小説イバライガー第33~34話/コメンタリー

2018年12月15日

目次

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第33話コメンタリー

私たちの心のかけら

ハイパーイバライガーの力を使えるようになった初代。ただし、これは本当のハイパーじゃなく、擬似的なものだ。未来のシン、ワカナのメモリーと擬似シンクロすることで、オーバーブーストと同様の現象を単独で引き起こすのだ。安定的にシンクロすることができないこと、初代自身のエネルギー量以上の力は出せないことなど制限事項も多く、故にハイパー状態は1分程度しか続かない。
初代は自分を生み育ててくれたオリジナルのシンたちに憧憬に近い思いを常に抱いている。その赤子のような純粋さが、ハイパー化する鍵になっている。

今の私を止められると思うな

ボクは気力だけで急激に強くなったりするのには納得できないタイプなので、このシーンだって急に初代が強くなったわけじゃない。Rとガールによってランペイジたちはダメージを受けているからこそ、初代でも単体なら圧倒できるのだ。でもね、そういう説明をいちいち組み込んでいたらクドすぎてお話が盛り上がらないので、戦闘描写だけにして説明は割愛させてもらったの(笑)。

パワーアップの影響はミニRにも

これはミニRがイバライガーRのバックアップだから。RとミニRは常に接続されていて情報共有しているため、レディアンスとなったRからのフィードバックでミニRも若干のパワーアップを果たしているのだ。

NPLのクレイモア

一定のプログラムを仕込んでNPLをばらまく。ブラックが断ち切られた自分の腕を遠隔操作したのと同じことだね。

ワカナのバイク

第7話や21話で乗っていたやつだ。車種などは明記していないが、400CCクラスだと思っている。

見た目は大排気量のハーレーダビッドソン

実際のイバライガーが乗っているトライクそのままの描写にしたのよね。で、ボクはアレをハーレーに擬態しているのだと考えることにしたの。バイクで駆けつけるヒーローはかっこいいけれど、よくよく考えてみると移動手段としてバイクやクルマっていうのは、ちょっと問題がある。ヒーローが信号無視しまくるってのはマズイし、かなり広域に対処しなきゃならないはずだから、バイクで現場に向かっていたら間に合わないとしか思えない。超絶の力があるのだから自力で走って飛んで……のほうが、ずっと速いだろう。
だからバイクに乗る必然性は全然ない。ないんだけど、やっぱり乗せたい。なのでバイク(トライク)に擬態したオプションパーツという位置付けにしたわけだ。

妹じゃなくてパパァ!?

ミニガールの扱いには、かなり悩んだ。意識不明になってしまうのは最初から決めてたことだけど、そのまんまだとブラックが復活するまで活躍できない。それじゃ困る。でも彼女が必死の想いでブラックの魂を守り続けているというのは捨てがたい。
……というわけでパパ=ブラックが身体を預かって動かすという展開になったの。許してあげてね。

ジャックナイフ・ターン

前輪だけでウイリーするようにしてターンする高等テクニック。映画『ミッション:インポッシプル2』でトム・クルーズがやってたアレだ。

ウイルス

一夜漬けで作ったコンピュータウイルスでやっつけちゃうと言えば『インデペンデンス・デイ』だ。ボクは割と好きな映画なんだけど、ご都合主義すぎるという批判はごもっともだと思う。人類を遥かに上回る科学力を持った宇宙人が、即席のウイルスに感染してオジャンなんて、そんなアホな、とボクも思う。ただ、あの宇宙人、どう考えてもバカで、高度な文明を持った知性体とは到底思えないんだ。だから巨大UFOとかも実は先史文明の遺跡か何かで、何もわからないまま使ってたんじゃないかと。わかってないからセキュリティソフトとかも更新しなくて使えなくなったままなんじゃないかと(笑)。
で、このエドサキ博士が作ったウイルスも一夜漬けなんだけど、こっちはPIASのシンクロシステムを利用したもので、しかも数秒で駆除されちゃう前提で考えている。これでも無理はあるんだけど、こうでもしないとソウマくんの見せ場を作れないのよ。今回の戦いはハイレベルすぎて、パワーアップしたRやガールや初代以外は全員ザコになっちゃうんで、出番作りにくいのよ。

ギリギリのハングオン

ハングオンっていう単語を使ったのは、いつ以来だろう? 最近はバイクも乗らなくなっちゃってるからなぁ。でもね、ボクだって若い頃はライダーだったのよ。バイクで江戸川区から中野までアシに通ったりしてたのよ。週末にはツーリングしたりもしてたのよ。当時はバイクレースも人気で、ケニー・ロバーツとかフレディ・スペンサーとかの人気ライダーもいた。映画『汚れた英雄』も繰り返し観たりしてたのよ。

PIASの中って、こんなにビチョビチョ

PIAS初登場の14話以降、いちいち描写してなかったので忘れている読者も多いだろうけど、外側の装甲スーツとソウマが来ているインナースーツとの間にはNPLが流し込まれていて、それが神経伝達を担っているのだ。だから中はビチョビチョ。まぁ人間の体内だってビチョビチョだからね(笑)。

サイドカー

前後2列にシートが並んだサイドカーだと思っていただきたい。なお、ボクはサイドカーを運転したことはない。難しいんだってね。メインのライダーと、サイドカーに乗ったパッセンジャーの息が合わないとダメなんだってね。でも、イバライガーたちなら、いつでも感覚共有できるから、完璧なドライビングが可能なはず。今回はワカナが運転席だから、その動きに周囲が合わせてくれるという感じだろう。なんせトライク自体が意思を持ってて自在に動くんだし。

まさかアケノがXなの!?

最初はね、シンとワカナにXを使わせるつもりだったの。そんでアケノはNPLで作った『ねんどろいど』くらいの2頭身イバライガー(公式のかわいいイラストのイメージ)にシンクロして『聖戦士ダンバイン』のチャム・ファウみたいに肩に乗って指揮を取る展開だったの。そのつもりでクライマックス近くまで書いたの。でも、そこでハッと気づいちゃったの。Xだったらシンクロして遠隔操縦してるだけだから、最終決戦の場にシンたちの本体がいないじゃないか。ダメだ。それじゃダメ。絵にならない。手をつないだ二人が叫ぶシーンは絶対に必要だ。
……というわけでシンたちは生身のままで最前線に行くことになり、アケノがボディガードということになって、Xを操ることになったのだ。なお、ボディカラーは赤。彼女がシンクロした時点で色が変わる。イバライガーのような赤い部分が多いというのじゃなくて、本当に赤一色って感じ。

ムギュっとされたくなった

こういうときに、女の子がどう思うのか、ボクにはわかりません。だから、これは男の願望。こういうときにムギュとされたくなる子だったらいいなぁ。そういう子を守ってあげたい。本当にムギュをするかどうかは別として、そう思われたい。そういう願望を込めさせてもらいました。ワカナはお転婆だけど、意外に女の子してるし(笑)。

どいつもこいつもバカ

本物がね、そうなんです。絶対にバカだと思う。自分たちの生活すら犠牲にしちゃうんだから。昼飯代もないのに養護施設に慰問に行く。無償でやってるけれど、施設の方が気を利かせて寸志(謝礼)を用立ててくださることも多い。でも「それは子供たちのためにお使いください」って言って、断っちゃうんだ。バカだよなぁ。バカすぎて尊敬するしかない。
ボクは、そういうイバライガーたちの姿を10年も見てきた。そしてボクもバカになりたいと憧れた。このシーンのソウマの想いは、ボクの想いなんだ。彼らにはこれからもバカを貫いてほしい。そのためにボクは手伝い続けたいんだ。

すごい。これがアケノか

アケノの戦い方は、ほぼブラックと同じ。敵より速いんじゃなくて、先読みで速く感じさせてしまう。そもそも人外の者との戦いなので、いくらXやPIASを使っても人間の反射速度で追いついていくのは難しいのだ。だから、これまでの経験と天性の両方で培った力で対処する。弾より速くは動けないけど、弾を撃とうとする人間を読み切れば、弾を避けることもできる、ということだ。

光の軌跡が鞭のように

イバガールが放った光の矢(事実上のビーム)を掴んで、その軌道ごと振り回して鞭にする。こういう咄嗟の連携技とかね、そういうのは増やしていきたいなぁって思う。ステージショーでは描写しにくいことだからね。こっちでサポートしないと(笑)。

エキスポ・ダイナモが少しだけ光っていた

ソウマ覚醒の兆し。実際に覚醒するのは36話辺りになる予定。今回の事件と次の大きな戦いで、ようやくソウマもイバライガーチームの仲間になるはずだ。

感情エネルギーは、感情に応える

これ、けっこう設定上の重要な部分なの。シンがイバライガーRの心にアクセスするときもそうなんだけど、理屈じゃなくて感情なんだよね。正義のためとか世界のためとか、いや自分のためであっても、理屈ではエモーションは応えない。不動明がデビルマンになったときのように、理性のタガが吹っ飛んで純粋な感情だけになったほうが力になるのだ。

ハイパァアアアッ……ブラストッ!!

ソウマと初代のダイレクトシンクロによるハイパーブラスト。通常よりも遥かに強力なはずだ。カタルシス・フュージョンのときもそうだったけど、かつて初代を憎み、彼を敗北に突き落としたソウマと初代がシンクロして力を合わせる。こういう展開にしてこそのイバライガーだと思うので、ここはどうしても二人で戦わせてやりたかったんだ。

カオリ~イモライガー~ミニブラックのカット

この小説版イバライガーは、映像作品をイメージして描いている。だから、ここは短いカットが連続するところだと思って描写しているの。一番遠い場所=基地にいるカオリが空を見上げる。次に戦場から少しだけ離れた場所のイモライガーとアケノが、そして目の前で見ているミニブラへと、カットがつながっていく。そういうカット割、コマ割をイメージしてるの。

ふっ、ならば俺は亡霊というわけか

このセリフは、一番最初にイメージしたシーンの1つ。全体のストーリーさえまとまってなかった頃に、先にこのセリフがあった。ブラックは一度死ぬはずだ。そして復活する。そのときに、このセリフを言う。言わせたい。そういう気持ちが最初にあって、そこから逆に世界観やストーリーを作っていったようなトコがあるんだ。だから、ものすごく感慨無量。ついに、思っていた通りのセリフを言わせることができたよ。

イバライガーブラック・ガイスト

ついにブラック復活。そしてRやガール同様に新たな力も覚醒。ガイストとはゴーストのドイツ語読み。最初に目にしたのは、オリジナルビデオアニメ『MDガイスト』だったかな。かっこいい言い方だなぁと思って、いつか自分の作品に取り込みたいと思っていたんだ。亡霊ってブラックにぴったりだよね。3人の中で最初にパワーアップバージョンの名前が決まったのがブラックだったよ。もう、これしかないって感じで。

死ぬことまで全部ブラックの作戦だった

そういう奴です、ブラックは。安易に死を選んだりは絶対にしない。仲間を死なせてでも、より成功率の高い道を選ぶくらいの冷徹さは持ってるんだから。無鉄砲なガール、甘ちゃんのRに任せて自分が死ぬなんてことを選ぶわけがないのだ。パワーアップしたRと融合し、もう一度分裂できれば、パワーアップした力を自分にも上乗せできる。死すら武器。それがブラックなんだ。

オーバーブースト

これこそがブラックが求めていた「本当の力」だ。未来のシンたち、現在のシンたち、そしてR、ガール、ブラック。同時に存在することはあり得ないはずの3つの同じ魂による共鳴現象。それが究極の力を引き出す。ミニブラとやっていたのは、あくまでも擬似的なソレだったけど、今度こそ本当の本物。
そして、ここも一番最初に思い浮かべていたシーンなんだ。自分たちと同等の戦闘力を持つ最強クラスの敵が大軍団でひしめく。それを圧倒的な力で蹴散らしていくイバライガー無双。どうしても、それが見たかった。それを描きたかった。ここまでの物語の全部は、ここからのシーンを描くためにあったと言ってもいいくらいなんだ(あくまでもボクにとってはね)。

あり得ない数値を映し出していた

基地のモニタに信じがたい数値が表示される、という展開は初代が時空に消滅する第4話以来だ。あのときはカオリは泣きながらモニタを見つめていた。でも今回は、違う。いっけ~~~!!なのだ。

ラストバトル

最後の戦いのシーンは、本当に完全に映像でイメージしている。細かいカット割まで含めて、何度も何度も思い浮かべて、完璧なコンテ……いや映像そのものがボクの頭には焼き付いているんだ。だから本当は、文章で伝えるのには忸怩たるものがある。ここは映像で見てもらいたい。でも、それは無理なんだ。少なくとも今は。ボクのイメージ通りの映像を作ろうと思ったら何億かかるか見当もつかないんだもん。でも、それだけのものが焼き付いてしまってるんだから、それ以下の映像じゃ嫌なんだ。これだけは、このシーンだけは何が何でも劣化版なんか見せたくない。

ラストバトルの始まりから決着までは、映像作品では約4分だ。
最後のルイングロウスとブラックのやりとり以外、一切セリフはない。戦闘シーンに音楽がカブるだけ(効果音はある)。
4分なのは、このシーンはボクが好きだった女性ロックバンド「SHOW-YA」の名曲『私は嵐』をイメージして描いているからだ。あの曲をバックに、3人のイバライガーがジャークの大軍団を一気に蹴散らしていく。

イントロが流れ始める。視界を埋め尽くすランペイジをカメラが舐める。その群れの奥に1つの光が灯る。カメラが一気に寄っていく。イバガール。彼女が輝く羽根を広げて飛び立つと同時に、歌詞が流れ始める。圧倒的な力でランペイジたちを倒していくガールにSHOW-YAの力強い歌声がカブる。中盤の「夢が死んだ時代なんて……」のところでイバライガーR登場。やはり次々とランペイジを倒しまくり、サビの「私は嵐!」のところからガールとのコンビネーションバトルになり、シンたちのカットインを受けてRの必殺技が炸裂したところで1番が終わる。
そして2番。「女はガラスの仮面で本当の横顔を隠してる」の部分は、もちろんガール。幻惑するように飛び回り、クロノ・スケィルをばらまいて視界が爆煙に包まれる。その炎の中からブラックが飛び出す。歌詞は「男は心のどこかに錆びた夢を抱えてる」だ。
そのまま歌詞に乗ってブラックのバトルが続き、2番のサビは3人それぞれの戦いとシン、ワカナの姿がカットインされる。
そして間奏。激しいリズムに乗って、飛ぶガール。敵の攻撃をマクロスのバルキリーみたいな動きで躱して、どこまでも上昇していく。間奏の終わり「ジャン!」と鳴ったところで、雲を突き抜け、月光をバックに美しい姿を見せる。そして次の「ジャジャン!」で、ガールの前にRがどアップで出現する。
再び、歌詞。「明日を呼ぶ稲妻が、Woo、Woo」の部分で、ガールが光の矢を作り、Rは両腕を突き出して弓を形成する。「空を切り裂いた」の部分で、矢をつがえたガールが超必殺技を放つ。光の矢は地上に突き立ち、まばゆい光が溢れる。
最後のサビとともに、広がっていく核爆発のような巨大な火球。それを見つめるシンとワカナ。そして爆発の中心へと突っ込んでいくブラックとともに曲は終わり、静寂の中でルイングロウスはブラックに斃されるのだ。

……とまぁ、本当にね、ここは全部のシーンを映像でイメージしてるのよ。こんなの文章で書いてもピンとこないだろうことはわかってるんだけど、それでもね、そういうイメージで書いてたんだということだけ、書いておきたかったの。
これは小説だけど、ボクにとっては映像作品なんだ。小説と映像では描写が異なる部分も多いんだけど、それでも映像のほうをイメージして書いているんだ。いつか映像になるために、小説ならではの描写のほうを書いてるようなもんなんだ(笑)。

なお、余談になるけど、本当はこのエピソードは33~34話の予定だった。
この小説を始めようと思ったのも、このエピソードを描きたかったからだと言ってもいいほどだから、2話使ってしっかりと描写しようと思ってた。
けれど、実際に書いてみるとね、しっかり書いたらクドいだけなんだ。前述の戦闘シーンの解説なんかをダラダラと盛り込んだら台無しになっちゃうんだ。他の部分も、ボクの中にははっきりとしたイマジネーションがあるけど、それを読者に強要しちゃダメになっちゃうんだ。
これは小説だ。文章だ。映像作品をイメージしていても、書くべきことは映像作品の印象だけでいいんだ。そのまんまに書いては興冷めしちゃうんだ。
そう思って、1話にまとめたんだ。ボク自身にとっては10話分くらいのエネルギーを注いでいるけれど、ここは1話でないとダメだと思ったんだ。思った通りの映像はボクの心の中で守っていけばいい。いつか本当に映像化できる日まで。

エンディング

ボロボロになりつつも、集まる仲間。全員が同じ方向を見て、ヒーローの帰還を待ちわびる。逆光の中に見える3つのシルエット。ベタなシーンだよね。ありがちだよね。でも、ここはやっぱりそうでなきゃいけない。大変な戦いを勝ち抜いたヒーローたちを讃える映像でなきゃ嫌なんだ。

 

 

第34話コメンタリー

クリスマスだからじゃない

このサブタイトルはサザンオールスターズの歌からだ。ボクだってサザンくらい聴く。それほど熱心なファンじゃないけど、ベストアルバムくらいは持っている。で、この曲。厳密にはサザンじゃなくて桑田佳祐&His Friends名義の曲で、日本テレビのクリスマス特番のために作られた。作詞は松任谷由実で、あくまでも番組内だけの曲として商品化されず、長い事CDにも収録されなかった。2012年に発売された先のベスト盤をボクが買ったのは、この曲が収録されていることを知ったからだ。
番組中で合唱するための曲なので、誰でも口ずさみやすいメロディと歌詞。ユーミンが参加してるから、他のサザンの曲とは雰囲気が違う。でもボクは好きになった。優しい感じで心に残ったんだ。
そして何年か前、イバライガーショーのためのシナリオを考えているときに、ふっと、この曲を思い出した。
それで、その曲のイメージのままにシナリオを書いた。それが今回のお話の元になったシナリオで、劇中でも一部を披露しているが、実際に演じられたことはない。自分では気に入ってるんだけど、本当にやってもらうには、ちょっと負荷が大きいのよね。
だからね、ある意味で封印作品なんだ。それを復活させて、小説版で披露させてもらったの(笑)。

キャンプみたいな暮らしをしている

32話で集まった人たちは、そのままずっといるのだ。そのまま被災者のキャンプになってしまった。で、そうなるとシンやワカナが自分たちだけ屋内にいられるわけがないので、みんなキャンプ暮らし。あ、季節は冬だけど、本編中で書いているようにイバライガーのハイテク技術を使ったテントや小屋(テントの幕は21話で出てきた初代イバライガー専用マントと同じようにNPLを織り込んでいる)なので、十分にあったかいのだ。

身体検査

以前はお尋ね者だったから、検査などは受けていない。その後もドタバタしてて、ちゃんとした検査を受けないままになっていた。だから今回は入念な検査を受けた。たぶん全員が受けているだろうけど、特にシンとワカナは大変だっただろう。そりゃあもぉ、すごい検査だ。ちょっとした人間ドックなんてもんじゃない。

イバライガーショー再び

クリスマスということで特番的なイバライガーショーをやるのだ。前回同様、元ジャークの人たちは手伝っているけれど、今回はシンやイバライガーたちがメインキャスト。集まってくれた人たちへのお礼を兼ねてのショーだからね。

屋外ステージを借りて……

この屋外ステージのモデルになった場所では、本当にイバライガーのスペシャルショーを開催している。かの声援団の皆さんとのコラボショーで、団長の井上和彦さんをはじめ、かないみかさん、神奈延年さん、勝杏里さん、関智一さん、檜山修之さんなど、豪華声優の方々が参加してくださって、イバライガーたちの声を生で演じてくださったのだ。声援団は井上和彦さんが311以降に被災者の方々を励ますために結成されたボランティア団体で、各地でイベントを行っている。イバライガーとのコラボもその1つで、ひょんなことから親しくなって意気投合して、実現したのだそうだ。いやぁ、本当にすごかった。自分の書いたセリフを憧れの声優さんに当ててもらえるのって、すごい感動だったよ。
声援団の方々とのコラボショーは翌年にもあって、そのときは甲斐田裕子さん、山口勝平さんなども参加してくれて、逆に豪華すぎてキャスティングにすごい悩んだものだ(笑)。
なお、2年目のコラボのときは、本気で劇場版イバライガーを目指してガチシナリオ(40分のショー2本の前後編)を書いたけど、最初の、この屋外ステージのときはお遊びもけっこう入れていた。井上和彦さんに「悪に名乗る名前はない!」とか「勝てばよかろうなのだよ!」とか言ってもらったし、関智一さんに「俺のこの手が真っ赤に燃える!」檜山修之さんにも「光になれぇええ!」とかね、生で聴きたいのを全部入れちゃったの。ごめんなさい、でもすごく感動しました(笑)。

何もないはずがない

すいませんねぇ。作者としても主人公たちは幸せにしてあげたいんだけど、そうはいかないんですよねぇ。未来ではシンは消耗した挙句に消えていったんだから。今度だって、何ともないはずがないんだ。
きつい運命を背負わせちゃってごめんよ。けど……何度でも言うけど、このお話はハッピーエンドなんだ。どんな絶望を書いても、最後は必ずハッピーにする。それだけは誓うから、どうか許して。

ミトコンドリア

え~っと、実はボク、ミトコンドリアとDNAについての解説漫画を描いてるんです。ミトコンドリア独自のDNA(mtDNA)とクローン技術の課題をテーマにしたもので、それ以前に連載した『カソクキッズ』同様、本物の研究者さんの監修の元で描いたんだ。
いやまぁ、漫画を一度描いたくらいで詳しくなれるわけじゃないんだけど、それでもゼロではないからネタに盛り込ませてもらったの。エモーションの発現なんてのも、エピ・ジェネティクス的な感じがあるしねぇ。
素粒子物理などもそうだけど、このイバライガーの物語には、ガチの研究者の方々から仕入れたネタを惜しげもなく盛り込んでるのよ。無茶なヒーロー小説だけど、無茶をやるためにガチもやってんのよ。

ショーの台本

これが封印になってるショーのシナリオ。いつも頑張ってくれているMCのお姉さんのために書いたショーで、気持ちを込めすぎちゃって、お姉さんの負担が大きすぎるシナリオになっちゃったんだよね。なんせ、ずっと出てなきゃならないから、たくさんのセリフを全部覚えなきゃならないし、役者さんならともかく、司会役のお姉さんにそれを要求するのは酷すぎるかもって思って、それで封印にしちゃったの。
でもMCのお姉さんにスポットを当ててあげたい気持ちはあったので、別なシナリオも書いた。ヒューマロイド=機械であることに不信を感じてしまったお姉さんが信頼と勇気を取り戻すお話で、そっちは実際にショーになっている。
それと、この「別な平行世界に飛ばされる」という設定は、先の声援団コラボショー2年目版のときに使わせてもらっている。初代以外のイバライガーがいない世界にRが飛ばされてしまう話だ。最後には全員が援軍に来るんだけど、それもね、MC応援ショーからの流用。MCのお姉さんを救うために全員が登場するというのがどうしてもやりたくて、元々そう書いてたんだけど、それもまた負荷が大きくて実現が難しかったのよね。
でも声援団コラボショーは豪華声優さんたちに応えてこっちもフルメンバーで参加するスペシャル版だから、全てのキャラが自由に使える。ステージもそこそこ広い。だからね、夢を実現させてもらったんだ。

現実逃避のアトラクション

被災地などにボランティアで駆けつける人たちは、本当に偉いと思っている。でも中には、善意の押し売りみたいな人も混じっていると聞く。被災地だというのに冷暖房完備のホテルみたいな待遇を求めちゃうような勘違いした人たちが。
また、被災そのものをビジネスに利用しようとするだけの人もいる。被害が大きければ大きいほど、悲しみが深ければ深いほど、飯のタネになるなどと思う人もいるようだ。
大勢の人が集まれば、そこには一定数の不謹慎な人も混じる。そういう人に限って、一見善良そうに見えたりもする。今回は、そういう人間のダークな面も盛り込んでみたんだ。カオリには悪いけどね……。

カオリの両親を救えなかった……

カオリの過去については今まで触れてこなかった。初登場の4話では、それまでから数年が過ぎたらカオリと2人の博士が増えていた、というふうに書いていて、それぞれの過去には触れていない。なので、ここで触れることにした。
カオリちゃんもね、ヒーローなんだ。シンやワカナに負けていない。そうじゃなきゃジャークとの戦いに耐えられないもん。

倒すのではなく、守り抜く力

イバライガーRは、より厳しく困難な道を選んじゃったんだよな。誰よりも強くならなきゃならないんだから。非現実的なことを言ってるとも思える。まだ甘いんだよね。けど、その甘さこそがRの強さなんだ。30話でブラックが言ったように、その甘さを貫くことができれば、Rはもっと強くなれる。本当に宇宙の誰にも負けないとか言い出すと『ドラゴン・ボール』になっちゃうけど(苦笑)。

プレゼント用意してるのか

たぶん、忘れてます。今までも忘れたままだと思うので、ワカナも期待してないと思います。ただ、期待してないからってほっといていいものでもないと思います。ごめんなさい。ボクもです。本当にごめんなさい。若い皆さんは忘れないほうがいいです。例え気持ちだけでも。

ふざけんじゃねぇええっ!!

アニメ『宇宙よりも遠い場所』で、主人公が仲間をいじめた連中にズバっと言ってくれたときにはスカッとした。そうだよ、ふざけんじゃねぇ!だよ。それでいいんだよ。というわけでカオリにもブチキレてもらいました。頑張ってる女の子を傷つけようとするような奴には遠慮無用。叩きのめしてオッケーだ。

本当に俺の気を浴びたなら即死

だと思うよ。鬼気ってやつだ。だからブラックは本当に何もしてない。ただ、ムカついてはいたと思う。だから恐怖を叩きつけた。殺す気はなくても再起不能になっても構わないと思ってただろう。このときばかりはボクもそう思ってていいと思ったんだ。

カオリと黒いサンタ

このシーンがね、最初に頭にあったの。ビルの上から、クリスマスの街を眺める傷心の女の子とブラック。何も言わずに、ただそばにいてくれるブラック。それが少女の涙を癒していく。そういうシーンがね、先に浮かんだんだ。その時点では女の子はカオリでもMCでもなくて、けどそれがやがてMCショーになり、この物語になっていったの。

エンディング

原案がMC応援ショーだったから、先に触れたように最後には全員でカオリを迎えてあげたかった。最高のクリスマス・プレゼントをあげたかった。頑張る女の子には、それを受け取る資格がある。いや、男の子にもあるとは思うんだけど、ボク、男だからさ。娘もいるしさ。やっぱり女の子にはね、笑顔になってほしいのよ。こっちは、その笑顔だけで十分ステキなプレゼントだしさ。
いつかカオリはいい女になるよ。いいお母さんにもなると思うよ。

(実はそういうシーンを、ちょっとだけ書いてみたんだ。最終回以降の「第二部」をボンヤリ考えてたら、十数年後のカオリが浮かんだ。大ピンチのときにね『トップをねらえ!』のキミコみたいに、自分の子を励ますんだ。「大丈夫。あの人たちは絶対に負けない」って。どんなピンチかは決めてないんだけど)

 


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