ハウツー客先訪問/新規客との出会いから商談をまとめるまで
お客とどういうふうに接触するかは「営業編(第2巻)」で触れたので、ここではアポイントが取れて、実際にお客と会う段階以降を、順を追って紹介しよう。
例によって「ボクの場合」だからね。
他の人がどうしてるのかまでは知らないし、ボクのやり方が正解かどうかもわからないから、そこんとこはヨロシク。
旅立ち
まず第一に、約束の時間に遅れないようにしよう。
基本的には3~5分くらい早めに到着するように心がけるべき。
電車が遅れましたとか、道に迷いましたとか、そういう言い訳は通らないと思ったほうがいい。
だって、実際にありそうなコトだもん。
ありそうなコトは予想して対策しておくのが当然。
それができないようだと、その時点で不安がられてしまう可能性も十分にある。
仕事力って、予定になかったことに上手く対処できたりすることだからね。
お客が求めてるのは総合的な仕事力なんだ。
画力とかは、その一部でしかないのよ。
そういうわけで、遅刻は避けよう。
どうしても遅れちゃうときは、そうとわかった時点で連絡を入れよう。
アポイントの時間を過ぎちゃってから連絡してもダメだよ。
その時間になる前に連絡するんだからね。
相手にだって予定があるんだから、待たせるのは相手の時間を無駄遣いさせることになる。
だから、確実に遅れると思ったら、さらに遅れることになったとしても連絡することを最優先するべきだ。
そうしておけば心証が悪くなるのを少しは抑えられるし、なんの影響もなく済むことだって多いから。
それに、その後のスケジュールが詰まってるとか、外で待ち合わせするといった時ならともかく、客先の会社を訪問する時は、相手は自分の会社にいるだけなんだから、多少のズレは気にならないことも多いんだ。
早く言ってくれれば他の仕事しながら待っていられるのに、連絡がないと、ただイライラしながら待つことになっちゃう。
そういうのが一番迷惑なわけで、だから連絡は重要なの。
なので出かける時には、先方の会社名、担当者名、部署名、電話番号(できれば内線番号などもわかるといいけど無理なら代表番号)くらいはスマホなどに登録しておくといいよ。もちろん、バッテリー切れで使えないなんてことがないようにも注意するんだよ。
あ、それから意外と見落としやすいのが先方の規模ね。
デカい会社とか、デカいビルに入ってるといった場合は、その建物に着いたからって、すぐに目的の部署や会社に行けるとは限らないのよ。
受付でアポ先を伝えて、内線で確認してもらって、来訪者書類にアレコレ書いて、入館証や入館バッジを受け取って、それからエレベータに乗ったり、ときにはクルマに乗って移動したりして、ようやく目的の会社(あるいは部署)に着いて、そこでまた受付にアポを伝えたり、無人のときは備え付けてある内線電話で担当者を呼び出したり……なんてコトも珍しくないの。
慣れてない手順にとまどったりして、建物に着いてから実際に担当者と会えるまでに15分くらいかかったりすることも多いのよ。
なので、そういうタイムロスも折り込んでおくべきだよ。
……とか言っといて何だけど、ボクは遅刻しちゃう、あるいはギリギリってコトがすっごく多い(苦笑)。
一応、ギョーカイ人なんで、そっちの世界のノリに慣れちゃっていてさ。
いや、広告とかマスコミ系のギョーカイ人って、大胆な人けっこう多いのよ。
若い頃に代理店の人たちと一緒に「大事な客先」を訪ねることになって、先方の会社の前で合流したの。
アポ5分前だったから、当然、そのまま会社に入っていくと思いきや、隣りにある喫茶店に誘われた。
「まだ5分あるじゃん」って。
いや、5分なんか注文したコーヒーが出てくる前に過ぎちゃうじゃん。
それを飲んでたら急いでも10分くらい遅れちゃうじゃん。
と、ボクは焦ったんだけど、みんな平気な顔。
彼ら曰く「15分まではダイジョーブ」なんだそうだ。
光画部かよ。
まぁ、そんな人たちと付きあっていたせいか、ボクも光画部時間で行動するようになっちゃってさ。
みんなは見習っちゃダメだよ。
ただ、そういう人はね、そういうタイプであることをカバーする方向に進化するもんなんだよね。
ボクもそう。
最初にズッコケがちだから、それを踏まえた上で、その後の話術とかでカバーしてる。
ようするにキャラ勝ちでゴマかしてるわけ。
なので、その手のノリでゴマかすことに長けている人なら、よほどヒドい遅刻じゃなければ大丈夫だろうと思うけど、まぁ、これもオススメできることじゃない(笑)。
コンタクト
さて、こうして実際にアポイントを取った相手と会えたら……
……いや、待て待て。
その前から書いておいたほうがよさそうな気がする。
その人に会う前に、会議室とか商談ルームとかに通されて「ここでお待ちください」になることも多いもんな。
そういう部屋に入ったら、テキトーな場所に座って待とう。
基本的には上座(部屋の奥のほう)は空けておいて、下座に座っておくほうがいいと思うけど、下座=ドアの前だったりすると、むしろ邪魔なので、テキトーでいいと思うよ。お茶とか出されたら、恐れ入りますとか軽く会釈しておく。
そのお茶は遠慮なく飲んじゃっても構わない。
先方に見せる資料とか持って来ているのなら、待っている間に出しておくと、後でゴタつかないで済む。
打ちあわせをメモするノートやペンなども出しておく。
使わなかったとしても、メモを取る姿勢を見せるだけでも印象よくなるから。
メモはスマホやタブレット、ノートPCなどで代用してもいいんだけど、できればスマホはやめておいたほうがいい。
人が話してんのにスマホいじるな! と怒る人もいるからね。
そういうつもりじゃなくてもムカつく人はムカつく。
わざわざ地雷踏みに行かないほうがいいのよ。
……というわけで……
さぁ、アポを取った先方の担当者が入ってきたぞ。
まずは立ち上がって挨拶しよう。
座ったまま偉そうにしてちゃアカン。
そして、すかさず名刺交換だ。
当然、さっき資料やノートを出したときに、テーブルの上に名刺ケースも出してあるはず。
そこからスッと出して、サッと交換する。
コッチが一人でも相手も一人とは限らないから、その場にいる全員と交換することになる。
コイツは下っ端っぽいから無視していいやとか思わないように。
交換が終わったら、元の場所に座る。
他の人たちも、それぞれに座っているはずだ。
受け取った名刺は、テーブルの脇に置いておくことが多いな。
名前を確認するためなんだけど、ボクは顔と名前を覚えるのがすっごく苦手なんで置いておくけど、その場では役には立たないことが多い。
ただ、その場に何人いても、その中の「自分にとってキーマン」になる人の名刺だけは覚えておくようにする。
顔は忘れちゃっても、名刺は覚えておく。
これから、その人と付き合うことになるはずだからね。
戦闘準備
座ったら、いよいよ商談というか、打ちあわせが始まるんだけど、場を和ませるための無駄話になることも多い。
お互いの自己紹介も兼ねて、テキトーな会話したりね。
ボクの場合はココで脱線しまくって色々喋っちゃって、気付いたら10分経ってたといったコトも多いんだ。
打ちあわせすっかり忘れててさ。
ボクがそうなりがちなのは、ボクがそういうバカだからだけど、それだけじゃないんだよ。
わざとやっている部分も半分はあるんだから。
相手が自分に興味を持つかどうかを測っているんだ。
知識や腕ではなく、ボク自身に興味を持ってくれそうかどうか。
自分自身を買ってくれるかどうか。
それを見ているの。
だから、序盤で軽く脱線してみる。
自分がどういう人間かを晒す。
仕事以外の話で盛り上がる方向に行けそうかどうかを、ちょっとだけ試す。
そうしながら周囲の反応を見る。
コイツはノッて来そうだけど、隣りの人はダメっぽいな、とか。
10分脱線できちゃったなら、大成功ってトコだね。
その場にいる全員が自分に興味を持っていないと、そんなコトはできないもん。
まぁボクは、お笑い芸人になろうかと思ったコトもある(高校生のときに友人とコンビで『お笑いスター誕生』に応募しようとしたけど、土壇場で友人がテレビでボケやるのは恥ずかしいって逃げちゃって実現しなかった)ようなキャラなんで、こういうやり方してるけど、人はそれぞれだから、自分に合ったやり方をすればいいと思うよ。
ブスっとして、やる気なさそうにしてるのはマズイけど、やる気の感じさせ方なんて、いくらでもあるんだから。
まだまだイントロ。
ここがどうであれ、打ち合わせが終わったときに、自分に任せてもらえる状態になってりゃいいんだから、あまり気にしすぎないでね。
戦闘開始
そろそろ、本題に入ったかな。
ボクのような脱線しなかったのなら、割とすぐに本番の打ち合わせが始まるだろう。
先方のキーマンな人が、どういうわけで自分を呼んだのか、どんな仕事で、どんなモノを求めているのか、といったコトを説明してくれるはずだ。
説明が始まったら、あまり口を挟まないで聞くことに徹したほうがいい。
相づちを打ったり、うなずいたりしながら、相手の言っていることを理解することに集中する。
何か引っ掛かることがあっても、まずは聞く。
聞きながら、その仕事で自分に求められている役割を把握していく。
自分に向いている仕事なのか、向いていないとしてもやれる仕事なのか。
求められていない部分でも、自分ならやれること、付加価値をつくれることはないかなどを考える。
そして一区切りついたら、今度はこちらのターン。
引っ掛かったことや、確認しておきたいことなどを質問する。
そうやって「前提になる最低限のコト」を洗い出していくんだ。
それらが見えてこないと、具体的な打ちあわせなんかできないもん。
ここで確認しておきたい大きな部分が「お金のハナシ」なんだけど、ボクの場合は、そういう生々しいコトは、この段階では持ち出さないことのほうが多いな。
この後、もっと話し合いが進んで、不明瞭なコトがもっと少なくなってから、最後にお金のコト、というのが一番多い。
ギャラで折りあえなかったら商談しても無駄なんで、早めに確認しておきたいところだけど、下手に早くカードを切ったせいで、もっと大きな仕事にできたのを見逃すってコトもあるんだよ。額面がはっきりしちゃうと、ソレに思考が縛られて自由な発想ができなくなるってコトがあるんだ。
だからボクは最後になるまで、お金の話はしない。
相手が切り出しちゃったら、そこに乗っかるしかないけど、そうでないなら、まずは仕事内容の把握を優先し、そこから拡張できる可能性を探り、可能ならその場でちょっとした提案なんかもしてみて、そういうモロモロの反応を見てから、ギャラの交渉をすることが多いんだ。
なお、お金の話を全くしないってことは、あり得ない。
金額がわからなきゃ、引き受けられるかどうかもわからないんだから。
妥当な依頼内容で妥当な額面だと納得できて初めて、その仕事をやれるんだ。
だから、お金の話を避けるような人や、はっきり言わないような人の仕事は絶対に引き受けないよ。
そういうわけでお金の話は絶対にするんだけど、そのためにもボクは「先方の空気を感じておくこと」を重視する。
仕事内容そのものより、そっちのほうが大事。
今後の仕事を左右する、一番重要なポイントがそこだからだ。
実際に会わなくても大抵の仕事はできるんだよ。
今はネットが十分に発達してるから、オンラインだけでも済んじゃう。
にも関わらず、実際に会って話すというのは、お互いに、相手がどういう人間かを知りたがっているからだ。
自分に制御可能な相手かどうか。
人間的に付きあえるかどうか。信用できるかどうか。
責任感があるかどうか。
こちらをナメてないか。甘く考えてないか。
下に見てないか。対等の相手と見なしてくれているか。
そういうモノを見ている。
それが技術や知識以上に大事だからだ。
完ぺきな人間なんてのはいないから、ダメな部分があってもいい。
それが致命的なほどダメだったらどうしようもないけど、補えるか、他の魅力的な部分がダメを差し引いて余りあるなら、それでいい。
お互いにそれを見ている。
だからこそ、会うんだ。
こっちが見てるのと同じだけ、相手も見ている。
「深遠を覗くとき、深遠もまたあなたを見てる」ってヤツだよね。
お客を制御する
打ちあわせ中に不穏なモノを感じたら、それを解消することが最優先だ。
相手の言動から、自分に対して不安を感じていそうだと思ったら、その部分をフォローする話をする。
こんだけ他所の会社でやってますよ。
前に○○なコトがあったけど○○な方法で乗り切りましたよ。
あなたの知らない○○を知ってますよ。
などなど、不安要素を打ち消す情報を伝える。
そうすることが、自分が相手に対して感じている不安を解消することにもつながる。
例えばナメられてるっぽい言動だったとしたら、ナメられないだけの知識や経験を披露することで打ち消せることが多いからね。
ナニを言ってもナメられてる感じだったら、毅然とした態度を取る。
こちとらプロだ。信用しろ。信用できないのなら雇うな。
信用できないようなヤツ、信用できないレベルの腕だと思うのなら、そんなヤツに大事な仕事を任せるな。
ボクには、あなた方の仕事をこなせる自信はある。
だけど、あなた方がボクを信じてないのなら、意味はない。
ボクを使うならボクを信じろ。信じて任せてみろ。
任せたら結果を出せるのかって?
そんなもん、約束できないよ。
どんなバッターだって、必ずホームランを打てるわけじゃない。
KOで勝ちます、金メダルを獲りますって宣言しても、負けるときは負ける。
そういうモンだ。
だけど、負ける気でやったことはないぞ。
ボクは勝てる。
そう思うから、ここにいる。
言い方はもっと丁寧だけど、こういうことを言う。
これを言ってダメだったら、縁がなかったと諦めるね。
こういうことは、相手がナメてないときでも最後のキメとして必ず言うようにしている。
コレを言っておくことで、その後の付きあいが変わってくるから。
態度が横柄だったり、ナメてたり、不信感を持たれたりってのは、大抵は相手も怖いからなのよ。
人間として壊れてる人ってのは、そうそういない。
仕事を引き受けるのは怖い。
上手くいかなかったらどうしよう、期待に応えられなかったらどうしようと、とにかく怖い。
でも、依頼する側だって同じだけ怖いんだ。不安なんだ。
会ったばかりのボクに全てを任せるなんて怖くて仕方ないんだ。
だから防御する。
自分の裁量と才覚の中だけで何とかなる方法を考える。
知らない人に身を委ねないで済むやり方を考える。
自分が指示した場所しか触らせない。
無意識に、アカの他人の裁量に頼らない方法を考えちゃうんだ。
人って、そういうふうになりがちなんだよ。
失敗するのは怖いから、可能性に賭けて成功するより、失敗しないほうを優先しがちなんだ。
だからナメる。
使わざるを得ないけど、信じて頼り切るのは怖いからナメる。
なので、ボクは自分の意見や見識もできるだけ披露する。
今回の仕事とは別なコトでもいい。
他所の話でも、ボクが関わったことで成果を上げた事例があれば、それらを語る。
持ってきた資料や作例なども見せながら語って、期待させる。
できるだけ穏やかに、だけど自信ある顔で、時に真っすぐ相手の目を見て語るんだ。
漫画やアニメで何度も見ただろ。
パニックしている相手に平手一発。
そして真っすぐな目で言う。
オレを信じろ。
アレだよ。アレをやるんだ。
本当に自信満々ってわけじゃないよ。むしろ冷や汗ものだ。
真っすぐに見つめるのも、ちょっと気恥ずかしい。
気後れすることもある。
でも、やるのだ。
今は相手を安心させることが一番大事なのだ。
どんなに不安でも、それを隠してツッパるとこなのだ。
当てにしてなかったけど、コイツはやるかもしれないと感じさせる。
自分がアレコレ考えてたコトより、コイツのほうが詳しい。経験値もあるようだ。
何より、やれる、大丈夫だって言ってくれた。
それが本当なら任せたい。
モチはモチ屋。素人の自分が仕切るより、任せちゃって楽になりたい。
そう思ってもらうように動くんだ。
この「楽」っていうのは、すごく強力な感情だ。
だれだって楽になりたいんだ。
便利とか、多機能とか、高性能とかってコトよりも、とにかく楽になれるっていうほうが、ずっと強いの。
その他のことはね、楽になる自分を納得させるための要素でしかないことが多いのよ。
外部の専門家を呼んだ以上、任せられるものなら、任せて楽になりたいと思っているはずなんだ。
自分にはできないから呼ぶんだから。
けど、任せて楽になれるかどうかに不安があるから、その不安がぶつかってくるんだ。
だから商談、打ちあわせっていうのは、自分を使えばどう楽になれるのかを相手に感じさせることなんだ。
それができれば、必ず勝てる。
全てが始まるエンディング
さぁて、そろそろ打ちあわせも終盤だ。
言い残したことはない?
聞きのがしたことはない?
預かるべき資料などはもらった?
受け取った名刺や、ノートや資料はちゃんと仕舞った?
忘れ物がないなら、再会を誓って別れるときだ。
一緒に戦っていこう。力を合わせよう。そう約束して握手するシーンだ。
実際に握手することは滅多にないかな。
外国人だと最初と最後に握手必須で、下手すりゃ抱きあっちゃったりすることもある(ボク一応、海外の仕事もしてるんだよ)んだけど、日本人だと、あまりないな。
軽く談笑して、お互いに空気読んで終わりを迎える。
ボクの場合、ここからの談笑がプラス1時間ってコトもけっこうある。
つい一昨日なんか、仕事の話は30分なのに打ちあわせ時間は3時間だった。
ず~っと脱線状態。
話の合うお客だとそうなっちゃう。そうしちゃう。
そうすることで、依頼者と請負業者じゃなくてダチになっちゃう。
計算づくでダチ作ってるんだ。
う~ん、我ながら、なんて嫌なヤツ(笑)。
でも打算はあっても、ダチはダチ。
そして仕事のときはガチ。
ダチになったからと甘えたり、テキトーな仕事やったりはしないぞ。
そうじゃないとダチじゃなくなっちゃうからね。
さぁ、挨拶して帰ろう。
え、エレベータホールまで見送ってくれるの?
ありがとう、それじゃあ、次はメールで連絡するね。
今後ともよろしく。
エレベータに乗る。
ドアが閉まるとき、先方が頭を下げているのが見える。
ボクも頭を下げる。同時にドアが閉まる。
一人になる。
打ち合わせがいい感じに終わったときは、それなりの充足感がある。
でも、何1つとして終わってはいない。
だって、これから始まるんだから。
始めるための最初の一歩というだけなんだ。
今感じている充足感は、その一歩分だけなんだよね。
だから、気を引き締めて気持ちを新たに……する前に、今はそこらのスタバや喫茶店で、ひと休み。
大抵ボクはそうする。
いったんは全部を忘れて、ボケっとする。
そうして気持ちの高揚を落ち着けてから、電車に乗って家路へ。
ボクの場合、例え遅い時間に帰ってきても、そのままオフタイムということは、まずない。
仕事場に戻って、今日のお礼のメールを書く。
相手は明日の朝まで見ない可能性が高いけど、こっちは今夜のうちに送っておく。
そういうコトの積み重ねがジワジワと効くんだよ。
会ってくれて、ありがとうございます。
任せてくれて、ありがとうございます。
頑張ります。本気を出します。
いや、本気を超えるように努力します。
こういう文面を書くわけじゃないけど、そういう気持ちで書く。
それを送信して、ようやく一段落だ。
仕事はまだ始まっていない。
なんせ、まだ受注したわけじゃないからね。
まだ契約は交わしてない。
チャンスをもらったというだけ。
これから話し合ったことを整理して、時には打ちあわせ時には受け取れなかった資料などを送ってもらい、検討し、自分なりの企画案にまとめる。
それが相手に受け入れられたときからが、本当の本番なんだ。
まだまだ、キックオフまでは長い。
それでも仕事は、それよりずっと前から始まっている。
そして大抵は、描く段階、契約する段階よりも前に勝負は決まっているんだ。
※このブログに掲載されているほとんどのことは、電子書籍の拙著『広告まんが道の歩き方』シリーズにまとめてありますので、ご興味がありましたら是非お読みいただけたら嬉しいです。他にもヒーロー小説とか科学漫画とか色々ありますし(笑)。