イバライガー公式ホームページ誕生秘話(再掲載/2009.12執筆)
このコラムは、ボクの公式サイト(www.urutaku.com)上で以前に公開していた「イバライガー観察日記」という連載コラムに掲載していたものを抜粋・一部改定して再掲載したものです。
ホームページのオファー
またまたBOSS氏から連絡があったのは、2009年の11月。
ホームページのことであった。
広告代理店がバックについたIHP体制の当時、イバライガーの公式サイトは広告代理店が用意したモノだった。
その広告代理店が撤退する以上、彼等が作ったホームページデータは今後使えなくなる。
つまり、このままではホームページが表示できなくなってしまうのである。
これまでのホームページを削除しなくてはならない期限までは、約1ヶ月。
けっこうギリギリである。
幸いにしてドメインやサーバの権利はBOSS氏たちの側にあるようだ。
交渉が終わって権利の返却手続きに入る以上、これからのホームページをなんとかしなければならない。
予算は用意します。
BOSS氏は言った。
正直、それを受け取るのは心苦しい。
だが、ウチもこれ以上の無償対応はキツい。
しかも今回はホームページ丸ごとだ。
投じる労力も、これまでとは比較にならない。
今度こそ仕事として引き受けるしかなかった。
せめて、できるだけ安く。
本来は、その料金では無理なことでもボクが頑張れば済むのだから。
スタッフはできるだけ巻き込まない。
ボクがやると決めた事だ(でも、ちょっとだけ手伝ってもらった)。
広告代理店が作っていた公式サイトをチェックし直した。
フラッシュをふんだんに使った、いかにもな作りだ。
だが、硬直している。
活動レポートは中途半端で止まっているし、一部のコンテンツは「準備中」のまま放置されている。
ていうか、チャラい!
なんだ、この幼児番組みたいなPVは?
全然イバライガーっぽくないじゃないか!?
ちょっと脱線するが、ボクは準備中とか工事中といったWEBページが大嫌いだ。
WEBなんて、いつでも更新できるし追加できる。できてないなら「無し」にすればいいではないか。
なんで、わざわざページを作って「できてません」と宣言するんだ?
いや、個人(非営利)のサイトならわかる。
後から作り足すのだって、それなりに手間だから、例え白紙のページでも最初から組み込んでおいたほうがラクだからね。
でも企業(商売)の場合は、それはないよな。
自分がラクになるために、お客様に無駄足を踏ませるなんて、どう考えたってオカシイ。
そもそも当初の段階で準備中ってことは、そのコンテンツが必要である事を当人が認めている証拠でもある。
いらないのなら準備もクソもないからね。
ということは工事中のWEBサイトは、お客様に提供すべき情報が揃っていないということになる。
何らかの事情で公開を急ぐしかなかったとしても、必要だから用意するページなのだから数日、あるいは1週間、せめて1ヶ月くらいの間には対応しなければダメだろう。
なのに「準備中」とやるサイトの多くは、半年たっても放置したままだったりすることが多い。
結局「準備中」は、きちんと出来ない会社の証拠のようなものだ。
ボクが手掛けるサイトでは絶対したくないね。
閑話休題。
とにかく、新たなイバライガーサイトを作らなければならない。
幸いにしてデザインも、コンテンツ構成も、ボクに任せてもらえた。
材料は足りない。時間もお金も足りない。
それでも何とかするしかない。
コンテンツは、カネをかければいいってものじゃないんだ。
大事なのは「魂」や「志」の部分。
ボクはそっちに注力することにした。
ご当地ヒーローの部分をどうするか
テキトーに写真を並べてソレっぽく見せるだけじゃスカスカだ。
今までと同じだ。
いくら時間がないとはいえ、そんなもんじゃ嫌だ。
作るからには「イイモノ」でないと自分自身が納得できない。
でも今までがスカスカのサイトだったから、ロクな資料もない。
一部の紹介文は旧サイトから移植(これは許可を得ている)することができたが、ほとんどの文章は全部ボクが書き直した。
かつてセンセイ氏が送ってくれたモノを参考にして、ここでも「ボクなりのイバライガー」をまとめていったんだ。
もちろんビジュアルの大半もオリジナルだけど、時間がないから凝った画像加工までは手が回らない。
なのでトップ画面のメインビジュアルには、ポスターで作ったイバライガー画像を使った。
この時点でそれなりに手を加えたビジュアルはそれしかないからだ。
また、ボクが勝手に創作したコンテンツもある。
「イバライガー・プロジェクト」と題した、いくつかの事業企画ページである。
これはボクが一人で考えて作り、BOSS氏たちに追認してもらったものだ。
以前のサイトで、デザインや「準備中」以上に納得できなかったのは、まさにこういう部分だったからだ。
イバライガーは正義のヒーローだ。
ボランティアではなくて事業なのだけど、それでも正義のヒーローである以上、お金とは関係なくやらねばならぬことがあるはずだ。
そこがハッキリ見えていなければ、単なるキャラクタービジネスの一種でしかない。
ボクが彼等に期待しているのは、そんなありきたりなコトじゃないのだ。
イバライガーは、かつてなかった「正義を職業とする事業」であってほしいのだ。
え、警察とか警備会社とかもそうだろうって?
違う。
いや、警察は必ずしも正義じゃないとか、そういう意味じゃない。
イバライガー自体が正義の存在であることはもちろん大事(だから二度と不祥事なんか起こさせない!)だが、それだけではなく、人々の心に正義を目覚めさせる存在であってほしいのだ。
つまり、最終的にヒーローとなるのはイバライガーではなく、市民ひとりひとり。
イバライガーは、そのための神輿。
それが「ご当地ヒーロー」というものなのではないのか。
ボクはそんなふうに考えた。
実際にはね、イバライガーはご当地ヒーローじゃないないと思うんだ。
ご当地キャラってのは、まず先に「ご当地」があり、その広報などのために生み出されるキャラだと思うんだけど、イバライガーはそうじゃない。
イバライガーが先。
まず先にイバライガーがあって、ヒーローだからご当地のためにも協力するということなんだよね。
ご当地ヒーローと呼ばれていても、それは「ご当地ヒーローも兼ねている」だけで、ご当地であることがメインではないはずなんだ。
オリジナル創作物を自主運営でやっていく。
そういうキャラクタービジネスなんだ。
キャラクタービジネスであれば、第一義はキャラクターの人気を高め、維持することだ。
だから普通なら、作品を売り込むことに全力を注ぐべきなんだけど、イバライガーの場合はそれだけでは足りない。
イバ=茨城県。
これは「ご当地のためにも本気で頑張りますよ」ということを意味している。
つまり本質的にはご当地ではないにしても、ご当地であることも売りの1つなのだ。
ならば「ご当地」の部分もしっかり意識して、どのようにご当地に貢献しようと思っているのかを表明しないとマズイ。
いざとなったら、ご当地第一。
自分たちが暮らす地域を守る大切さ、それを受け継いでいく思い。
そういう意識を人々に作り出していくことが「ご当地ヒーロー」の使命。
彼等が、そういう部分をどこまで考えているかは分からない。
でも、それがなけりゃ「イバ」の部分が生きてこない。
ボクは、イバライガーに自分の思いを託す事にした。
それはボクの勝手な思いであって、彼等が宣言したことじゃない。
でも、少なくとも、そういう気持ちを受け止める度量はあるはずだと思った。
それもまた勝手な思い込みだけど、ヒーローに色々な思いが託されるのは当たり前だと思うしね。
意見が合わないようなら、公開前に削除すればいいだけだもんね。
そうやって、ボクはボクなりの思いを込めてホームページを作った。
仕事で依頼を受けるときも、ボクはボクの思いを込めて作る。
その企業に「こういう会社であってほしい」という気持ちを込めて構成しているんだ。
だから原稿のままに作るってのは滅多にない。
逆に原稿がなくても作っちゃう。
勝手に取材して、足りない部分は自分の妄想で埋めて。
リアルに妄想するってのは漫画家にとっては当たり前のことだし、一応、広告のプロデューサーだからね。
こうじゃないと売れね~だろってときは、依頼者の原稿にも容赦なくツッコむ。
でも、いくら妄想しても嘘を書いたりは絶対しないよ。
同じ事を語るとしても、アングル(切り口)を変えるってトコかな。
それと、このイバライガーサイトのように、ボクから提案して新しい何かに取り組んでもらったりね。
ぶっちゃけ、ボクが妄想で書いた「社是」がそのまま採用されて会社に掲げられたこともある。
冗談みたいだけど、けっこうあるんだ、そういうこと。
とにかく、このときもボクは「ボクが考えるご当地ヒーローとしての在り方」をサイトに書いた。
そしてBOSS氏たちは、ボクが勝手に作った事業企画を、そのまま受け入れてくれた。
そのときに挙げた企画案を実現できているかと問われれば、いまだ出来ないままのことが大半だ。
でも、必ずやる。それをやってこそのイバライガーだ。
仮面ライダーにも、ウルトラマンにもできなかったことを、いつかきっと、やる。
ボクはそう信じているし、ちょっとずつは実際にやってくれてもいるんだ。
この頃にBOSS氏から届いたメールには、こんなコトが書かれている。
有難うございます。ホームページいい感じですね(*^_^*)
> そんな感じでお任せします。
> 本日、テレビ東京 ピラメキーノの収録に行ってきました。
> これは子供たちに人気の番組で今回二週に渡り特別企画として
> イバライガーの父(イバライガーシニア)と言う設定でフルーツポンチの村上が
> セコンドに立ちピラメキパンダと対戦する設定です。
> これは正直・・うちの子供たちや小学生の子は見ないと遅れてしまうぐらいの
> 人気番組ですので面白い展開になると考えてます。
(2009/11月16日21時51分)
> 今日は朝から撮影で合間に銀行やら雑用とリハビリでした。
> 夕方、発達障害の子の誕生日で土浦の自宅にサプライズ訪問でした。
> イバライガーの大ファンだと以前から親御さんからお金を払うので来て欲しいと
> 相談されてました。
> 僕は苦しいけれど・・・お金は要らないので、ノドが乾くからジュースだけ
> 頂ければと条件を出して今回出向きました。
> イバライガーとしての任務だと考えてます。
> 明日は海にて帰りが15時~16時だと思います
> HPの話もありますので明日はある程度お話して夕食でもと・・・
> 飲んでも構いませんよ。行きましょうか?????
(2009/11月27日01時53分)
ガンバっているなぁ!
ボクもがんばらなきゃ!
この頃、ボクもマンガの締め切りがキツくて、しかも回収不能に陥ってしまった請求(お客が倒産しちゃった)が200万円分もあったりしてキツイ時期ではあったんだけど、あいつらの苦労に比べれば大した事ではない。
やるぞ!負けられない!
こうしてイバライガーの新(現在の)ホームページは、2009年12月にリニューアルオープンした。
そして2010年。
イバライガーは、またも新たな状況に突入していく。
※個人情報や固有名詞はできるだけ伏せていますが、やりとりしたメール文面などは原文のママです。
※このブログで公開している『小説版イバライガー』シリーズは電子書籍でも販売しています。スマホでもタブレットでも、ブログ版よりずっと読みやすいですので、ご興味がありましたら是非お読みいただけたら嬉しいです(笑)。