依頼者との交流編02(メール商談ライブ)

2018年7月19日

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お客様からのメール/その1

うるの拓也(うるのクリエイティブ事務所) 様

○○○○研究所 ○○課の○○と申します。
2011年度と2012年度にはコミックの作成をいただき、有り難うございました。
今年も、前回同様に研究内容等のコミックを4本(場合によっては6本ほど)作成したいと考えております。作成期限としては年内を予定しています。

前回作成いただいた登場キャラクター、シナリオ、画風などの一貫性が必要と考えておりますので、このコミックの作成をうるの様にお願いできたらと思っております。御対応いただくことは、可能でしょうか。
ご検討いただけるようよろしくお願いします。

(以下、書名)

 

うるの送信メール/その1

うるのです。

以下、ご連絡ありがとうございます。
私たちを思い出していただけて、光栄です。
私たちにとっても、手掛けた作品は子供のようなモノですから、ぜひ担当させていただきたいと願っております。

ただ、今年(夏以降)は、アレコレと仕事が立て込んできそうな状況なので、よろしければ制作スケジュールの調整など、少しお話し合いをさせていただけるとありがたいです。
前回同様のコミックなら、1本当たりのページ数はそれほど多くないので、ほぼご希望のスケジュールで対応できるだろうと思いますが、ご迷惑をかけてもいけないので、仕事全体をうまく調整したいと思っているのです。

7月中は、8日、18日、30日、31日以外の平日であれば、ご希望の日時にお伺いできると思いますので、ご連絡いただければ幸いです。

以上、どうぞよろしくお願い申し上げます。

(以下、書名)

 

「うるの送信メール/その1」補足解説

 初年度、次年度それぞれで十数話ずつ、合計24話を描き、そこから1年のブランクを空けて新シリーズのオファーが来た。

 この例の場合は、以前に描いたシリーズの追加エピソードだから、ぐだぐだとセールスする必要はない。
 こちらの技量などもわかった上でのオファーだし、やるべきことをキチッとやればいいだけだ。

 ただし、この新シリーズを企画した担当者さんは、以前とは別な方。
 その方との関係を、これから構築していかなきゃならない。

 漫画を作るというのは、依頼者と作者の間に一定の信頼関係が必要なんだ。
 それを育てていかないとトラブりやすいの。こちらを受け入れてくれて、意見や提案に耳を貸してくれるようでないと、マトモな漫画にならないんだ。

 だからまず、相手がどんな人かを知らなきゃならないし、ボクがどんな奴かも知ってもらわなきゃならない。
 先方は以前に描いた漫画は知っていても、ボク自身のことは知らないのだから。

 なお、先方からのオーダーには4本とか6本と書かれているけど、そんなモンは実際に打ち合わせして、どんな内容のモノをどう描くかが見えてこなければ、意味がない。
 これまで1本何ページで描いてきたとしても、今回のは今までとは違う新シリーズなので、過去の食っちゃった飯なんかに縛られたくはないしね。

 なので、この時点では「ああ、以前の6本分くらいの予算があるってコトだな」というだけを理解しておいて、どう描くかは具体的な話を聞いた上で考えるって感じなんだ。

 

お客様からのメール/その2

うるの拓也 様

早速に御連絡いただきありがとうございます。
お忙しい中、制作スケジュールの調整をいただけるとのこと、有り難うございます。

当所の今回作成の担当者(以前に○○話を担当した○○です)の都合の付く日を次のとおりお知らせいたしますので、できればこの3日間の中で、事前のご相談日をご検討いただけますようよろしくお願いします。

(以下、書名)

 

「お客様からのメール/その2」補足解説

 なるほど、以前の担当者とは違うけれど、以前に描いた○○話のときに監修してくれた研究者さんご本人が担当になるというわけか。
 直接の面識はないけど、一応は漫画の監修をした経験はあるわけだ。

 ○○話のときのことを詳しく覚えてはいないのだけど、以前のシリーズでモメたりしたことは一度もなかった。
 ボクが描いたギャグも、ほとんど全部受け入れてくれたし、あまり心配はしないで済みそうだな~~。

 

うるの送信メール/その2

うるのです。

ご返信、ありがとうございます。
では7月15日(火曜日)の午後1時半頃にお伺いさせていただきたいと思います。
(もっとも、この日は他の時間でも大丈夫ではあるので、15時以降のほうがいいといったことなら、それはそれで全く構わないのですが)

とにかく15日ということで予定を組んでおきますので、もしも他の時間がよろしいようなら、当日までにご連絡ください。
ではどうぞ、よろしくお願いいたします。

(以下、書名)

 

お客様からのメール/その3

うるの拓也 様

連絡有り難うございます。
7月15日(火曜日)の午後1時半にお待ちしております。
よろしくお願いいたします。

(以下、書名)

 

「うるの送信メール/その3」補足解説

 というわけで打ちあわせ日程が確定。

 この研究所はウチの事務所からクルマで10分ほどの近郊にあるので、当日は20分ほど前に出ればオッケー。
 いつも持っていくバッグには名刺、ノートやボールペン、これまでの主な作例見本などが入れっぱなしになっているので、それらは必ず持っていく。
 名刺以外は使わないことも珍しくないんだけど、どんな状況になるか分からないので、いざってときの武器は仕込んでおいたほうがいいんだ。

 

※今回の記事、いつもよりちょっとだけ短いんだけど、この次の記事が、ものすごくボリュームあるんで、ここで切らないと長すぎになっちゃうんだ。次の「依頼者との交流編03」は、ボクの返信メール1つと、その解説だけ。そんだけで普通の長めの記事より多くなっちゃったの。このブログで公開している記事のほとんどは元々は電子書籍用に書いたもので、1つの書籍のときには気にならなかったんだけど、ブログ用に分割していくと、意外にバランス取りにくいときもあるんですよ。ごめんなさい(苦笑)。

 

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※このブログに掲載されているほとんどのことは電子書籍の拙著『広告まんが道の歩き方』シリーズにまとめてありますので、ご興味がありましたら是非お読みいただけたら嬉しいです。他にもヒーロー小説とか科学漫画とか色々ありますし(笑)。

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