の教義や概念が理解できないとピンと来ないシーンもあるように思う。
(2005年/アメリカ映画/監督:フランシス・ローレンス、脚本:ケヴィン・ブロドビン、フランク・A・カペロ、音楽:クラウス・バデルト、ブライアン・タイラー、出演:キアヌ・リーブス、レイチェル・ワイズ)

レギオン

シリコンを求めてわらわらと襲ってくる虫みたいな怪獣……とはネーミングの元ネタが一緒というだけで何の関係もない。
神様が人間に失望すると洪水を起こして滅ぼしたりするけど、今回は武力で滅ぼすことにしたらしい。すなわち天使の大軍勢=レギオンを放ったのだ。だが、大天使ミカエルは人間を救おうとして神の命令に背き、天使の力を捨てて人間界に降り立つ。そして、砂漠にぽつんとあるドライブインで働く一人の妊娠中の女性を救うために命を賭ける。お腹の中の子が救世主になることを知っているからだ。かくして、ドライブインの経営者、その息子、従業員、居合わせた客たちとともに神の大軍団(事実上は暴徒の群れ)との戦いが始まる……というお話。
よく彼女や赤ちゃんを「マイ・エンジェル」とか言うけどさ、聖書に出てくる天使ってゴツい戦士なんだよね。かわいいのはギリシャ神話などの影響を受けたキューピッドのほうで、本当のエンジェルはおっかないんだよな~~(笑)。
(2010年/アメリカ映画/監督:スコット・スチュワート、脚本:スコット・スチュワート、ピーター・シンク、音楽:ジョン・フリッゼル、出演:ポール・ベタニー、ルーカス・ブラック、エイドリアンヌ・パリッキ、デニス・クエイド)

アイ・フランケンシュタイン

あの「フランケンシュタイン」の物語から200年。フランケン博士が生み出した怪物は、未だに生き延びていた……という話で、主人公はフランケンシュタインの怪物ご本人。彼の不死の身体を巡って天使(ガーゴイル)と悪魔が次々と襲ってくる。
観始めたときには「おいおい、また怪物をフランケンシュタインって呼んでるよ。フランケンシュタインは博士のほうで怪物の名前じゃないのになぁ」って思ってたんだけど、観終わったときには「そうか!フランケンシュタインでいいんだ!!」と、自分の思い込みを糺されてしまった。
そうだよなぁ、ビクター・フランケンシュタイン博士がつくった生命なんだから、その息子といってもいいわけで、そうなら彼も「フランケンシュタイン」でいいんだよなぁ。迂闊だったよ。
主演のアーロン・エッカートは「世界侵略:ロサンゼルス決戦」がカッコよかったので、本作でもそれを思い出して、フランケンシュタインを応援しちゃったよ。
(2014年/アメリカ・オーストラリア合作/監督&脚本:スチュアート・ビーティー、音楽:ジョニー・クリメック、ラインホルト・ハイル、出演:アーロン・エッカート、ビル・ナイ、イヴォンヌ・ストラホフスキー)

 

 ……というわけで、今回はここまで。
 次回もキング原作関係が続き「死霊伝説」を最後に、バンパイア映画へとグラデーションしていくんだ。
(吸血鬼ものは多いんだよなぁ)