
見えない明日に、どう立ち向かうか
若いうちは、10年先なんて遥か彼方だ。 でも過ぎてしまえば、あっという間なんだよね。 しかも年々加速する。 歳を取るほど時間を短く感じるってだけじゃなく、実際に加速しているのと同じようなコトが起こるんだよ。 そう、技術革新とか新規参入とかってヤツだ。 それまで自分の世界には関係ないと思っ ...

お客に値引きしてほしいと言われたら?
値引きには基本的に応じるべきじゃないと思っている。 軽々しく応じられるってことは、そもそもが吹っかけているとも言えると思うんだ。 本当に良心的な金額で請け負っているのなら、値引きの余地なんか最初からないハズなんだ。 だから、応じないというより、応じられない。 ただ、そうは言っても、値引きし ...

漫画の話なのにデザインとか印刷とか聞いてくるんだけど?
これ、漫画家が一番戸惑うことだろうなぁ。 普通に聞かれるからね。 さも当然って顔で。 そして実際、お客にしてみれば当然なんで。 以下、その理由を説明していこう。 なお、これは漫画を使ったあらゆる広報物に当てはまることなんだけど、話を簡単にするために「漫画冊子」に限定して話を進めるよ。 ...

創作の仕事でもコストをいつも意識するのは大事!
コストって問題は、とても重要だ。 自分が赤字になっちゃうような金額で請け負っちゃいかんし、一方で、お客に過剰な負担をかけるのも良くない。 お客が支払うギャランティは、ボクらを食わせるためのモノじゃない。 お客のお金は、お客のもの。 ボクらのギャラっていうのは、お客の予算をどう効率良く運用す ...

自分のスタンスを把握しておこう
広告用の漫画を依頼されて描いたんだけど、アレコレ普通じゃないコトを言われて嫌になった、といった話を耳にすることがある。 まぁ、世の中には常識知らずな人もいるから、どれだけ注意していてもアブない人に出会ってしまうことはある。 ボクもそういう相手と出会うことは少なくない。 ただ、そのほとんどはト ...

依頼者とのコミュニケーション/アレもコレも通じない……?
以前の項でチラっと「漫画家の言葉は、あなたが思っている以上に一般の人には通じません」というコトを書いたけど、通じないのは言葉だけじゃない。 色々な漫画の表現も通じない人がいっぱいいるんだ。 何がどれだけ通じないか、ちょっとボクの経験から列挙してみよう。 お客に通じなかったアレコレ ■1) こ ...

広告(広告漫画も含む)の取材って、ナニをど~してる?
広告漫画に限らず、広告のオーダーでは、大抵は自分の知らない世界を扱うことになる。 ボクは漫画家で広告屋なんだから、不動産だろうが金融だろうが科学研究だろうがラーメン屋だろうが、やったことない仕事のコトはわからない。 やったことがあっても1社1店ごとの違いはあるんだから、知らないコトは知らないに ...

性格的に合わない担当者にぶつかったら、どうすりゃいい?
漫画持ち込みのときに、どんな編集者と会うかは漫画家になれるか、デビューできるかに大きく影響するよね。 ボクのときも、最初に持ち込んだ編集部では軽くあしらわれちゃって、それでムカっと来て、外に出てからスグに別の編集部に「今から漫画見てくれませんか?」って電話して、運良く見てもらえて、それがデビュー ...

お客との普段のやり取りはどうやっているの?
いくら実際に会うことを重視してるとはいえ、毎回会っていたら大変だから、実際のやり取りの主役はメールが多い。 ただメールだけで済ませるのはアブナイので、会うのをゼロにはしないように気をつけているってトコだね。 今はSNSとかスカイプとかでもやり取りできると思うけど、そういうのはあんまりやったこと ...

企画力で読者とお客をコントロールする
広告業って「悪魔の業」だって思うことがある。 だって、その気になれば、そこらに落ちてる石ころを「これはスゴいモノなんだ」って売りつけることもできるだもん。 例え、いいコトのためにやっていても、使っている力は悪魔の力。 だからこそボクらは『デビルマン』でなきゃいけない。 そして悪魔の力を悪用 ...

漫画は創作物だと気付いてもらおう(気付いてない人意外に多いのよ)
漫画は「創作物」だ。 いや、そんなコトわざわざ言わなくても誰でも知ってるよ、と思うかもしれないけど、実はコレ、全然知られてないんだよ。 正しくは知らないのではなくて「知ってるけど言われるまでは、そういう風に考えたことなかった」という感じなんだけど、いずれにしても漫画=創作物と考えずに、広告・広 ...

広告漫画がダメになる仕組み/誰も愛さない子が働いてくれるわけがない
両親が共に、子供に何の愛情も注がなかったとしたら、どうなるだろう。 世話もしない。認知すらしない。 生まれる前から、どうでもいいと思われている子。 そういう子に「生んでやったんだから役に立て、働いてお金を稼いでこい」と言ったとして、恩返ししてくれるだろうか。 そんなことは、あり得ないと思う ...

自分の作品を売るのではなく、依頼主の成果に貢献してこそ広告漫画
広告漫画は販促物だ。 漫画だけど、チラシとかポスターとかパンフレットなどの類いなのだ。 だから普通は無料の配布物。 つまり漫画は売り物じゃない。 別なモノを売るための道具なのだ。 ものすごくカッコいい道具でも、道具として使いづらかったり、役に立たなかったりしたら本末転倒だ。 広告漫画を ...

広告漫画を企画する/依頼者のズレを補正して自分のフィールドに引き込む
アメリカ第七艦隊VSランボー一人。 どっちが勝つだろう。 あるいはゴジラVSフツーのオッサンなら。 ガチで正面決戦するのなら、いくらランボーでも勝てそうにない。 フツーのオッサンがゴジラを倒せる可能性もゼロだろう。 けど戦い方を工夫すれば、ランボーが第七艦隊を制圧することはできるだろう。 ...

お客は漫画家を何て呼ぶの? やっぱ○○先生?
人によるよね。 状況によっても違うかな。 ボクの場合は基本的には「○○さん」。 スタッフにも先生とは呼ばせてない。 自分でも先生だとは思ってないしねぇ。 けど、ファンの方とイベントでお会いしたりすると「先生」と呼ばれる。 まぁ、ボクだって好きな作家さんとお会いしたら先生って呼ぶと思うん ...

打ちあわせや営業に行くときの恰好で工夫していること
フツーの恰好でいいと思うよ。 一応は相手に失礼のない恰好がいいと思うので、パジャマ姿やジャージで行くのはどうかと思うけど、別にスーツをビシっとキメていかなきゃいけないってモンでもない。 つ~か、そんなビシッとした制作者さんって、会ったことないや。 ただね、それなりの恰好をすると、ホンのちょっ ...

ハウツー客先訪問/新規客との出会いから商談をまとめるまで
お客とどういうふうに接触するかは「営業編(第2巻)」で触れたので、ここではアポイントが取れて、実際にお客と会う段階以降を、順を追って紹介しよう。 例によって「ボクの場合」だからね。 他の人がどうしてるのかまでは知らないし、ボクのやり方が正解かどうかもわからないから、そこんとこはヨロシク。 旅立 ...

広告漫画の打ちあわせって、どんな感じ?(ギャグ漫画家的コミュニケーション術)
打ちあわせはとっても重要だから、ものすごくマジメに必死にやってるぞ。 マジメにフザケてるぞ。 今はネットで大抵の連絡はつく。 進捗を報告したり、描いたモノを見せたりするだけなら、わざわざ出向いて打ち合わせする必要なんかない。 実際ボクも、そういうコトはメールだけで処理しちゃってるケースのほ ...

打ち合わせ編:序/ボクにも手渡しておきたいものがある
ボクの残り時間は、あとどれくらいだろう? いまさらで何なんだけど、ボクがこの『広告まんが道の歩き方』シリーズを書いておこうと思った動機に触れておきたい。 それはボクが、未だに成功者ではないからだ。 この世界に入って30年。 序盤の10年は、基礎を身に付け、慣れるだけのために費やすことになった ...