小説イバライガー第21~22話/筆者コメンタリー

2018年6月23日

目次

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第21話コメンタリー

初代用のマント

ずっと前から、初代様にはマントが似合うだろうなぁと思っていた。口元まで隠すくらいの感じで、黒いマントに身を包んでいたら惚れてまうな~って。
だから、そうした。本編中で描写しているように、海賊っぽいボロボロな感じのマントだ。そういうマントがかっこいいと思ったけど、最初からボロボロに作るってのは変だから、特別な機能を持たせようとしたらボロボロな外見になってしまったということにした。だって、どうしてもそういうマントがいいんだもん。
なお、この海賊マントのイメージは、ハーロックでもカリビアンでもない。クロスボーン・ガンダムのABCマントだ。マントがリアクティブ・アーマーになっているというのが面白いと思って、アイデアごと拝借した。初代イバライガーの場合は、体細胞であるナノパーツと同じ材料で作られているので、マント自体を変形させて武器化することもできるはずで、今後そういう使い方を見せられたらいいなぁ。
(このアイデアは以前から、イバライガー代表にも話している。あくまでも話しただけで要求したことはない。初代イバライガーはボクにとって思い入れの強いキャラだけど、生みの親である代表は、もっと思い入れがあるはずなんだ。そういうものに安易に口出し手出しはできない。ボクがボクの初代イバライガーを描くことは認めてもらっているけれど、だからって、その世界観を生みの親に押し付けたりはしたくない。受け入れてくれたら嬉しいけどね)

背中に小さな「18」の刺繍

ステージショーに来てくれたり、イバライガーグッズをお買い上げいただいている方にはわかるよね。小説には小説なりの世界があるし、そもそもショーでは表現できないストーリーを描くためにやってるわけだけど、それでも、ちょこちょこと実際のイバライガーと重なるアレコレを盛り込むようにしてるのよ(笑)。

今夜だ。全員が集まったら……

ようやく、そのときが来たって気分。最初に考えたのが2009年。調整したり考え直したりして、大体が固まったのが2012年。そこから6年を経て、やっと実際に書くときがきた。いよいよだ。

あの二人こそが、ジャークを阻む本当の敵

はい、そうなんですよ。そういうことになるんです。そういうことでないと物語がまとまらないんですよ。イバライガーに全部おっかぶせてしまうのは現代を生きる人間として納得できないので、どうしたって人間がメインにならざるを得ないんです。ただ、イバライガーたちを脇役にしたくもないので、その両方が重なる物語を考えた結果、この後の23話からの「未来編」が生まれたんです。

奇跡と呼ぶ現象が起こりすぎている

いや実際、そうなのよね。このお話は奇跡の連鎖。小さなことが影響しあって、やがて予測不能な巨大な何かにつながっていく物語。
奇跡って大抵は、後で思い返すと奇跡だったとわかるようなもんで、起きたそのときには気づけないんだと思うんだ。あのとき、アレが起こらなかったら。あの人に出会わなかったら。そういうことっていっぱいある。そのときにはわからないけど、振り返ってみたら人生を変えるほどの大きなことにつながっていたことに気づく。
これは小説だから、読者もボクも全体を俯瞰して眺めることができるんだけど、当事者には奇跡が起きたことに気づけないんだよね。鳥の視点からなら見えることも、地上を歩く人には見えないんだ。

闇を、より強く、濃く高めるには光が必要

破壊を求める。滅びを渇望する。ジャークの価値観、目的って人間には理解できないところがあると思っている。それがどういう価値観なのかをはっきりさせるのは物語の終盤近くになっちゃうと思うけど、とにかく破滅願望みたいなもんが本能なのよね。だから自分の敵が強力なほうが嬉しかったりするんだと思うの。

研究機関の屋上を駆け抜け……

地元を舞台にしてるので、こういうシーンを考えるときは実際の場所を思い浮かべて、グーグルマップなんかも見て「あそこから出発したなら……人目につかないように移動するとしたら……イバライガーの身体能力なら……」みたいに考えて、どこをどう通ったかをイメージするようにしている。

ジャーク因子があるエリアでしか活動できない

このアイデアは、以前にイバライガーが栃木県の宇都宮でショーをやったときに考えたの。ジャークが栃木を侵略するためにジャーク粒子をバラまきに来るんだ。以前から「なんでジャークは茨城にしか出ないんだ? 邪魔なイバライガーがいる茨城なんか後回しにして周囲から侵略していけばもっと効率いいだろうに」と思っていたので、他県でショーをやることになったときに、どうしても茨城でなきゃならない理由を考えたのよね(笑)。

各国にも一定の情報共有は行われているはず

『シン・ゴジラ』で国連が介入して東京での核使用を決めたように、この事件もそういうことが裏で動いていてもおかしくない。というか、そうでないとおかしい。今のところは日本の特定地域だけとはいえ、人間以外の知的生命体が存在して、なおかつ侵略しようとしているというのは人類全体の危機なのだ。隠そうとしても隠しきれないし、隠していて世界にバレたら日本は国際社会全部から叩かれてオシマイだ。だからトップシークレットとはいえ、最低限の情報提供はしているはずなのだ。PIASなども、日本政府というより国連……いや米国が介入して創設してるのかも。

テキトーに頑張る

テキトーに頑張るのは大事なことだと思ってる。時々は本気を出して、時々はそれなりに上手くやって、たまにはサボって。そうやって息を抜きながら、助けられたり、迷惑をかけたり、逆に誰かを手助けしたりしながら生きて行く。そういうもんだと思ってる。
だから警官や消防士、救急隊員、市役所職員などがちょっと息抜きしただけで咎められたりするようなことは馬鹿馬鹿しいと思う。いざってときにスイッチが入れば、それ以外はどうでもいいじゃん。

理屈は、ただの結果

上手くいったことでも、その結果だけ見て真似してもダメなんだよね。そういう結果が出るのは、そこに至るまでの全部が関係しているから、仮に同じ結果を出せたとしても同じ評価は得られなかったりする。
何かを参考にしたり見習ったりすることは正しいけど、最後は自分で「自分の結果」を目指さないとダメなんだと思うんだけど、結果の部分だけは終わってみなきゃ分からないことが多いんだよね。だからたぶん、過程をアドリブで調整しながら進んでいって、得られた結果に応じてさらにアドリブしてくしかなくて……(苦笑)。

予想は、ついているんでしょう?

そりゃ予想はついてるよなぁ。はっきりと口に出してないけど、ここまでに何度も「そうとしか思えない」をやってきたんだから。疑問は「なんでそうなったのか」の経緯の部分。

自分とRではセッティングが違う

これも、ステージショーに準拠。ミニガール初登場のショーシナリオを書いたときに、ブラックに言わせた。「お前は俺やRとは違う。サポートロイドのセッティングのはずだ」と。
2012年に書いたシナリオだけど、ようやく、それを小説版でも披露するときが来たわけだ。ブラックのセリフじゃなくなっちゃったけど、ショーではセリフで説明してあげなきゃならないけど、こっちではね。ガール自身も、周囲も気付いてるはずで、わざわざ口に出す必要はないんで、独白だけにしたの。

本当はお母さん

そうなんだけど、そうじゃないんだよな~~。この時点では、まだガールは「本当の自分」に気づいてない。Rもね。

どうして自分だけが女性型……

これねぇ、最初に本当に困ったのよ。ヒューマロイドを作るときに性別いちいち考える必要あるのか、と。ボクも、自分の使ってるパソコンがオスかメスかなんて考えたこともないし。そういう概念自体に意味がないだろうと。
でも、イバガールは間違いなく女性で、Rやブラックは男だ。
なんでガールだけ女性型でなければならなかったのか。誰が何のために女性型イバライガーにしたのか。こういう物語を考える一番最初に向き合ったことが、この辺りから一気に出てきてるんだよなぁ。

表向きは警察組織の一員

実際のイバライガーも、茨城県警とは仲良し。イバライガーのワゴンに乗せてもらったことは何度もあるんだけど、パトカーとすれ違うと、お巡りさんが敬礼してくれたりするんだ。防犯や交通安全などの広報イベントでコラボすることが多くて、1日警察署長などもやって感謝状をたくさんもらっているので、警察の一員ではないけど、とても仲良くしているんだよね。

アレは4人目……/カンナグールだ!!

とうとう出てきました、ステージショーでは未だに姿を見せない四天王カンナグール。
だけど……本編で書いているように、コイツは四天王じゃないのだ。未来の世界では四天王だったけど、こっちの歴史では変わってしまっているのだ。イバライガーの転移出現で歴史が変わり、新たな平行世界となり、そのおかげでジャークの侵略を食い止めてこれたわけだけど、それはジャークにも力を与えているのだ。
元の歴史では四天王だった怪物も、こっちの世界では二軍落ち。たくさんの時空戦士が現れて圧勝、というわけにはいかない。以前の歴史より、さらに激烈な戦いが待ち受けているのだ。

実はコレを書いている現在、ステージショーのほうでも3人目の四天王の開発が始まっている。もちろん、それはカンナグールじゃない。造形も担当している代表さん、怪力バカタイプのカンナグールっていう設定を気に入ってなかったんだよね。彼が代表権を奪われてイバライガーの活動を乗っ取られていた時に考えられた設定だから、彼にとっては黒歴史だったのかもしれない。ボクはなんとなくそういうのを感じていて、あるとき「本当はどう思ってる?」と訊いたら、やっぱ気に入らないと。それで「そう思うんだったら変更しちゃえばいいよ。大丈夫、これまでの設定との矛盾はボクが解決する!任せろ!」と言ってしまった。それが今回登場した「四天王ではないカンナグール」なのだ。

見せてみろ、R。私が託したものを

なかなか決められないままになっているイバライガーRの必殺技クロノブレイク。今度こそ本当に見せます!……なのだけど、これがまた、すぐには上手くいかなくて、実際の発動は、この次の22話ラストになっちゃうのだ。ごめんなR(笑)。

アイツは強い。自分では勝てない

ステージショーでは、こういうときに無茶してピンチになるのがお約束なのだけど、小説版ではね、そういう描写は避けた。イバガールだって超高性能なのだ。ちゃんと戦力分析はしている。無茶な行動をしがちなキャラではあるけど、絶対に勝ち目がない戦いを挑んでやられちゃうほどバカじゃないのだ。ましてや、すぐに仲間たちが来るとわかってるんだから、一人で無理はせず、ちゃんと仲間を待つのだ。

なおボクがショーシナリオ担当するときは、無謀な行動はできるだけさせないように気をつけている。ストーリー構成上、ピンチになってもらわなきゃいけないことが多いけど、相手の力量も考えずに突っかかって自滅同然にピンチになるといった展開では、ボクは納得できない。ボクにとってキャラクターたちは本当に実在する子供のようなもので、心から愛しているし尊敬もしている。だからこそ、彼らの人格や知性を考えずにご都合主義で無茶させることなんかできないんだ。ピンチになるためには、そうならざるを得ない状況をしっかり考えなきゃいけない。そうじゃないとキャラクターに失礼だと思うんだ。

両足のテイルウイング

イバガールのブーツには、羽のようなものが付いている。可愛いんだけど、さて、アレは実用としては何なのかと考えて、飛行機の尾翼のようなもの、ということにした。イバガールって、たぶん高機動形態がディフォルトなんだろうと思うので、あの可愛い羽を拡張させて飛ぶことができるんだと思うの。今のところは本当に飛ぶわけじゃなくて「跳ぶ」だけど、あと10話くらいお話が進めば……。

奪われたPIASの成れの果て

18~19話で出てきたPIAS変異体がベースなので、そのときの描写と重なるような姿と機能をイメージした。本編中で書いたように「ゴリラが巨大なクモを背負っているような姿」「長い尻尾があって先端はハンマーのよう」という物理攻撃に特化したタイプなんだ。公式でも、そういう四天王として設定されてたしね。

それは四天王じゃないわ

さっきも触れたように、カンナグールは四天王じゃないことになった。なお、カンナグールが四天王じゃなくなったからって、四天王が揃わないということはない。この後、未来編を挟んで中盤の大きな話なっていくと、トンデモない四天王が正体を現すことになってるよ。

いわば反エキスポ・ダイナモ

PIASを奪われたことは大きな問題なんだよなぁ。まぁ奪わなくてもジャークは、イバライガーがどういうものか、ちゃんと分かっているんだけど、意外な使い道を思いつかれてしまったというか……。

少し過保護になっているのかも

初代イバライガーって、そういう奴なんだ。シンとワカナに特別な想いを抱いている。Rやガール、それにブラックにとってもシンたちは特別なんだけど、初代のソレは他のイバライガーとはちょっと違う。一番冷静で、みんなのリーダー的で、大人な感じのキャラだけど、その心は、ものすごく純情なんだ。

エモーションの企みに乗せられているのかも

なんなんでしょうね、エモーションって。今の流れだと「まどか☆マギカ」のキュゥべえみたいな、実はすげぇヤバい奴ってことになりかねないなぁ……。

子猫

こういう小さな命にも反応しちゃうのがイバライガー……イバガールなんだよ……。ルメージョって本当に卑怯だよなぁ。

オレ様の『妹』を目覚めさせるんだからなっ!!

ショーでは「パパ」だの「じいじ」だのって言いまくってるけど、小説版では、今までそういう人間的な関係はヒューマロイドに持たせないように描写してきた。ミニライガーだって子供型というだけで、本当に子供なわけじゃない。そういうことをやっちゃうとリアリティが……ちょっとね……。
でも。ミニガールは「妹」になる。そしてこの後、謎が明かされるごとにイバライガーたちも、どんどん人間的になっていく。ようやくステージショーでの描写とつないでいけるようになってくるんだ。

 

第22話コメンタリー

22話OP

このOPを入れるかどうかは、かなり迷った。この後のエピソードのネタバレになっちゃうから。
でも……どうせバレてんだよな。21話でRたちも「予想はついてる」と言ってたし。
それに、ネタバレさせとくほうが盛り上がるというケースもあるしね(笑)。

仕込みは終わっている

またまた、それっぽいセリフを吐くイバライガーブラック。ステージショーではブラックがミニガールを連れて援軍するのだけど、この小説版ではブラックは仕込んだだけで、ミニガール誕生の瞬間には立ち会わないんだ。だってアイツ、そういう奴だもん。身勝手というのじゃなくて、生まれ出るための時間を稼ぐために、わざと汚れ役を買って出るような奴なんだよ。それも、言い訳せずに。むしろ誤解されても構わないって感じで。くそぉ、いちいちカッコつけやがって。

ガールを救うには、お前が必要なのだ

無茶振りされて困惑するR。訳知り顔のブラックと初代。こういうの、困るよなぁ(笑)。

お~~、ねぎ、久しぶりだなっ!

ねぎ(子犬)とミニブラは、書いていて楽しい。実際、直接会うのは15話以来なので、少なくとも1ヶ月くらいは会っていないはずなんだ。人間の7~8倍で成長する犬にとっては、かなりの時間だろう。きっと嬉しくて嬉しくて、夢中でペロペロするはずだ。尻尾もパタパタしまくりに違いない。ウチの愛犬もそうなのよ。旅行とかで何日かいなかった家族(犬を飼っている以上、全員が留守にするようなことはない。ペットホテルなどに預けることもウチでは避けている)が帰ってくると、1時間くらい興奮が収まらないの。嬉しくておかしくなっちゃうの。犬って、本当にかわいいのよ。

やっぱ気分いいなぁ!!

この「やっぱり」は、これまでもNPLプールをこっそり利用してたから。みんなが知らないうちに、ブラックとミニブラは勝手に入り込んでいたのだ。そういう奴らなのだ。

なぜブラックが持っている!?

え~っと……このへん、色々迷ったのよ。ステージショーでミニガールはブラックが作ったということにしたのはボクなので、その責任取らなきゃならないしねぇ。でも、この小説版では「コア」がないとイバライガーは生まれない。ブラックが密かにガールからコアを抜き出していた、なんてのは絶対にオカシイから、そのへんをどうするかと。
それで結局「最初から持ってた」ということにした。
ブラックが持っていたのでも、Rが持っていたのでもなく、彼らの元になった人が持っていた記憶が、ミニガールになるんだ。

ダメージを受けていない細胞を代用

前にも書いたけど、イバライガーたちは体細胞であるナノパーツを自分の意思でコントロールできる。だからダメージを受けた部分に、他のナノパーツを移動させて瞬時に修復できるのだけど、あくまでも応急処置。移動させてるだけだから全体としては減っていくようなもんだし、ダメージを受けすぎるとカバーしきれなくなると思う。

日本刀のように見える

ついに出てきたブラックの刀。ステージショーでは時々使っていたけど、こっちではなかなか出せなくてねぇ。今回も出てきただけで、真の力は見せてないし。
ショーでは、どこから持ち出したのかわかんないんだけど、小説ではそういうわけにいかないので、ブラックが自分の身体を使って生成した、ということにした。もっとも今後まで腕1本失わないと出せないようでは困るので、十分に生成できたら身体とは分離して保管しておくんだろうなぁ。となると……いつも刀を持ち歩いてるわけにもいかんし……刀にも簡単なAIがあってブラックが呼ぶと飛んでくる、という感じなのか……?

その身体に「R」の刻印を託されて……

最初は「R」は刻印されていなかった。つまり最初は「R」ではなかった。この辺りも、一番最初に考えたことの1つ。初代イバライガーとイバライガーRは、カラーリングまで含めてほぼ同じだからね。ということは量産機というか、同時に開発した試作機というか、そういうものだと思うんだ。

生まれるのって、死ぬことに似てる

生まれた時のことなんか覚えてるわけがないんだけど、なんとなくね、そういうふうに感じるんだ。死ぬのも生まれるのも、どっちも怖い気がする。どっちも自分の意思では決められないことだし。

癒しの風……か……

ミニガールには、回復系の力がある。それは仲間を癒すだけじゃなく、ジャークにも効くのだ。ジャークに汚染されたボディを癒すというのは、かなり強力な技だ。ミニガールはちっちゃくて可愛いけれど、対ジャークとしては意外に強いのだ。
そういう力を与えたのはブラックで、それにはちゃんと理由がある。
ミニガール初登場のステージショーでは、ダマクラカスンの罠によってイバガールが力尽き、Rがガールの身体を抱いて泣き叫ぶ。ショーでは表現していないが、このシーンは土砂降りの雨の中として書いた。動かないガールを抱いて叫ぶR。降り注ぐ雨粒がRの涙のように流れる、というふうにイメージしていた。
で、その絶望を断ち切るように、ブラックの肩に乗って小さな天使が現れる。そしてガールを救い大団円になるのだが、その後、立ち去るブラックが最後に「ミニガール、例のことは任せたぞ」と、謎の言葉を残すのだ。
ここでバラしちゃうけど、実はミニガールはブラックが送り込んだスパイでもあった、というのが当時の解釈なんだ。
ブラックが、ただ優しさだけでミニガールを作ってくれるわけがない。必ず裏がある。そう思って、イバライガーたちの動向を探るためのスパイというのを考えた。ミニガール自身はそういう機能に気づいてないけど、ブラックからのコマンドでスパイモードになっちゃう……という設定だ。
だけど……この設定は変更させてもらった。ステージショーでも「任せたぞ」と言っただけで、スパイ設定は一度も使ってないしね。
だからこの小説版でのミニガールには、別な役目を与えられている。そのための癒しの力なのだ。ガールを救うためだけじゃなく、今後起こり得る大きな問題に対処するために、ブラックが仕込んでおいたもの。
なので、今回も「例のこと」は任されているのだ。もちろんミニガールは自覚がないままで。
(まぁ、スパイ設定には無理があったことに小説版を書き進めていくうちに気付いちゃったというのもある。イバライガーたちって絶対に常時接続で情報共有してるはずで、ブラックはともかくRやガールは情報を隠してないと思うんだ。となると、スパイする必要がないのよ。見えないことがあったとしても普通に聞けばバカ正直に答えるに決まってるし)

パ、パパだと?

ステージショーで割とよく見かける、ほのぼの爆笑シーンだよねぇ。ブラックがパパで、ミニブラが兄貴。さらにミニミニブラックが出てくると、ブラックは「じぃじ」になっちゃう。
ステージ版のブラックには、そういう笑えるシーンもけっこうあるのだけど、小説版ではハード路線一直線でやってきた。ようやくステージに近い部分を出せたんだ。小説でも、だんだんとステージショーの性格と近いブラックになっていくのだけど、それはね、色々な事情が明かされて、本当に仲間になっていくからなの。
この後、10話先くらいで、やっとステージショーと同じブラックの本音が出てくると思うんだ。ずっと我慢させてるけど、ブラックならわかってくれるよね。

私は、お前とは違う道を選ぶ

地上に立つブラック。カンナグールに向かって突っ込んでいくR。見せてやる。見せてみろ。相容れない二人の意思が、一瞬交錯する。そしてパワーが一気に解放され……というように、こういうシーンを書くときは、まず最初に頭の中でコンテを切るんだ。映像やカット割、BGMなんかもイメージして、それを文章化していく感じなの。ステージショーの脚本執筆が先だったから、そういうふうにイメージできないと書けないし、書いても実際には使えない脚本(ショッピングセンターの店頭などでは場所的にも予算的にも実演できないもの)になりかねないのよね。

時空突破クロノブレイク

ようやく炸裂したクロノブレイク。16話のラストで描写したように、本作でのクロノブレイクは、時空そのものを圧縮して叩きつける技だ。いわば、自分自身をブラックホール化して突撃し、その巨大な潮汐力と質量で対象を完全に消滅させるようなもの。宇宙誕生時に酷似した現象を極小スケールで再現しているようなイメージで、これは実際にKEKなどの実験でも行われている。それを「技」に利用させてもらった。
相手が誰であろうが、当たれば確実に消滅させてしまう強力すぎる必殺技なので、色々と制限事項も多い。このときのように『声』が聞こえないと出しても本来の力には遠く及ばないし、そもそも自分自身が消滅するリスクが常にあるのだから、捨て身の自爆技でもあるのだ。
なので今後も、本当にここ一番でしか使えないんだけど、その一回目をようやく披露できたよ(笑)。

ブレイクアウト

消滅する空間から脱出し、空間自体を閉じるのがブレイクアウト。ビジュアルで描くと、膨れ上がった真っ黒な空間が、キュパッと一瞬で消える感じだろうな~と思っている。

ブラックまでも

本当に全員が一堂に会するのはこれが初めて。ブラックまで当たり前のように立ち会っているのは、それだけブラックにとっても大事な話だからだ。

R、お前はシンだ

やっと言葉にしました。ここからの23~25話は、この時代にイバライガーが現れる前の、未来世界での出来事が語られる3部作になります。

 


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