お客は時に味方、時に敵 ~依頼者との戦い編07:連打

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お客様からのメール/その13

うるのさま

修正依頼の件、お送りします。
まだ途中です。3枚目以降はのちほどお送りします。
すみません。

(以下、書名)

 

お客様からのメール/その14

うるのさま

こんな感じでお願いします。
この中に「社員向け」の追加が入っています。
ドタバタですみません。よろしくお願いします。

それから、ご指摘の「行程」についてですが、「出来るらしい人」がいるようですの
で、こちらでできそうです。
ご心配して下さり、本当にありがとうございます。

今後ともよろしくお願いいたします。

(以下、書名)

 

お客様からのメール/その15

うるのさま

社員向け:小子化→少子化に訂正
よろしくお願いします。

(以下、書名)

 

うるのメール/その11

うるのです。

以下、了解です。
というより、アホらしい誤植をしてしまいました。すいません・・。
前回お送り頂いた修正箇所とあわせて対応作業を行いますので、もうちょっと待ってくださいね。(文字の直しはカンタンですから)

※社長編も、作業を進めています。

(以下、書名)

 

お客様からのメール/その16

うるのさま

私の方こそ、修正依頼の送信が遅れ気味で、すみません。
よろしくお願いいたします。

(以下、書名)

 

お客様からのメール/その17

うるのさま
お世話になっております。

今日の午後1時、役員会です。
もしかして、私、完成品を受け取っておきながら、誤って、迷惑メールと一緒に削除してしまったのかしらン?
よく見てから削除しているつもりでも「誤り」もあるかもしれません。

よろしく教えて下さい。
もしそうでしたら、再送をお願いします。

(以下、書名)

 

「お客様からのメール/その17」補足解説

 このあたり、お客のパンチ3発に対して、こっちは1発くらいしか打ち返せていない。
 喋ること、書くことにかけては、そうそう引けを取らない(むしろ呆れられる)はずのボクが、お客のジャブ連打に圧倒されている。

 でも、この時期はすでにフィニッシュのはずだったんだ。
 どんだけジャブが来ても、パーリングでサバいていればいいだけのこと。
 すでに必殺の一撃は打ち込んであるのだから、勝利は揺るがないはずなのだ。

 そう思って、言われた修正に対応することだけを考えていたんだよね。

 まさか、ここから粘られるとは思ってなかったの。

 でも、粘られちゃうんだ。
 予想外の部分で延々と粘られて、意外な苦戦になっていくんだ。

 最初は味方で御し易いと思った専務さんは、味方には違いないけど手強い味方だったんだ。

 

うるのメール/その12

うるのです。

まず、社員編の完成版ですが、以下のURLに高解像度版の画像データをアップしておきました。ダウンロードしてお使いください。

■社員編/1ページ目(画像のURL)
■社員編/2ページ目(画像のURL)
■社員編/3ページ目(画像のURL)
■社員編/4ページ目(画像のURL)

また、WEB上で確認できるよう、見本のほうも差し換えてあります。

■社員編/見本(画像のURL)
■社長編/改訂版コンテ(画像のURL)

社長編のほうは、着色作業中なので、コンテですが、セリフなどは修正指示に基づいて変更してあります。なお、セリフの文字量が変わったため、一部のレイアウトを調整しなおすとは思います。

「やす子先生!」というシーンですが、固有名詞って意外に扱いが厄介なモノで、読者が状況を理解しやすいようにするために、やや不自然ではあっても「税理士のやす子先生!」としておきました。

で、社員編に「君たちがイマ、毎月天引きで払っている社会保険料は・・・」というセリフを加えられないか?というご意見がありましたね?

検討してみたのですけど、文字数から考えても、どこかの必要なセリフを削らないと入らないんです。(すでにギリギリですから)
でも、必要なセリフを削っては本末転倒です。

そこで、表紙に入れてはどうでしょう?
表紙を「3人の社員の会話(1コママンガ)」にしてしまうわけです。
こんな感じ(↓)で。

女子社員
ワタシたちが今、毎月天引きで払っている社会保険料は、自分の為の積み立てではなく、人生の先輩を扶養しているものなのよね。

男子社員
これからの少子の時代、つまり、ボクたちが「先輩」になったとき、扶養してくれる「後輩」は、今のボクらより人数が少ないんだよね。

課長
だから、今の君たちは自分のための積み立ても必要となるわけだ!

表紙は表紙のままにして、表4に、こういう1~2コママンガを加えるっていう手もありますね。そういうスペースがあれば、ですけど、そんなに場所は広くなくてもいいので、おそらく可能なハズです。

(以下、書名)

 

「うるのメール/その12」補足解説

 広告漫画ってね、とにかくスペースが足りなくなるの。

 ボリューム=コストだから、できるだけ少ないボリュームに、できるだけ多くの情報を盛り込まなきゃならないってコトが多いのよ。
 もちろん漫画として成り立たないほどに詰め込むわけにはいかないのだけど、それでも可能なかぎり効率良く情報を盛り込む工夫をしないと、広告と漫画を両立させられないんだ。

 だから後になってセリフが増えちゃうと、その文字数が入らないといった問題が起こりやすい。
 無理やり入れると絵のほうが死んじゃう、といったことが。

 こうした問題は常に起こるので、一応、そういうことに対応できるような描き方・仕上げ方をしているのだけど、それでもどうにもならないこともある。
 かなり大規模な修正や描き直しをしないと無理、みたいなことが。

 でも、そんなコトをしていたら採算割れでコッチが死んじゃう。

 かと言って、突っぱねればいいってモンでもない。

 無茶で無意味な修正だったらフザケンナだけど、この例のように「なるほど、その意見はアリだな」と思える場合は何とかしてあげたいし、そのほうが作品の質が高まるわけで、ボクにとっても大事なことだ。

 描いた作品は納品して終わりじゃない。
 その後は自分の営業資料としてアチコチに披露するのだ。
 当然ながら、少しでもイイモノにしておきたいのだ。

 それにね、どうにもならないピンチってのは、奇策を生み出すキッカケにもなるんだ。
 後ろ向きに「何だよ、今さらフザケんなよ」って思ってたら何も思いつかないけれど「何とかならないか? いや、何とかしたい!」と前向きなテンションになれれば、意外なアイデアが出てくることは多いんだ。

 そんなわけで、このときも奇策を提案したの。
 採算を下げるどころか、描き足して利益アップさせつつ、作品全体の質を上げて、お客のご要望にも応えられるプランをね。

 

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※このブログに掲載されているほとんどのことは電子書籍の拙著『広告まんが道の歩き方』シリーズにまとめてありますので、ご興味がありましたら是非お読みいただけたら嬉しいです。他にもヒーロー小説とか科学漫画とか色々ありますし(笑)。

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