お客は時に味方、時に敵 ~依頼者との戦い編04:初戦
うるのメール/その4
うるのです。
大変遅くなりましたが、×××××マンガのストーリー案ができました。
以下のアドレスで、ホームページ形式でご覧いただけるようにしてありますので、どうぞ、ご確認ください。
■×××××マンガのストーリー案(画像のURL)
すいません、××××制度や×××××について理解するのに時間がかかってしまいまして、そうこうしているうちに、他の締め切りとバッティングしてしまったりして、今日までかかってしまいました。
(それでもマンガ自体は水曜日にはできていたのですが、お見せできるカタチにする作業が遅れてしまって・・・)
基本的には、あまり難しく考えさせないで、楽しみつつ理解させる「学習マンガ」の手法で描いています。
なお、通常であれば、なんらかの人間ドラマに伝えるべきテーマを盛り込むことで「通常のマンガとしても読める」ように作るのが当社なのですが、今回は情報量が多いため、人間ドラマは、あまり意識せずに構成しています。
(そのほうがスッキリして読みやすいと考えられるので)
なお、劇中に資料として組み込まれるグラフ、表などは、御社パンフレットからの抜粋としてイメージしています。
(以下、書名)
お客様からのメール/その5
素晴らしい!!
ワンダフル!!
ビックリしました!!
すてきっ!!!
プロってすごいですね!!!!!!
細かい部分で修正をお願いする部分はありますが、
流れはほんとに素晴らしい!!!!
プリントアウトして、修正部分を私なりに考えます。
少し時間をください。
「お客様からのメール/その5」補足解説
それなりの自信を持って提出したネームだけど、こういう返信が来ると、やっぱり嬉しい。
会ったときから感じていたんだけど、この専務さん、ノリがいいのよ。
で、そういう人って相手をノセるのも上手いんだよね。
ボクも、まんまとノセられた。
でも、ノセてくれるお客のほうが仕事していて気持ちいいからオッケーだよね(笑)。
うるのメール/その5
うるのです。
> プロってすごいですね!!!!!!
そう言っていただけると、嬉しいやら気恥ずかしいやらですけど、でも、このスケッチがちゃんとペン入れされて、さらに色が付くと、さらに素敵になるとは思います。
> 細かい部分で修正をお願いする部分はありますが、
> 流れはほんとに素晴らしい!!!!
ありがとうございます。
ホントに面映いですが、こうしたメールをお客様からいただけるのはスタッフ一同励みになるので、本当に嬉しいです。雑誌で連載している時も、ファンレターは必ず全部読んだものです。ボクらの活力源ですね。
> プリントアウトして、修正部分を私なりに考えます。
> 少し時間をください。
はい、大丈夫です。
できるだけ、要点を掴んで内容を構成したつもりですが、専門家ではないから、どこかに抜けた部分があるに違いありません。
その細かい部分がイノチだったりしますから、納得ゆくまでチェックしてください。
(以下、書名)
「うるのメール/その5」補足解説
資料を預かっただけで、シナリオから全部をコッチで考え、提出したモノで「素晴らしい」の返事をもらったんだから、相手はすでにボクを認めてくれているハズ。
だから、このメールでは基本的には感謝の言葉を並べているんだけど、その中にチラッとさりげなく「雑誌で連載している時も、ファンレターは必ず全部読んだ」といった漫画家っぽいキーワードを盛り込んでいる。
いわばシズル感ってヤツ。
ボクは自分から売り込みに走っていないから、お客のほとんどはクチコミかネットでボクのサイトを見つけてオファーしてくる。
どちらの場合でも、最低限のボクの情報を得た上でのオファーになるんだけど、それでも、こちらのコトを詳しく知っているというほどじゃない。
大丈夫そう、やれそうという漠然とした期待だけなんだ。
で、こうやってネームになって、その期待が正しかったと感じてくれてるときに、雑誌で連載してたとき等のネタを目にすると「ああ、やっぱプロなんだなぁ」って気持ちを強めやすいの。
そういうヤツを選んだ自分の目が正しかったという自己肯定にもなるから、そうした気持ちを掴んで、さらにコッチ側に呼び込みやすいんだよね。
専務さんは最初からボクに期待しててくれたわけだけど、あくまでも仕事上の付きあいだからね。
どっかの宗教の信者みたいに、ボクを盲信してくれるわけじゃない。
なので、繰り返し繰り返し、一目置くべき理由ってヤツを流し続けておくんだ。
そうしないと熱ってヤツは、あっという間に冷めちゃう。
社長を倒して一安心、なんてことはないのよ(笑)。
お客様からのメール/その6
うるのさま
ご無沙汰でございます。
ちょっと体調を崩しておりました。(夫の母が亡くなり、葬儀、忍ぶ会、日中お線香をあげにお見え下さるお客様の応対、香典返し、などなど、一人で取り仕切っており、人疲れ、気疲れが溜まっていき・・・)
今日、当社の役員会がありました。
「私はここをこのように修正していただこうと思うのですが、いかがでしょうか。」
と議題を出しました。
出席役員から「1週間それぞれが宿題として持ち帰り、来週までに修正依頼案をまとめることにしましょう。」という提案が出されました。
そんな訳で本当に申し訳ありませんが、もう1週間、お時間をください。
よろしくお願いいたします。
(以下、書名)
うるのメール/その6
うるのです。
了解致しました。
お母様の件、お悔やみ申しあげます。
私も明日30日は、叔父の葬儀のため、終日留守になります。5月1日は通常営業、GW中も(キツイ締め切りがあるので)半分くらいは出社することになりそうです。
いずれにしても、5月中には、完成~納品させたいなぁと思っています。
どうぞ、よろしくお願い致します。
(以下、書名)
「うるのメール/その6」補足解説
このへんのやり取りはどうでもいいことなんだけど、実はけっこう大事。
先方がプライベートな事情まで書いてくるというのは、それだけコッチに親しみを感じているという証拠だから。
だからボクも自分のプライベートを語って「こっちもそうだよ~、あなたを親しく感じてるよ~~」と伝えている。
ネタが葬儀とかだから、文面は硬めなんだけど、書いてる内容はユルめなの。
そういうユルさを互いに受け入れる関係になっているというのは、仕事を進める上で大きなことなんだ。
クリエイターなんだから腕で黙らせろ、といったことは、相手が「腕」を認められるだけの知識や感性を持っている場合だけだ。全くの素人さんの世界では、そこそこに描けていればみんな上手に見えるというだけなんだ。プロやファンが見れば一発でわかっちゃうレベルの贋作でも、本物と区別できないんだ。
だから、どれほど腕を磨いても、腕では黙らせられない。
腕で乗り切りたいならプロ同士でやっていく世界にいるべきで、一般相手の広告漫画なんかやるもんじゃない。
でもボクは一般世界に殴りこんじゃったんだから、一般の人でも理解できる部分=腕以外の部分をしっかりさせないとやっていけないのよ。こうしたコミュニケーションなどの共感力を磨くしかなかったのよ。
あ、ちなみにね、作家ってそういうの苦手じゃないはずだよ。
口下手な人が多かったりするのは事実だけど、コミュ力ってのは口が上手いことじゃない。
相手をよく観察して、そのバックボーンを想像……いや妄想する力のほうがメインなんだ。
そういうことなら作家の得意分野でしょ。
それを十二分に活かせばいいだけ。
クリエイターのそういう能力は、一般世界でも強力な武器になるんだよ(笑)。
※このブログに掲載されているほとんどのことは電子書籍の拙著『広告まんが道の歩き方』シリーズにまとめてありますので、ご興味がありましたら是非お読みいただけたら嬉しいです。他にもヒーロー小説とか科学漫画とか色々ありますし(笑)。