広告漫画を手がけるときに漫画以外に必要なスキルは?

2018年1月8日

 そもそも漫画に必要なスキルってナンダ? という部分もあるので何とも答えづらいんだけど、必要かどうかは別として、あったほうがいいスキルはいくつも考えられるよ。

 いやまぁ、何でもあったほうがいいには違いないんだけどね。

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広告のリクツをちゃんと理解しておこう

 まず第一に、広告漫画を手掛けるなら、広告について多少は学んでおかなきゃ、どうにもならない。
 漫画を描くというだけじゃなくて「広告を作る」んだから。

 広告としてのツボと漫画としてのツボは違うから、どっちかだけに偏ると一方の機能がダメになっちゃう。
 広告に漫画を使うってだけではなく、広告情報と漫画が両立してなきゃいけない。

 でも、広告に慣れていない漫画家さんだと、どうしても漫画のほうに引っ張られるみたいで、例えば主人公登場シーンはバーンと描くんだけど、商品の登場シーンは小っちゃくて目立たない、なんてことになりがち。

 いや、気持ちはわかるんだけどね。

 でもそれじゃマズイんだよ。
 ドラえもんみたいに「ナントカカントカ~~!」と小道具(広告商品)にもスポット当ててあげなきゃいかんのよ。

 例えば、とある居酒屋を売り込むための広告漫画だとする。
 飲み屋を舞台にした漫画やドラマはけっこうあるから、そういうお話を考えることはできる。
 でも、居酒屋をただの舞台として扱っちゃダメなんだ。居酒屋自体が主人公と同等なくらいに活躍してくれなきゃいけない。
 お店のつくり、様々なメニューやサービス、店主の思い、そういうモノに読者の気持ちが向いてくれるように構成しなきゃいけない。

 綺麗で落ち着いたお店。
 だけど、柱に傷がある。
 それが目立ってしまい、せっかくの雰囲気にケチがついているように思える。
 でも、その傷は店主の誇り。
 常連のお客はみんな知っている、愛おしい傷。
 その物語を聞いた主人公は、やがてメニューの1つ1つにも、同じ想いが込められていることに気付いていく。
 とかね。

 これは即興の妄想で、実際の事例でも何でもないんだけど、こんな感じにすれば、お店のアレコレを全部ストーリーに盛り込んでヒューマンドラマとして描写できると思うんだよね。
 まぁボクだったら、これをギャグでやっちゃうと思うけど(笑)。

 とにかく、読み終えたときに作品を好きになるだけじゃなくて、お店を好きになってもらわなきゃいけないのよ。
 しかも実際に行動してもらいたいの。
 いいお店だなぁって思うだけじゃなく、実際にお店に来てもらいたい。

 これは、よくある漫画やアニメとのコラボポスターなんかにも言えることだ。

 地域のイベントの告知とか、節電や防犯を呼びかけるとか、色々な広報に人気作品が利用されているけど、それを見た人が「ポスター欲しい!」って思うだけで終わっちゃったら、全然意味がないんだよね。

 人気キャラの力を借りて注目してもらう→メッセージに気付いて共感してもらう→実際の行動に結びつける、という誘導ができてなければ、言っただけ、やっただけになってしまう。
 関係者が満足するだけで、世間に全然寄与しないのよ。

 それじゃ意味がないんだ。

 広告としての目的は、ソレを見せることじゃない。
 読者に行動させることなんだ。
 見て満足されては困る。
 やらなきゃ、行かなきゃ、買わなきゃ、になってもらわないと。

 いや実際、やったという事実さえあれば結果はどうでもいいというか、費用対効果とか考えてないような案件もゾロゾロあるんだけど、発注側の意識が低いからって受注側まで同レベルでやってたら、仕事って取れないのよ。

 結果を出すためにキッチリ考えたアプローチになってないのなら、ようするに見かけだけってコトになっちゃうでしょ。

 そんなら、より有名なキャラ、著名な作家にお願いしたほうがいいに決まってる。
 人気キャラを使えば一定の注目は集められるから、そのほうが確実ってコトになる。

 すると、美味しい案件は人気キャラに持っていかれてしまって、著名キャラを起用するほどの予算がない仕事だけが回ってくることになる。
 アッチは以前に描いたキャラ絵を貸し出すだけでン十万・ン百万なのに、コッチは新作描き下ろしでも、その10分の1とかね。
 そういうことになっちゃう。

 ま、知名度ってのはスゴく強力だから、何をどう工夫しても勝負にならないことだって少なくないんだけど、ちゃんと広告としての目的・結果を理解して、それを達成するための方策を打ち出せれば、ビッグネームを出し抜いて受注できることだってある。
 そして、その仕事で依頼者が満足する結果を出せれば信頼につながるし、周囲からも評価される。
 すると次の仕事につながっていく。
 最初は安い額面でしか受注できなくても、評価が上がればワンランク上の額面で受注できるようになったりもする。

 画力がどんだけスゴくても、漫画家としての力量がどれほどでも、素人衆にはその違いがわからないから、結局は知名度に流れがちだ。
 漫画の仕事であっても、漫画では評価されない(できない)んだよ。だからこそ、漫画だけじゃなく「広告」としてのフィールドでも勝負できないと、ドングリの背比べになっちゃって誰でもいいってコトになってしまうんだ。
 こうした部分でも「漫画と広告」じゃなくて「広告漫画」としてアピールできなきゃならないんだ。

 だから、常に広告という視点を持ち続けなきゃ広告漫画は描けない。
 描いたとしても、役に立たないモノになってしまう。
 漫画家的に満足できても、広告的には不満だらけのモノになっちゃうんだ。
 それじゃ、ひとりよがりのエッチみたいなモンで、パートナーに嫌われちゃうぞ。

 そんなコトにならないためにも、広告漫画をやるのなら広告を学んで、しっかり意識すべきだと思うなぁ。

コミュニケーション力は、ものすごく大事

 依頼者とのコミュニケーション力も大事。
 交渉力、説得力と言い換えてもいい。

 漫画家には、そういうの苦手っていう人が少なくない気がするけど、それでも大事なモノは大事なんだよ。
 これもまた、依頼者が出版社ではなく普通の素人さんだからだよ。

 お客は漫画について知らないんだ。
 この知らなさのレベルは、漫画家の想像を超えている。

 先の『広告漫画とフツーの漫画は何が違うの?』で触れた「漫画とアニメの区別がついてない」なんてのも、その1つ。
 漫画っていうから漫画を描こうとしたら、実はただのイラストのことだったコトは何度もあったよ。

 他にもフキダシ、ワク線、集中線、スピード線、描き文字などが理解できなかったり、漫画特有の描写(困ったときに汗を描き込むとか)などがピンと来なかったり、というコトがあり得る。
 コマを読んでいく順番がわからない人もいた。
 もちろんネームなんか知るわけもない。
 つ~かネームと下絵やペン入れの区別がつかない。
 ネーム見せたら雑すぎる、完成品と違うって文句言われたこと、本当にあったんだから。

 さらに、どう考えても100ページは必要としか思えないモノを5ページの企画で持ち出してきたり、逆に2ページでも多すぎるコトを10ページでやれと言われたり。言い出したらキリがない。とにかく知らない。何も知らない。

 あ、お客の名誉のためにも書いておくけど、そういうことになるのは依頼者たちがバカだからじゃないからね。
 高学歴で教養もあり、人間的にもイイ人たちでも同じようなもの。
 漫画と関わりない世界で暮らしている人は誰でもそうなんだよ。

 漫画1ページにどのくらいのボリュームを詰め込めるかなんか、わからない。
 だから、とにかく言ってみる。
 何でもかんでも「役満」と言っておく。
 そうしておいて後は「わかっている人=漫画家」に助言を求める。
 そんな感じが多いんだ。

 ボクは『カソクキッズ』の連載で、高学歴で教養アリどころか実際にノーベル賞を受賞しちゃうクラスの博士たちとお付き合いさせてもらったけど、そういう方々でも漫画1ページにどれだけの情報が盛り込めるかは判断できないようだった。
 それで想定ページ数には絶対に盛り込めないほどの資料が届いちゃって、でもソレがとても興味深くて面白くて削りたくないモノだったので、ボクが勝手に増ページ(増やした分の制作費は自腹)して提案して、ソレが認められちゃったのが『カソクキッズ』の始まりなんだよね。
 まさか、8年もの長期連載(2016年現在)になるとは思ってもみなかった(笑)。

 そんな具合だから、コミュニケーション力はとても大事なんだ。

 中には本気で無茶やゴリ押しをする人もいるけど、ボクの経験から言えば、それはレアケース。
 お客は、ただ漫画を描いて欲しいだけじゃなくて、プロとしての助言を求めている。

 そういう人たちを相手に打ち合わせして作品を創っていくんだから、コミュニケーション力はとても重要なんだよ。
 助言してやるだけじゃなく、相手の言ってることを額面通りに受け取っていると痛い目に遭ったりするしね。

 少なくとも、こっちが専門としている部分においては、一目置かれる存在でないとマズイんだ。
 専門分野に関しては任せよう。そう思われないと、不安感からアレコレ余計な口出しをされて、いつしかメチャクチャな、作者にも制御不能なシロモノになっていってしまう。

 そのためにも、先の「広告を学ぶ」「広告にも詳しくなる」っていうのは大事。
 漫画だけ詳しくて広告を知らなかったら「知らないヤツは黙ってろ」ってコトになって、漫画についても意見できなくなるから。
 漫画としてソレはヘンだってツッコんでも「うるせぇ、こっちは広告作ってんだよ」って言い返されてオシマイになる。

 一般企業などを相手にするのなら、お客は広告に関しても素人のはずなんだから、せめてお客よりは広告をわかっているように、最低限の勉強はしておくべきだ。そんで後は実戦で経験値を上げていく。

 漫画家だって広告の素人なんだから、最初からプロのような助言や指導ができるわけがないんだけど、そのへんは経験を積むことで覚えていくしかないと思うよ。そうしていれば、いつかきっと「描いてて楽しい!」って思える広告漫画をやれるようになるはずだ。

 描いてくれれば助言なんかどうでもいい、という発注だってあるだろうとは思う。
 ボクも、そういう案件をやったことは何度もある。
 だけど、その手の相手の場合は、あくまでも「そのときだけの一見さん」として扱うことにしている。

 意見や助言を求めないってコトは、こちらに対する評価が低いってことだから、仕事を進めていく上でも、あんまりやりがいを感じないことが多いのよ。

 せめて金のためと割り切れればいいけど、評価が低けりゃ大抵は利益も低くなる。
 仕事としてつまらなくて、ストレスもあって、利益も小さいんじゃ、そういう人を継続的な取引相手としては見なせないでしょ。
 背に腹は代えられなくて引き受けるってコトはあるけど、毎回やりたい相手じゃないわけ。

 本当に継続して取引したい相手っていうのは、こちらを対等に扱ってくれて、助言や意見にも耳を傾けてくれる人のことだ。
 それが本当のお客で、そういう相手を増やしていくことが事業なんだ。
 そういう人に見初められるためにも、ちゃんと提案できてコミュニケーションできることは大事なんだよ。

他にも、できると有利なアレコレ

 他にも、身に付けておいたほうがいいスキルはいくらでもある。
 中には、ネットを上手に活用できるとかってのもある。

 ボクはネームをオンラインにアップして確認してもらっている。
 そしてメーリングリストやCCメールなどで関係者全員に伝え、見てもらっている。

 こうした対応ができないと、いちいち客先まで出向かなきゃならず、また、関係者に集まってもらわなきゃならず、すごく煩雑な上に効率も悪いんだ。

 あ、言っとくけど、相手は漫画の編集者じゃないんだから、こっちまで原稿を取りに来たり、近所のファミレスまで打ち合わせに来てくれたりはしないからね。稀に来てくれる方もいるけど、それは特殊なケース。

 打ち合わせも納品も、こっちから出向く。これはビジネスではアタリマエのこと。
「オレは漫画家センセイだぞ」とか思っちゃダメだからね。

 タダの広告業者。
 漫画を描けて、実際に漫画家やっていても、立場的にはタダの業者なんだ。
 つまんないプライドなんか持っていちゃダメだよ(プライドも大事だけど使いどころを間違えると、単なるワガママになっちゃうし)。

 とにかく、漫画界ではアタリマエのことでも、一般社会ではアタリマエじゃないことはいっぱいある。
 広告漫画を手掛けるということは、漫画界を出て一般社会に行くということなんだから、基本的なビジネスルールやマナーくらいは身に付けておかなきゃマズイんだよ。

 ま、うわべだけソレっぽくしてもダメなんで、背広を着るとか、そういうコトじゃないけどね(ボクも背広なんか冠婚葬祭以外で着たことないし)。

できたほうがいいことリスト

 以下は、参考として上げてみた「できたほうがいいこと」だ。
 中には「そんなコトまで!?」と思うような項目もあるかもしれない。

 でも、少なくともウチの場合は、これらも全部やっている。
 というよりも、これらに対応できなかったら、ウチの受注量は半分以下だったハズなのだ。

 だから、広告漫画を引き受けている人で、もし以下のコトを今までやっていなかったのなら、今後対応できるようにしていけば、倍以上の仕事を受注できるようになるかもしれないよ。

 


■デジタル入稿

 漫画自体はデジタル制作でなくても構わないと思うけど、納品・入稿はデジタル対応でやれないと色々厄介かもしれない。
 今ドキの印刷物は全てデジタルデータだからね。
 紙で原稿もらっても何も出来なかったりするから。

 ウチは、かなり前から完全デジタル制作(ただし道具がデジタルなだけで、作り方はアナログ)なので、そうでない環境のコトには詳しくないんだけど、例えば漫画原稿をスキャンしてデジタル化するにしても、普通にスキャンするとトーンがモワレになってしまうといったコトもあるでしょ。
 お客は、そういうコトにならないようにするテクニックなんか知らないんだから、そうした問題が起こらないように最初から配慮できてないと、いくら漫画が上手くても使いづらいと思われちゃうんだよね。

 なおコレ、印刷会社や広告制作会社が依頼者だから大丈夫、などと考えてはいけない。
 あなたが思っているほどプロがプロじゃないこともあるのだ。

「Adobe Illustrator」上に配置したオブジェクトを1ミリ動かすだけでもやれない、わからないって言ってくる制作会社だって山ほどあるんだから。
 全部終わってからデジタルデータになってないから代金払えないなんて言われたら困るでしょ。

 もちろん、そんな理不尽を言われたら文句言っていいし、いざとなれば訴えてもいいんだけど、そういうモメゴトはないほうがいいに決まってるので「完全データ」で入稿できたほうが圧倒的にいいのは間違いないんだ。

 


■ネーム(文字)

 鉛筆でセリフなどを書き込んでおけば編集者が活字を入れてくれる……なんてことはないからね。
 文字も自分で入れなきゃダメ。
 これもパソコンでやるしかない(今ドキ写植屋さんに文字を打ってもらって貼るなんて無理でしょ)ので、やっぱり最低限のデジタル作業は必要になっちゃうよなぁ。

 


■デザインやレイアウト

 これも漫画家の仕事に含まれることがある。
 普通に雑誌で漫画連載とかやってる場合は、単行本の装丁まで漫画家が自分でやるなんてコトは少ないと思うんだけど、広告の世界(特に広告主との直取引)ではそうじゃないんだ。

 少なくともボクの場合は、タイトルロゴも、表紙や表4、中トビラ、おくづけ、漫画以外のページの編集、ノンブルなどまで全部コミコミでのオーダーばっかり。インターネット上での公開の場合は、WEBページのデザインやコーディングもやる。
 そのへんをやらずに済むのは、広告制作会社からの注文のときだけだね。

 こういう漫画以外の部分もやれるっていうのは、大きい。すごく大きい。

 だってワンストップでやれないとなると、依頼者は漫画家以外にデザイン会社とかを手配しなきゃならなくなるでしょ。
 ソレって厄介なんだよ。
 そこまでの手間をかけて漫画をやるかどうか、っていうくらいに。

 漫画でなくても広告は作れるんだ。
 だから、面倒くさい話になると漫画で作るっていう企画自体が流れちゃう可能性も少なくないんだよね。

 そうでなくとも、他に全部を任せられる人がいたら、そっちに回されちゃう可能性は高いと思う。
 なんせ客には漫画自体の良し悪しはわからないんだから、自分のほうがいい漫画を描けたとしても、それには気付けないんだもん。
 それで漫画とは別な部分で判断されて、色々便利な人のほうに行っちゃうケースが多いんだ。

 なので、全部ワンストップで任せられるっていうのは、仕事を獲得する上でとても大きいんだよ。
 少なくとも、一般企業などと直接取引して受注しようと思ったら、全部やれるってコトでないと、まず無理なんじゃないかなぁ?

 だから、自分でデザインやレイアウトまでは無理という人は、どこかのデザイン会社やフリーデザイナーと交渉して、デザインや編集の工程を依頼できるように誼みを通じておくほうがいいと思う。
 結果として全部やれてしまえば、自分でやれなくても同じことだから(もっとも自分でやれればデザイン料なども自分の利益になるわけで、これも収益上ではすごく大きいんだけど)。

 なお、表紙込み20ページ程度の漫画冊子を作る場合は、ほぼ同人誌と同じ作りだと思っていいから、同人の経験がある方なら何とかなるかもしれないよ。
 もっとも作業内容は同人でもいいんだけど、レイアウトや編集の品質にはプロレベルが求められちゃうから、やっぱり、ちゃんと学ばないと難しいかもしれないけど。

 最初はデザイナーさんに外注でやってもらって、そうしている間に自分でもやれるように練習しておくっていうのがいいかもね。
 そこそこやれるようになったら、自分のデザイン編集でお客に見せて、OKもらえれば以降は自分でやれるようになっていくだろうしね。

 


■印刷

 お客が言う「漫画を作って」は「漫画冊子を作って」の意味だったりすることが結構あるんだよ。
 漫画だけ描いて納品すればOKじゃないんだ。

 「広告漫画の依頼」には、フィニッシュまでの全部が含まれていることが多いのよ。
 漫画家が漫画だけ描いていられるのは出版社相手のときだけなのよ。

 だから印刷所にもツテがあったほうがいい。

 先に触れたように、漫画の広報冊子は同人誌と同じ作りなコトが多いので、そういう印刷屋さんと仲良くしてるならソコで十分だとは思うけど、特定の印刷会社を指定される場合もあるので、そのへんは要注意かな。
 漫画家が自分で印刷できるってケースはまずない(デザイン会社だってない)ので、どこの印刷会社でも、まず間違いなく印刷できるデータの作り方を覚えておくっていう感じだね。

 この他にも、ある程度まとまったボリュームの仕事を受注するには、企画書を書ける能力やプレゼン力などが必要になるし、見積書、納品書、請求書などをキチッと書けないと代金がもらえないといったこともある。

 時々、同業の方がSNSなどで「ギャラを提示されない」「代金が振り込まれない」なんてグチってるのを目にすることがあるんだけど、一般企業相手の世界では、自分で額面を算出して見積りするのが当たり前だし、仕事が終わったら納品書と請求書を出さなきゃ振り込まれないのも当たり前なんで、そのへんを勘違いしちゃダメだよ。
 自分の値段を他人が決めたり、何もしないで振り込まれたりするギョーカイのほうが普通じゃないんだから。

 こうした様々なコトは、漫画だけに打ち込みたい多くの漫画家にとっては煩わしいだろうけど、そこを面倒がっているなら広告漫画の世界に来ちゃいけないんだ。多少の仕事ができたとしても、最終的には厄介事だらけになって、やらなきゃよかったということになりかねないし、依頼してくれたお客にも迷惑をかけてしまうかもしれないからね。

 世の中はモノを生み出すワークスと、それを売るビジネスで回っている。
 出版社でやってるときは、漫画家は漫画専門のワークスでいられて、ビジネスは出版社に任せていられるけど、広告漫画をやるときはビジネスの部分も自分でやらなきゃいけなくなることが少なくないんだ。
 そこから逃げているとロクなことにならないんだよ(逃げ回った経験があるから、よ~く知ってるんだ)。


 ビジネスの部分は代理店とかエージェントとかに任せてしまえばいい、と考える人が多いだろうと思う。
 ボクもそう思うし、それを理想としているんだけど、コレがなかなか難しい。どうして難しいのかは別項で書くので、読み進めてみてね。

 


※このブログに掲載されているほとんどのことは子書籍の拙著『広告まんが道の歩き方』シリーズにまとめてありますので、ご興味がありましたら是非お読みいただけたら嬉しいです。他にもヒーロー小説とか科学漫画とか色々ありますし(笑)。