失敗社長編03:支払いの相談と第1話(前編)
うるの送信メール/その2
うるのです。
> 5話、あらすじ等読ませていただきました。
> 面白いと思います!
ありがとうございます。
> 一点だけ、社長に「犬になってもいいのか」と
> 確認しましたが「全然いい」とのことでしたので、
> 思い切り、自由に、楽しく、力いっぱい描いていただければと思います。
・・・というわけで、マンガのコンテ(第一話:初稿)を切ってみました。
オンラインにアップしたので、以下をご覧ください。
■マンガのコンテ(画像のURL)
■キャラクター:イメージ図(画像のURL)
社長のコトバにないセリフとか、付け加えちゃっているんですけど、御容赦を。
マンガの場合、できるだけ直感的に理解しやすい言葉にすべきでして、たぶん、このニュアンスだろう、という感じで、セリフを作っているんです。
ラフなスケッチなので、いまいちピンと来ない部分もあるかもしれません。
が、仕上がりレベルは○○さんのマンガ以上になるはず。○○さんで手抜きしたわけじゃなく、ウチの制作レベルが、あの頃よりずっと上がっているってことなんですけど。(筆者注:「○○さん」というのは、最初に一緒にこの会社のWEBをサポートしたボクの営業パートナーのこと)
品質の程は、ウチのホームページの作例を見てください。
自分で言うのもなんですが「広告マンガの品質(シナリオと画質)」にかけては誰にも負けないと自負しています。
(だって、広告とマンガの両方を分かっている漫画家が他にいませんもの。○○社の調査部が同業1000社を調査した結果、ウチだけだったそうですから)
※当方マンガ作例はコチラ(URL)
> おっしゃる通り、新しいサービスでは
> 「気づかせてあげる」というところがキモになります
> そのあたりも(そんなに説明したわけでもないのに)
> 深く理解していただいて考えていただき、嬉しく思います。
まさか、社長がアドバイスしたら、どんな人もウマくいくなんてことは無茶なハズですからね。悩んでいる人の多くは、ふんぎりがつかないだけで、本当は分かっているんですよね。
だから、少しだけ背中を押してあげたり、危ない方向に踏み込みそうな人を、ちょっと引っ張ったり、そういうことなのだろうと。
> また、費用の面やその他のことも
> いろいろとご配慮いただき
> 感謝に耐えません。
> うるのさんには社長ともども恩義を感じ続けています。
> 本当にありがとうございます。
あ、ボクはいつも、こんな調子ですから、気にしないでください。×××××さんが大きくなることが、イコールボクがもっと稼げるようになるってコトですもの。広告業って、本当に自社以上に、お客が大きくなる事に必死じゃないと、やっていけない仕事ですから。
(そうじゃないと、いくら頑張っても自転車操業になっちゃう)
長くおつき合いして、お互いにジジイになって、一杯やりながらガハハと笑いあえたら最高ですよね。
> またお支払いのスケジュールに関してですが、
> 絵コンテを見せていただいて打ち合わせをする際に、
> 社長と一緒に伺ってお支払いの予定をお話させて
> いただけたらと思います。
了解です。
お互いに、無理のないスケジュールでやっていきましょう。
(以下、書名)
「うるの送信メール/その2」補足解説
良質な取引先とは良質な関係でいたい、というのがボクの処世術。
この良質っていうのは大きな取引先、金払いのいい取引先ってことじゃなくて、人間的にイイ人、ウマが合う人ってこと。
そういう人としっかり仲良くなっておくことがスゴく大事なのよ。
最初のメールの最後に『ボクも社長に出会う少し前に「夫婦でどっちがクビを吊ったら効率がいいか」なんてことを相談するくらいに追い詰められた経験があって』と書いてあったけど、本当にね、自殺するしかないって思い込んだときもあったのよ。
でも、そのときにボクを救ってくれたのは裕福な人々ではなく、地道にコツコツと、苦しみながらも頑張っている普通の人たちだった。
みんながホンの少しずつオラに元気を分けてくれて、そのおかげで立ち直れたの。
金持ちがドンと支援してくれたんじゃなくて、小さなモノが集まって救ってくれたことが大きかったよ。
多くの、普通の人々が助け船を出してくれたからこそ、自分は捨てたもんじゃないって本気で思えたからね。
だからボクも「失敗事業主」なんだ。
成功よりも失敗のほうがずっと多い。
それでも、ボクを支えてくれる人たちがいる。
一人ひとりの力は小さい。
ハナクソほじりながら、ホンのちょっと引っ張ってくれる程度。
でも、それが集まるとボクを助け起こすくらいにはなるのよ。
ボクがちっぽけで弱っちいからこそ、そうした力で立ち上がれる。
ちょっとだけ引っ張ってやるかと思ってもらえる。
その程度に期待されていれば、十分に生きていけるのよ。
ちっちゃくて大したことないアレコレこそが大事なんだ、と心から思えたことが、今のボクの芯になっている。
チャンスがあれば一発逆転の大成功にも挑んでみたいけれど、そうでなくたって生きていけるんだ。ホンのわずかな小さな好意や善意を得られるだけで、ボクと家族が生きていけるくらいの力にはなってしまうのだから。
ボクは、そういうことを経験したから、小さな規模で一所懸命やっている人たちを本気で愛している。
そういう人の力になりたいと思う。そうすることが、一番大きな力になることを身をもって知っているから。
※補足
こうしたボクの経験のアレコレは拙著『広告まんが道』に詳しく書いているので、興味を持たれた方は是非ご一読を。
『広告まんが道』は、本書『広告まんが道の歩き方シリーズ』の別巻として書いたもので、まぁボクの自伝になっちゃっているのだけど、本シリーズでは、ボクが何にどう対処したかという「結果の部分」しか見せられなかったので、それだけじゃ足りないと思って別巻を書いたんだ。
結果に至る過程の部分も見せないとダメだもんね。
結果だけ見て「スペシウム光線やライダーキックで倒せばいいんだな」と思い込んで序盤からそうしちゃったら破られちゃうんだから。それに、一方向から見たら三角でも、別な角度から見たら円形で、3Dにしたら三角錐だったというようなコトはあるでしょ。
なので合わせてお読みいただくと、より立体的に理解してもらえると思うんだ。
お客様からの返信メール/その2
うるの様
×××××の○○です。
コンテ拝見しました。
とっても良いと思います!
のでこのまま進めてください。
「だって、ビビッてたとしても、「やりたい気持ち」と「やらなきゃいけない事」からは逃げられないでしょ?」からの下り、特に感動しました。
■セリフの修正
いくつか細かい点の修正があります
(社長が以前お話した内容に、間違っていたところがあったみたいです)
○が修正前、●が修正後
P1
○アフェリエイト
●アフィリエイト
P3
○不良債券
●不良債権
P4
○会社整理法現在の「民事再生法」での再建
●商法の「会社整理手続」での再建
○ミンジサイセーホー?
●カイシャセーリ?
■コマ
ところで、コマが左から右に流れているようですが、今回はあえて左開きの体裁をとったのですか?
■お支払いの件
> あ、ボクはいつも、こんな調子ですから、気にしないで
> ください。×××××さんが大きくなることが、イコール
> ボクがもっと稼げるようになるってコトですもの。
> 広告業って、本当に自社以上に、お客が大きくなる事に
> 必死じゃないと、やっていけない仕事ですから。
> (そうじゃないと、いくら頑張っても自転車操業になっちゃう)
本当にありがとうございます。
8月第二週の火曜以降(8/5以降)で、社長からうるのさんに連絡して、
支払いスケジュールのご説明に伺いたいそうです。
あらかじめ不都合な日などございましたらお知らせいただければ幸いです。
よろしくお願いいたします!
(以下、書名)
お客様からの返信メール/その3
もう二点、修正がありました。
責任逃れをしようとしていたけど、辞めてはなかったそうです↓
○が訂正前、●が訂正後
○当時の重役たちはみんな逃げちゃったんだし
●当時の重役たちはみんな逃げ腰だったし
○前の経営陣が責任とらないで辞めちゃってるから
●前の経営陣が責任とらないでズルズル会社にい続けてるから
(以下、書名)
うるの送信メール/その3
うるのです。
> ×××××の○○です。
> コンテ拝見しました。
> とっても良いと思います!
> のでこのまま進めてください。
ありがとうございます。
個人的にも笑いと決めシーンのバランスは悪くないと思っています。
(マンガを読み慣れたネットユーザーたちでも抵抗なく読めるバランスになってると思います。いかにも広告的なモノだと、読者はシラケちゃうんですよね)
> 「だって、ビビッてたとしても、「やりたい気持ち」と
>「やらなきゃいけない事」からは逃げられないでしょ?」
> からの下り、特に感動しました。
勝手に言っちゃっていいのかなぁ、とは思いつつ、マンガ的には、こういう言い方のほうが受け入れてもらいやすいはず、と、暴走(妄想)させていただきました。
この仕事って、できるだけ分かりやすい言葉で主旨を伝えなきゃイミがないので、見下ろすんじゃなくて読者と同じ目線でセリフを考えなきゃいけないんです。
で、ボクは作家として、社長がおっしゃっていることを上記のようなセリフに「変換」させていただいたわけです。
※
ウチのWEBサイトに「マンガに変換します」って書いてありますしね。アレは単に絵を作るっていう意味じゃないんで、実践してみせなきゃって思っています。
> ■セリフの修正
文字の間違い等、ご指摘ありがとうございます。
当時の状況に対するボクの認識間違いもあったようで、失礼しました。
(ストーリー上の致命的な部分でなくてよかった!)
とにかく、きっちり直しますね!
> ■コマ
> ところで、コマが左から右に流れているようですが、
> 今回はあえて左開きの体裁をとったのですか?
WEB上では、そのほうが自然だと思うからです。
マンガは普通は「縦組」なんですが、そう作ってしまうと、WEBでは通常の目線の流れと逆になってしまい、違和感があると思うんです。
(パソコンの画面上では、左が手前で右が奥でしょ。画面上で読むのなら、日本のマンガは開きが逆になっちゃうんですよ)
○○さん(注:ウチの営業パートナー)のときは、印刷物が先だったので普通のマンガと同じに描いたんですが、最近はマルチ展開を考えて、横書きで提案する事のほうが多いんです。
お客さんの多くも、それを望むことが多く、これも時代ってやつですね。
広告物の多くも横組のものが多いから、横で作ったほうが汎用性が高いんです。1つの作品を様々な場所や状況で活用できたほうが、コストパフォーマンスもよいし、広告マンガでは横書きのほうが有利なんですよね。
単行本などの冊子にする際も、本文横組の冊子として構成すればいいだけのことですし、アメコミの日本語版など、横書きでも違和感なく読めるものですしね。
> 8月第二週の火曜以降(8/5以降)で、社長からうるのさんに連絡して、
> 支払いスケジュールのご説明に伺いたいそうです。
了解です。
その頃には、一部ペン入れあるいは下描きレベルまで進んだモノが見れるんじゃないかな。しっかりした絵になると、また趣きが違いますから、お楽しみに!
(以下、書名)
「うるの送信メール/その3」補足解説
お客さんに誉めてもらえるというのは、本当に嬉しい。
他の漫画でもそうだけど、ボクは実在の人物を描くときでも、勝手にその人になりきって、勝手にセリフを書いちゃうのよ。
この漫画はご本人に取材して描いているんだけど、あくまでも「事実に基づいたフィクション」で、1つ1つのセリフは全部ボクが勝手に妄想して書いている。当人のセリフそのままなんてのは1つもない。
ボクがボクの想いを書いてるんだ。
その言葉にお客さんが共感してくれているというだけなんだよね。
だからこそ、誉めてもらえると嬉しいの。
その分だけボクもパワーアップもしていくのよ。
誉め上手はオトクだよね(笑)。
なお、横書きの部分についてはボクの持論なので、特に指定がないのなら縦書きでも構わないと思う。
ただ、世の中に出回っている広報物の多くは横書きで、広告や広報の漫画っていうのは、そうした他の広報ツールとコラボすることも多いので、ボクは横書き中心でやっている。
そのときだけじゃなくて、先々での使い勝手の良さというのも重要だと思うから。
そういう気配りしておいたほうが、次の仕事を取りやすいってのもあるし。
(「失敗社長編04:支払いの相談と第1話(後編)」へ→)
※このブログに掲載されているほとんどのことは電子書籍の拙著『広告まんが道の歩き方』シリーズにまとめてありますので、ご興味がありましたら是非お読みいただけたら嬉しいです。他にもヒーロー小説とか科学漫画とか色々ありますし(笑)。