依頼者との交流編11(メール商談ライブ)

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お客様からのメール/その17

うるの先生

○○マンガ拝見いたしました。
ご修正ありがとうございます。
打ち合わせについてどうぞよろしくお願いいたします。(11/11以降は不在が多くなります。)

内容につきまして1点だけ

P17, P18で、以下の修正をお願いします。

「だから○○の場合は、絶対に”○○”の○○がなくなっちゃうというわけじゃ・・・」
「たまに混じるけど少なくとも○○のまんまじゃない・・・」

「だから○○の場合は、絶対に”元の家畜”の○○がなくなっちゃうというわけじゃ・・・」
「たまに混じるけど少なくとも”元の家畜”のまんまじゃない・・・」

(もっとわかりやすい言い方がありますでしょうか?)

まとめ

クローンのmtDNAはクローンにしたい元の家畜とmtDNAが違っているのは、元の家畜の体細胞を別の家畜の卵子へ移植する→卵子のmtDNAは大量で、体細胞のmtDNAは少ないので、クローンのmtDNAは圧倒的に卵子mtDNAが多くなるから。結果として、クローンといえどmtDNAは違う個体。

説明補足;

精子のミトコンドリアと体細胞のミトコンドリアの違いにより、卵子内での分解のされ方が違います。ですので、精子mtDNAが伝達しないけど、体細胞mtDNAが伝達しうる違いがあります。

精子ミトコンドリア:精子運動の活力の源であり、卵子に到達する頃には消耗しきっている。精子の頚部に巻きついており、卵子ミトコンドリアとはまったく異なる形態。mtDNAコピー数は百未満。受精後ただちに分解される。

体細胞のミトコンドリア:やや消耗。核移植前に血清飢餓培養(細胞周期をストップするため)すると、かなり消耗は進む。mtDNAコピー数は数千。

卵子のミトコンドリア:卵子の成熟時に大量に増える(mtDNAコピー数も)。増えた状態で精子を待つ。疲弊したミトコンドリアは卵細胞質内のお掃除部隊によって分解される。

mtDNA変異による異常:ヒトでは変異mtDNAが細胞内に蓄積することで、エネルギー生産に支障をきたすことで起こる病気があり、母系遺伝する。しかし家畜ではこのような変異mtDNAは淘汰されているハズ。mtDNAの違いがクローン家畜の健康に与える影響は一般にないとされる。

以上につきまして、ご検討どうぞよろしくお願いいたします。

(以下、書名)

 

うるの送信メール/その17

うるのです。

「さすが!」のご指摘です、ありがとうございました!!
ご指摘の箇所はどれも、ボクがぼんやりと「なんとなく違うな~」と思っていた部分でした。おかげで、しっくりくるモノに直せたと感じています。

今回のご指摘に基づいて「17」「18」「20」「25」の4ページを改定しました。
(オンライン校正は最新のモノに更新済み)

2話6~7ページのセリフ、2話9ページの「まとめ」をご指摘に基づいて変更し、さらに2話6ページと、3話4ページのコラム部分も、○○先生の「説明補足」を元に、作り足してみました。
おかげで完成・・・というわけではありませんが、少なくとも全ページがちゃんと埋まった状態にはなっています。校正して最終調整に入るにしても、こうやって全部が固まっているほうが、ずっとやりやすくなります。
本当に助かりました。ありがとうございます。

お打ち合わせの日程が決まりましたら、ご連絡ださい。
こちらは、いつでも大丈夫ですから。
(たまに他の打ち合わせが入ることはありますが、ほとんどの日は事務所で制作しているだけで、今のところは別件の日程も決まってまいせんので、ご希望の日時に合わせられます)

(以下、書名)

 

「うるの送信メール/その17」補足解説

 いやぁ、本当にありがたいよ。

 最後に出てきた、というよりも最後が近付かないと出て来ないモノってのがあってね、でもソレがあるかどうかで作品全体がガラっと変わる。
 引き締まってくるんだ。

 ボクはそれを『カソクキッズ』の連載で、何度も経験した。
 締切直前のわずか30分。
 そんなトコで入ってきたホンのひと言が「うわぁああ、そのコトバが欲しかったぁあああ!!」だったりしたモンだ。

 むろん、そんなタイミングで大きな修正なんかできるわけがないんだけど、ホンのちょっとした部分の言い回しとかね、それだけで印象が大きく変わることってあるんだよ。

 だから校正の戻りって、ドキドキだけどワクワクでもあるのよ。

 

お客様からのメール/その18

うるの先生

たびたび失礼いたします。
その他の部分で気がついたところを添付いたします。
先にお送りした文や図についても、うるの先生のお考えに従って適宜ご修正ください。どうぞ宜しくお願いいたします。

P25でミトコンドリアイブの話の後に、参考資料で、例えばミトコンドリアの遺伝の話「集団で遺伝する」という話から、P20の図(クローン産子のその産子のmtDNA)にもっていく、というのもありか?と思いました。

(以下、書名)

 

「お客様からのメール/その18」補足解説

 こうやって次々と修正は出るものの、ボクの意見も尊重してもらえる。
 だから頑張れる。そういうもんなんだよね。

 カネのためだけだったら、こんな仕事は続けられないよ。
 理解しあってるという気持ちがなければ、創作業なんかできないと思うんだ。

 

うるの送信メール/その18

うるのです。

資料、校正をお送りいただき、ありがとうございました。
校正でご指摘いただいた箇所は、すでに修正を済ませました。

■○○編マンガ(全3話)
(URL)

後は、一度お打ち合わせして、お互いの考えを確認した上で・・・がよろしいのではないかと思います。
現状のままの、メールでの校正だけでも仕上げられるとは思いますが、フィニッシュを迎える前に、もう一度だけ、漫画の内容そのものだけではなく、漫画で伝える意義なども含めて、語り合っておくべきだと思うのです。

<付記>
ボクはKEKで『カソクキッズ』という物理漫画を8年近く連載させていただいていて、他にも科学研究を一般の方に伝えるための漫画などをいくつか担当させていただいてきました。
そうした作品を手掛けてきて、一番気にしていることが「読者が受け止めてくれる範囲」なんです。どんな分野にせよ専門分野というのはそれぞれに深いもので、その深さこそが研究者にとっては魅力的な部分だと思うのですが、一般の人は、その深さに耐えられないことが多いんです。

私たちは毎日、科学の恩恵を受けて生活しています。
美味しいゴハンを食べられるのも、電気が点くのも、トイレの汚れを落とせるのも科学のおかげです。
でも、科学知識そのものには、あまり向きあっていません。テレビが観たいだけで、テレビが映る理屈にまでは興味はない。それを知っていても、ドラマの内容が変わるわけじゃないですから。
だから研究者から見たら、まだイントロすら話してないくらいの段階でも「そこまで聞いてない」と感じて敬遠してしまいがちです。研究者がちゃんと伝えようと真摯に向きあえば向きあうほど、読者は引いてしまうという、皮肉な部分が必ずあるのです。

そういう人たちに振り向いてもらうには工夫が必要で、漫画もそのためのものです。
漫画にすること自体は工夫ではありません。どういう漫画にするか、どこまで語るか、どうやって「そこまで聞いてない」と感じさせずに最後まで読ませるか、それが工夫なんです。

多くの場合、ボクは、科学紹介漫画を手掛けるときは、読者に深さを感じさせないように引き込んで、そのまま笑って楽しんでもらって、気付いたら、いつの間にか深いところに達していた、というように仕向けるようにしています。
相手の理解力を考慮しすぎて、浅いところで済ませてしまうのもマズイんです。それはそれで物足りない。何かを学んだ、知ったという満足感が足りないと、子供扱いされていると感じて、やっぱり引いてしまう。
だから慎重に誘って、最後には「おおっ、こんな深いネタまで!」と感じるところに連れていってあげなきゃなりません。

今回の漫画でも、ボクは「mtDNA」だった部分を、いちいち「ミトコンドリアDNA」と言い換えたりしています。
「mtDNA」という言い方だと、専門的すぎてソコで気持ちが萎えてしまう気がしました。科学っぽい=難しいと感じて、読む前にあきらめてしまう危険を感じたのです。
一方で、後半になってくると、徐々に「mtDNA」という文字が出てくるようにしています。
これは広告用語で言う「シズル感」というヤツです。
序盤で「ミトコンドリアDNA」を繰り返し見てきて、慣れてきた頃を見計らって「mtDNA」と言い換える。そうすることで、科学っぽい言葉を知った、教養を得たと感じさせる。ある種の達成感を感じてもらうわけです。
最初から「mtDNA」と書いていたら、たぶん読まないと思うんです。
でも、最後には「mtDNA」を自然と読んでいる。読んでる自分に、どこかで気付く。アハ体験ってヤツです。
それが、その人と科学を近づけていくのだと思っています。

漫画で科学を伝えるというのは、つまりオブラートに包まないと科学を食べられない人たち向けということだと思います。
研究機関の一般公開や科学イベントにも来ないような人たちですね。
ターゲットの全てがそういう人たちというわけではありませんが、そうした「食わず嫌いな人たち」を意識しないと漫画で紹介する意義は薄れてしまうと思っています。
科学に強い関心があるなら、漫画にしなくても興味を持ってくれるのですから。
食わず嫌いな子に食べさせるには、まず慣らすことです。
理解した、覚えたというよりも、まず慣れる。慣れて、科学的なことへの警戒心を解かせる。楽しいものだと思ってもらう。それが大事なんです。そこさえしっかり押さえておければ、科学漫画は成功だと思っています。
100の情報を与えても全部忘れてしまうようでは意味がないです。
教えてはいても、学んではいない。指導する側の自己満足で終わってしまう。それでは科学の裾野はちっとも広がりません。

100を与える場合でも、その中の90は潜ませる。10だけ気付かせて、後で読み返したら、最初には気付かなかった90のいくつかを見つける。
それを繰り返すうちに、いつか100に届く。
漫画の中に100がなくてもいいんです。漫画を読んだことがきっかけとなって、別なところで気付いてもいいんだと思います。
本当に学ぶのは、解説書、専門書、教科書でいいと思います。
それらに触れたときに、興味を持てる状態にしておくこと。
そういう種を植えてあげること。
そこが漫画の役目だろうとボクは思っていますし、そういう使命感や志もないと、空虚な作品になってしまうとも思うのです。
ただの作業ではなく、ちゃんと社会に貢献したいと思うのです。

(以下、書名)

 

「うるの送信メール/その18」補足解説

 このメールは、以前にも書いたモノの別バージョンだね。

 同じことを繰り返しているんじゃなくて、今回の関係者には伝わってなかったか、あるいはピンと来ていなかったりする可能性を感じたから、改めて書いたんだ。

 前年からお付き合いしているメインの担当者さんには言うまでもないことなんだけど、今回の作品だけに関係している他の研究者とは十分な時間を過ごせてなかったから、こうやって語りかけているの。

 それに、ちょっと前のメールから、ボクは何度も「会って打ち合わせしましょう」と提案している。
 先方も会う気が無いわけじゃなくて、単に忙しくて時間が取れないだけなんだけど、それでもね、お互いの「気持ち」を確認できてないまま、作業だけがどんどん進んでしまうってのはコワイんだ。進められちゃうからこそコワイ。

 なので、このまま会えないのはマズイと思ってんだよ、作業できるからオッケーじゃないんだよと感じてもらうためにも、そこそこのメールを書いたの。

 

お客様からのメール/その19

うるの先生

ご修正ありがとうございました。
P17の記述について、事実と異なる記載があるので直した方がいいと思うのですが、、、

一般的な受精では、父mtDNAは残りませんが、体細胞クローンでは、微量な体細胞mtDNAが残っている場合が多いです。
(ほとんどの場合、0.1~1%の間で残っている。)

打ち合わせにつきましては9日か10日の午前中はいかがでしょうか。

それと下記についてはいかがでしたでしょうか?
(以前のメールの引用)

(以下、書名)

 

「お客様からのメール/その19」補足解説

 やっと打ち合わせの日程が出てきたぞ!
 よかった~~~。

 修正のほうはね、はいはい、やっときますって感じなのよ。
 そんなコトはどうにでもなるの。

 会うんだ、会ってお互いの顔を見る。笑いあう。
 そういう時間が必要なんだ。

 

うるの送信メール/その19

うるのです。

すいません、添付いただいたPDFとスライドだけ見て、11/2にお送りいただいたメール内に記載されていたモノを見落としたままになっていましたね。失礼しました。早速、対応するようにします。

なお、打ちあわせについて「9日か10日の午前中」とのご希望で、○○様からお電話いただいた際に「どちらの日でも構いませんので、確定したらご連絡ください」と
お話ししていたのですが、どうなりましたでしょうか?

9日は月曜日なので、もし9日午前中ご希望であれば、明日8日の夜までにメールでお知らせください。(日曜は休みなので電話だと留守になってしまいます)

(予定は空けてありますが、普段の出社時間が10:00なので、当日朝だと、午前中には間に合わなくなる危険があります)

(以下、書名)

 

お客様からのメール/その20

うるの先生

御連絡ありがとうございました。
土日自宅からのメールアクセスシステムが不調でアクセスできず、土曜日研究室の同僚が救急車で運ばれたこともあり、今朝はお返事遅くなり申し訳ありません。
明日の午前中10時半くらいから、研究室もしくはセミナー室でいかがでしょうか。

(以下、書名)

 

うるの送信メール/その20

うるのです。

色々大変だったんですね、同僚の方が大事ないことを祈ります。
お打ち合わせ日程も了解致しました。

明日、11月10日の10:30から、研究室もしくはセミナー室、ですね。
どちらのお部屋に伺えばよいか、後でお知らせください。
(明日のお時間までにわからなかったときは、両方を訪ねてみるようにします)

では、明日お伺いさせていただきます。
どうぞよろしくお願い致します。

(以下、書名)

 

「うるの送信メール/その20」補足解説

 うわ、メールシステムが不調だとか同僚が救急車搬送されたとか、なんかスゴイことになってた!
 でも、とにかく会って話し合いの時間が取れることが確定したから、よかったよ(笑)。

 

(「依頼者との交流編12」へ→)

 


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