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イバライガー連載小説

(←第22話後半へ) OP(アバンオープニング)  食事を済ませた。牛丼弁当である。  今日はたくさんのことがあったから、誰も炊事当番ができなかったのだ。  これからのことが気になって食が進まないかも……と思ったが、全員がキレイに食べていた。  空になった容器を集めながら、カオリはホッとした。  袋 ...

イバライガー連載小説

(←第22話前半へ) Bパート  敵の拳が、ブラックのマスクをかすめた。  一瞬、フェイスバイザーにノイズが走り、すぐに修復された。  だが、わずかずつダメージは蓄積されているはずだ。  瞬時に修復されるから見た目には変わりないように見えるが、身体全体のナノパーツは減っている。ダメージを受けていない ...

イバライガー連載小説

(←第21話後半へ) OP(アバンオープニング)  私は、もう動けない。だから、お願い。  私の中の私。みんなのそばに、いてあげて。私の代わりに。   違うわ。あなたは、あなた。私じゃない。   私の想いを持っていても、あなたは、あなた自身なの。   私は、あなたの代わりにはなれない。  私は、私? ...

イバライガー連載小説

(←第21話前半へ) Bパート  つくばから土浦市街に向かって伸びる大通りを、一気に突っ走る。  数台の車が驚いて急ブレーキを踏んだ。すまない。だが、今は仕方がない。 「イバライガーR、目立ちすぎですよ! いいんですか!?」  後ろをトレースしてくるミニRが叫んだが、Rは答えなかった。  周囲を気に ...

イバライガー連載小説

(←第20話後半へ) OP(アバンオープニング)  イバガールは、プールサイドに座っていた。  NPLに足を浸し、水面を見つめる。  何もない。  少し前まで、ここにはミニライガーRの「コア」が沈んでいた。  そのミニRは今、イバライガーRとともにパトロールに出ている。  ミニRが起動できたら、次は ...

イバライガー連載小説

(←第20話前半へ) Bパート  その祈りに応えたように、イバライガーRが特異点の中に出現した。  シンやワカナ、他の仲間の想いも感じた。  気づいたときには、こちら側の世界に戻っていた。Rが私を救出したのだ。  特異点の中では時間は無意味だ。永遠と一瞬は、同じものだ。  故に、私にとっては消滅した ...

イバライガー連載小説

(←第19話後半へ) OP(アバンオープニング)  シンの手を握った。ワカナと抱き合った。  マーゴンやカオリ、ミニライガーたち、博士たちとも語り合うことができた。  そしてイバライガーRとイバガール。  彼らのことはずっと見守ってきたが、直接話すのは初めてだ。  ようやく、動くことができた。  ハ ...

イバライガー連載小説

(←第19話前半へ) Bパート  誰かに呼ばれた、と感じて、思わず急ブレーキを踏んだ。  漫画雑誌や、ガチャガチャのフィギュアや、食べかけのポテトチップなどがフロントに押し寄せてきて、クルマの中はメチャクチャだ。  テキトーにかぶっていたヘルメットが脱げて跳ね返り、鼻にぶつかった。すげぇ、痛い。   ...

イバライガー連載小説

(←第18話後半へ) OP(アバンオープニング) 「なぁ、本当に行かなくていいのかよ?」  ミニライガーブラックは、焦れていた。  今いるビルの屋上からは、現場は見えない。それでも、ジャークの反応は濃厚に感知できる。  かなりヤバイ。援軍なしでどうにかなるとは思えない。  そして今、援軍できるのは自 ...

イバライガー連載小説

(←第18話前半へ) Bパート  あのとき以来、ルメージョは息を潜めて成り行きを見守っていた。  前回の戦いでは、特異点へのアクセスが起こった。  ルメージョは、時空の狭間に封じられている初代イバライガーを救出しようとするシンたちを逆用して、一気にケリをつけるつもりだった。  そのために蓄えてきたネ ...

イバライガー連載小説

(←第17話後半へ) Aパート 「時空旋風! エターナル・ウインド・フレアァアアッ!!」  イバガールの風が、ジャーク化した者たちを包み込んで封じた。  サイレンが鳴り響き、駆けつけた警官たちが、逃げる人々を誘導している。  ワカナは周囲を索敵しつつ、背後でベビーカーから子供を抱き上げようとしている ...

イバライガー連載小説

(←第17話前半へ) Bパート  ミニイエローを先頭に、ブルー、グリーンが出てきた。  全員、顔にお札が貼ってあり、手を前に出してぴょんぴょんと跳ねている。  キョンシー? 「な、何やってんだ、お前ら?」 「こうしていれば呪われないってマーゴンが言ったんだ~~~」 「の、呪われない?」 「そうだ!  ...

イバライガー連載小説

(←第16話後半へ)   OP(アバンオープニング)  閃光が奔った。  イバライガーRが抑え込んでいた空間が弾けたのだ。  圧縮されていた空間と通常空間が重なり、爆発的なエネルギーに変換される。周囲の全てが光となって消えていく。  消滅する時空に巻き込まれ、土台を削り取られた周囲の建物が ...

イバライガー連載小説

(←第16話前半へ) Bパート  ガール、ミニブラック、ミニライガーたちを物陰に匿うと、シンとワカナは全力で走った。  ダマクカラスンの言う通り、ブラックも限界のはずだ。凄まじい気力でそれを悟らせまいとしているのだろうが、長くは持つまい。  最後の希望は『彼』だけだ。 「シィイイイン!! ワカナァア ...

イバライガー連載小説

(←第15話後半へ) OP(アバンオープニング)  ベッドでうとうとしていたクボデラヨリコは、母親の悲鳴で飛び起きた。  あたりを見回す。  いつの間にか夕方近くになっていて、部屋の中は薄暗い。  物音はベランダからだ。母は、洗濯物を取り込むために出たのだろう。  西日を遮るために下ろしていたブライ ...

イバライガー連載小説

(←第15話前半へ) Bパート  PIASは躊躇なく、トリガーを引いた。  セッティングは散弾だ。この距離なら、顔面はぐしゃぐしゃになって吹き飛ぶ。  だが、ルメージョは微笑んだままだった。  連射する。ルメージョは嗤い続けている。  何かの力が、弾をはね返している。  ソウマは接近戦に切り替えた。 ...

イバライガー連載小説

(←第14話後半へ) OP(アバンオープニング)  ビル全体が鳴動している。  今までにない大きな戦いになっていることは、見なくてもわかった。 「今回はヤバい! カオリ、早くしろよ!」  イモライガーが、あまり大事ではなさそうなオモチャの箱を抱えてアタフタしているが、カオリは手が離せなかった。  み ...

イバライガー連載小説

(←第14話前半へ)   Bパート  観光バスやトレーラーに偽装した特殊車両20台で、すべての道をふさぐ。  周囲をシートで覆って、内側が見えないようにもしてある。  だが、今さら目隠しも偽装も意味はなさそうだった。  ソウマは、空を見上げた。浮かんでいるアレは、隠しようがない。  何をし ...

イバライガー連載小説

(←第13話後半へ) OP(アバンオープニング)  主婦や女子高生が、笑いながら通り過ぎていく。  あの連中は、タクシーには乗らない。  ビジネスマンも乗らない。この辺りでは、誰もが車に乗っている。  タクシーを使うのは出張や観光で訪れた者くらいだが、平日の午後には、そういう人は少ない。  JR土浦 ...

イバライガー連載小説

(←第13話前半へ) Bパート  大型トレーラーが動き出した。  見た目は運送会社のモノに偽装しているが、中身は戦闘用の装甲トレーラーであり、移動基地とも言えるシロモノだ。  ソウマは、その助手席にいた。例の全身タイツは、すでに吹き付けてある。  後ろのカーゴではPIASのセッティングが行われている ...

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