延々とつづく「修正」とのつきあい(メール商談ライブ) ~04:制作~

2018年8月29日

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うるの送信メール/その4

うるのです。

××××マンガについてですが、だいたい構成はまとまりました。今週中には、ラフ画を入れたコンテの形でお送りできると思いますが、念のため、絵を入れる前の「セリフとコマ割だけのもの」をアップしておきました。

絵がないので、分かりにくい部分もあるかと思いますが、だいたいのイメージは掴めるかと思います。


冒頭は、話しあっている部長二人のところに、とある女性社員が別件でやってきて・・・というふうにしました。
この女性が解説役(部長たちは聞き役)です。男性ばかりでは地味なので、女性を配置しました。元々は、お茶を持ってきた女子社員にしていたのですが、女子=お茶汲みという描写はマズイと思い、回避しました。

●1P(画像のURL)
●2P(画像のURL)
●3P(画像のURL)
●4P(画像のURL)

<補足>
××××の解釈や扱いに一番迷いました。
この言葉は企業の取り組みだけの言葉ではありませんし、ビジネス的な視点だけで使っていい言葉でもないからです。扱いを間違えると「××××をダシに金儲け」というふうに見えてしまう危険があり(本音がどうであれ)それではマズイと。

そこで様々な××××関係の情報をチェックし、××××の考え方、これまでの取り組み等について調べてまとめてみました。
基本的な構成は、お送りいただいた構成案(叩き台のシナリオ)の通りですが、全体の流れを見直して、補足的なセリフを増やしています。


元々の会話では、××××そのものについての解説はあるものの、その先の××××については解説されていません。このため××××は理解できても、××××については、いまいちピンと来ないように思えました。ですので、その点を重点的に調整しています。


ここで言う「××××」とは「××××」のことですよね?
劇中では「××××」という表現に統一していますが、これは「消費者は××だから××して×××につながる」ということで、十分に××××が出来ている××にしか扱えないということですよね。
つまり「××××」という付加価値を上乗せできる。だからこそ××が××なコトを消費者にアピールできる。そういうことだと解釈して、全体をまとめ直してあります。
(以下、書名)

 

「うるの送信メール/その4」補足解説

 このときのボク、何で「絵の入ってないコマ割りだけのネーム」なんぞを送っちゃったんだろ?
 何か急いで対応しなきゃいけない状況だったのかなぁ。思い出せないや。

 いや、フツーはね、こういうのは送らないのよ。

 まだネームになる前のシナリオで読ませることはあるし、ネームは必ず見せるんだけど「未完成のネーム」ってのは、基本的に見せない。

 今までに色々やってみて、素人さんに一番伝わりにくいのが未完成ネームだったからなの。
 連載を7年もやって、ネームを見ることに慣れてきたはずの人でさえ、コマ割りだけのネームでは「書いてあることが全然頭に入ってこなかった」と言っていた。
 セリフとかの文字は読めるんだけど、頭に入ってこなくて「見ているだけで読めてはいなかった」んだって。

 ボクらだと、セリフだけでもキャラの表情や構図が見えちゃう(逆に見ないのは無理)もんなんだけど、普通の人は見えないものは見えないんだなぁ。
 いや、それがアタリマエだとは思うんだけど。

 とにかく、そういうわけで普通は「コマ割りだけのネーム」などは見せない。

 そのはずなのに、このときは見せている。
 う~む、ボクは何をしていたのだろう……。

(一応、当時のネームを見直してみたら、真っ白ではなく、コマごとに最低限のアタリは入れてあった。●と▲をくっつけてヒトガタにしたような奴を配置してある。ああ、それで、とりあえずはコレでいいやと思ったのかな。でもコレって、スタッフへの指示用ってレベルだよなぁ。今の自分なら、この状態では絶対見せないと思うんだよなぁ。しかも新規のお客だし。この時期、色々忙しくて仕事も多かったから、油断しちゃってたのかもなぁ。皆さんは気をつけたほうがいいですよ)

 

お客様からのメール/その7

うるの 様

たいへんお世話になっております。○○(某大手マスコミ)の☆☆です。
構成案をありがとうございます。早速拝見させていただきます。
取り急ぎ受信のご連絡まで。
(以下、書名)

 

お客様からのメール/その8

うるの様

お世話になっております。○○(某大手マスコミ)の☆☆です。

マンガページのレイアウトサイズをPDFにしてお知らせいたします。
枠の中に収めていただくことは可能でしょうか。
お伝えするのが遅くなってしまって申し訳ありません。
よろしくお願いいたします。
(以下、書名)

 

うるの送信メール/その5

うるのです。

サイズに関しては大丈夫ですよ。
いつも描いている科学マンガより、ずっと余裕のある作りなので、まったく問題ないと思います。コンテ〔ネームと言います)として仕上げるときには、お送りいただいた寸法に合わせて作成するようにします。
(以下、書名)

 

「うるの送信メール/その5」補足解説

 ずっと余裕があるとか言ってるけど、このときの読切は全4ページだから、それほど余裕のあるページ数じゃない。
 それを余裕と感じちゃうのは、いつもの科学マンガがギリギリでやってるからなんだよな。

 本当にね、普通の漫画ならバストアップ1人程度が適切なコマサイズに7人ツッコんで、それぞれに喋らせるなんてコトが日常だったから。
 1段は普通の漫画の1ページ。2段なら見開き相当。
 そのくらいの情報密度だったの。そうしないと無理だったの。濃すぎるよ素粒子物理学!

 なので、少ないスペースに情報詰め込むテクニックは、とても向上した。

 そのせいで、特定の1つのネタを解説する4ページなんてのは「うぉおお、4ページもある! どうやって埋めよう!?」っていう感覚になっちゃってるんだよね(笑)。

 

お客様からのメール/その9

うるの様

お返事くださいましてありがとうございます。
お手数をおかけしますが、よろしくお願いいたします。
☆☆
(以下、書名)

 

お客様からのメール/その10

うるの様

お世話になっております。○○(某大手マスコミ)の☆☆です。

マンガの上部にナビゲーションのためテキストを入れることにしたため、スペースの天地サイズを変更しました。
添付のPDFをご覧いただけますか。変更箇所は●で囲っています。
天地を13mm減らしていますので、こちらに合わせていただけると幸いです。
お手数をおかけしてすみません。
よろしくお願いいたします。
(以下、書名)

 

うるの送信メール/その6

うるのです。

ちょうどスペースを直して絵を入れ始めたところでした〔笑)。
でも大丈夫、この新しい枠サイズに合わせてレイアウトしています。
明日の夜までには、絵を入れたモノを送れると思いますので、どうぞ、よろしくお願いいたします。
(以下、書名)

 

「うるの送信メール/その6」補足解説

 描いている最中に作画スペースの大きさがコロコロ変わるというのは非常に困るのだけど、まだネーム以前の段階だしね、
 まぁ、何とかなる。

 そもそも、パンフや広告用の漫画では「タチキリなどはNG」だと思うようにしている。

 指定されたスペースの外側はデザイナーや編集者の領域なのだ。
 勝手に侵食できないのよ。そのスペースを使う気があるかどうかは知らないけど、イチイチ聞いてたら煩雑になっちゃうから、原則的にタチキリNGの前提でやることが多いの。
 広告作品ではハデなアクションとか滅多にないし、タチキリ封じても問題にならないしね。

 だから、作画スペースが数ミリ変わるくらいなら、どうにかなっちゃうのよ。

※どうにかなっちゃうのだけど、だからってそういうことやってもOKってことでもない。なので危なそうな相手には、この段階でもキッチリ「今後はこういうルールの後出しはやめてくださいね」と言っておく。このときは担当さんとの関係が良好だったので特に言わなかったんだけど、ヤバい匂いを感じたら些細なことでもツッコむようにしてる。
その程度で……と思われるかもだけど、後でもっとキツく、けれど言い出しにくい段階になってからだとすごく困るので、序盤で軽いジャブを入れておくことも少なくないんだ。その程度でヘソを曲げるような人なら他のことでも曲げるだろうから、モメるくらいならこの段階でモメておきたいしね。

 

お客様からのメール/その11

うるの様

本当にすみません!!!
サイズ変更が一番ご迷惑になると思っていながら、この期に及んでデザイン変更をしてしまい…すみません!
大変有り難いメールに感謝の気持ちでいっぱいです。
引き続き、よろしくお願いいたします。
(以下、書名)

 

「お客様からのメール/その11」補足解説

 向こうも編集部だから「この期に及んでデザイン変更」がどれほど厄介かは身に染みているんだろうなぁ。
 それに文句言わずに対応したから、お詫びのメールを送ってくれたんだよね。

 でも本当に大丈夫な段階だったから。

 これがもっと後だったら「フザケんなテメェエ!!」になることだってあるよ。

 

お客様からのメール/その12

うるの 様
たいへんお世話になっております。○○(某大手マスコミ)の☆☆です。

コマ割り+セリフをお送りいただきありがとうございました。
とてもいい感じです。このまま進めていただければと思います。
ついては1ヵ所、修正をお願いします。

3ページ目 最初のコマの以下のセリフを削除してください。

「こうした××××は「××××」を××した××にしか出せません。」
→これをトル

(注)世の中には自称××××も色々ありますので「出せません」という表現は避けようと思います。

・3ページ目 最初のコマの以下のセリフ

「つまり××××は(中略)アピールできるんです!!」

→ 最初の「つまり」を削除して、セリフを右位置に。
この場合、このコマの図解はどんな感じになりますでしょうか?
以上、どうぞよろしくお願い申し上げます。
(以下、書名)

 

うるの送信メール/その7

うるのです。

サイズを調節し、内容を修正して作ったネーム(コンテ)をアップしました。

セリフの修正があった3ページ目は、図もそれほど大きなモノを入れるつもりではなかった(しっかり図解すると、その後の解説ページとカブってしまうと思われる)ので、セリフ的に問題ないものに調整して、背景には「××××を××する笑顔の親子」のイメージカットを入れるように構成してみました。


マンガですから、いっそ図解より読者の感情を揺さぶるカットを入れたほうがいいだろうと。なにせ、このシーンがクライマックスみたいなモンで、その後はフォロー情報ですからね。ここは××の好イメージを描くほうが正解だろうと判断しました。

■ネーム画像

●1P(画像のURL)
●2P(画像のURL)
●3P(画像のURL)
●4P(画像のURL)

※補足
今回は珍しくギャグ抜きの広告マンガです。ふだんは、多少のギャグを入れることの方が多いんですよ。
広告の場合、読者はマンガを読みたいというモチベーションを持っていないことが多いですから、ギャグをクッションにして広告情報に引き込む(説明を読むのが面倒くさいと思わせない)という手法を使うことが多いんです。
〔ドラマは興味がないと観ないけれど、短いコントなどは観るともなく、ついつい観てしまうのと同じです。それにギャグとして記憶させることで、広告内容を覚えさせることもできますから、学習マンガでも同様の構成をしています)
でも今回は冊子だし、ギャグやボケはそぐわないでしょうから、真面目にまとめてあります(ページ数も少ないからギャグで引っ張らなくても済むでしょうし)。
(以下、書名)

 

「うるの送信メール/その7」補足解説

 先方から届いた修正指示そのままではなく、ボクなりに解釈し直して、アレンジして修正した。

「物語」に慣れてない人って、その場その場のセリフや文字だけを見ちゃって、前後との整合性やストーリー全体としてのバランスなどは考えてないことが多いんだ。

 だから、言われたままにやってると漫画として壊れちゃうの。
 患部を1つ1つ手術して治していって、病巣はなくなったけど生活を考慮してなかったせいで人としてはボロボロ……みたいなことになる。
 それでは問題がないというだけで、何の意味もないモノになってしまうんだ。

 だから作品は作者が守ってあげなきゃいけない。
 先方の言い分を飲み込んだ上で、そういうことならこうすりゃもっといいぞと提案してあげなきゃいけないんだ。

 なお、最後の補足で「今回はギャグやってません」と書いてあるけど、多少のコミカルなシーンはある。
 ロコツなギャグは入れてないってだけ。

 わざわざそういうことを書いたのは、ボクの漫画のほとんどがギャグ作品だから。
 コメディじゃなくてギャグね。
 本文中に書いた通り、ギャグを使って広告に引き込むのがボクのやり口だから。

 広告漫画の読者は、その漫画が読みたくて出会うわけじゃないからね。
 読む気ゼロが大前提。そういう人がついつい読んじゃうように仕向けるには、ギャグが一番てっとり早いのよ。
 ただのギャグならパラパラめくってワハハと笑うだけでいいけど、ストーリーものだと、それなりの興味が湧いてくるまでは読む気になれないもんだからね。

 

(「延々とつづく修正とのつきあい編/05」へ→)

 


※このブログに掲載されているほとんどのことは電子書籍の拙著『広告まんが道の歩き方』シリーズにまとめてありますので、ご興味がありましたら是非お読みいただけたら嬉しいです。他にもヒーロー小説とか科学漫画とか色々ありますし(笑)。

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