依頼者との交流編05(メール商談ライブ)

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お客様からのメール/その5

うるの様

お世話になります。
丁寧なメールをいただき、ありがとうごさいます。
趣旨、了解いたしました。
では、12日の打合せの際、見積書を持ってきてもらえないでしょうか。
それをもとに、事務方とも打合せをしたいと思います。
ご多忙の中、勝手を申し上げ、恐縮ですが、よろしくお願いします。

(以下、書名)

 

お客様からのメール/その6

うるの様

先ほどの打合せ、お疲れさまでした。
打ち合わせに基づき修正した仕様書をお送りします。
ご確認いただければ幸いです。
よろしくお願いします。

(以下、書名)

 

「お客様からのメール/その6」補足解説

 こうして改めて、経理部門の人などにも立ち会ってもらって精査していただき、お金の問題もクリアになって、お互いに納得して、実際の制作へと進んでいくことになった。

 ちなみに、この件の場合は何ページと指定されているわけじゃなく、予算をどう使うかも含めてボクに委ねられているわけで、そうなると実際のネームを切ってみないと本当のページ数が弾き出せないということになる。

 けどネームを切ってしまえば、すでに仕事を始めちゃっているわけで、それがひっくり返されちゃうと困る。
 多少のことなら構わないけど、根本から崩れちゃったりすると採算が合わなすぎる。

 かといって、テキトーなページ数で見積りを確定させてしまうと、実際の完成品と見積りが合わなくなるといった問題が起こる。
 当事者同士では「気持ちの問題」として処理できても、こうした書類や納品物は第三者によって精査されるので、そこでツジツマが合わないというのはマズイのだ。

 なので、ネームはともかく、ざっくりとしたシナリオ案、構成案の青写真は、この段階で出来ていることが多い。
 企画を固めていく、予算の使い方を決めていくというのは、作品内容をどうまとめるかと一緒に考えるんだ。

 この作品の場合は、最終的には「8ページ程度のエピソード×3話」という構成とイメージしていたので、預かった資料などを入念に調べて、そのボリュームで処理できそうだと判断した上で最終見積りを出している。

 

うるの送信メール/その6

うるのです。

ちょっとご無沙汰してしまいましたが、今回の○○版コミックのネーム(内容がわかるラフスケッチ)を作ってみました。
全3話構成で各8ページ(3話だけ7ページ)を想定していますが、その中の1~2話までのネームができています。

この段階で一度見ていただき、ご意見を伺い、その上で最後の3話目を進めたいと考えております。
また、ここまでの内容にOKが出れば、実際の制作も進めていきます。
(セリフなどに多少の変更があるとしても、全体的なストーリーや絵そのものに問題がなさそうなら、作画は進めていけますし)

以下URLで1~2話までのネーム(3話のタイトル画面も)が読めますので、どうぞご確認ください。

_____________________
■○○版コミック(URL)
_____________________
画面下に「進む」「戻る」のリンクがあります。また「進む」だけなら、マンガ画像をクリックしても次のページへ進めます。

※現状でできているのは、2話のラストまでです。

※今回は、以前のモノと違ってマンガの後に続く資料部分がないため、一部資料をマンガエピソード中に盛り込むようにしています。具体例の写真や解説図版などがないと説得力にも臨場感にも欠けると思いますので。

※今回はマンガの要所要所に「コラム」を盛り込んでいます。
これはKEKの連載「カソクキッズ」でも毎回やっていることで、マンガで感覚的に理解したことを、コラムで「おさらい」させたり、マンガだけでは説明不足になること、付帯情報などをフォローする役割があります。KEKで6年以上連載し、読者の反応を確認してきたことで、この方式には一定の効果があると思われるので、今回も組み込むようにしました(以前のガイドコミックでは、エピソードごとの元々のページが短いし、別途資料部分があるため、コラムは組み込んでいません)

※相変わらずマンガには、色々な「ギャグ」を盛り込んでいますが、こうした部分がとても重要なので、どうぞご理解を。
インターネットのマンガや無料の配布物の場合、読者には「そのマンガを読みたい」という意思が希薄なものです。
学校の勉強でも、生徒は「今は国語を学びたい」と思って授業を受けているのではなく、その時間が国語の時間だからやっているだけですよね。自分の意思で選んだわけじゃない。
だから、これから語る話題に興味を持てるように、肩をほぐしてやる必要があるわけです。楽しいんだよ、と。
その上で「専門的だけれど専門的すぎない距離感」で語っていく必要があります。あまり詳しすぎても「そこまで聞きたくない」と客が逃げちゃって、伝わるはずのことまで伝わらなくなりますから。

だから「コラム」を組み込んで「詳しい部分」を補填するわけです。KEKのカソクキッズでもそうですが、読者の多くは、最初はマンガ部分だけを読んで、コラムは読み飛ばします。
そうして最後までマンガだけを楽しんだ後に、もう一度最初から読み返し、今度はコラムも読むのです。つまり、少なくとも2回読んでもらえる可能性が高くなり、その分だけ理解も興味も深まるんです。
これはKEKの「出前授業」で全国各地の小中学校に赴いた研究者が、各地で出会う子供たちと話して、みんなそういう読み方をしていると確認したことですが、普通のマンガでも、解説シーンは大抵、そういう感じで読まれているものなのです。
いきなり面倒くさい解説まで読むような読者は、ほとんどいません。楽しむために読んでいるのだから、オベンキョーはしたくないわけです。でも一度読めば、解説も読めばもっと楽しめることに気付いて、それで読み返す。
漫画家として、そういう読者の動きは研究しているので、これは「狙ってそうなるように仕掛けている」のですが、カソクキッズでは、その狙い通りの反応が出ていることが確認できたので、今回も同様の方法を使っているわけです。

以上、どうぞよろしくお願いいたします。

(以下、書名)

 

「うるの送信メール/その6」補足解説

 ようやくネームを出す段階に至った。

 この段階では2話までで、最後の3話目は「すでに初稿は出来ているけれど、まだ自分では納得できていない(もうちょっと考えたい)」の段階だったので、それは見せていない。

 それに専門の研究所の専門的な題材を扱うわけだから、ボクの付け焼き刃でOKかどうかを確認してもらわないとマズイ。
 解釈や理解が間違っていたら、大きく変わってしまうかもしれないんだから。

 で、案の定、ボクが勘違いしてた部分がいくつかあった。
 AとBを混同してたり、Cを誤解してたりといったコトが。

 なので、そうした点について勉強し直し、研究者からもレクチャーを受け直して、その上で改訂案を出し、そのときに最後の3話目のネームも出したんだ。
 理解が深まったおかげで最終的な落とし所も明確になってきたから、エンディングもまとめられたんだよね。

 なお、それでも付け焼き刃は付け焼き刃に過ぎないし、漫画の劇中でクドクドと解説していると勢いも削がれてしまう。

 そこで重宝するのがコラム

 あとで直しが出そうな部分や、解釈にいまいち自信が持てない部分はコラムのほうに収録して、漫画本編に影響しないように描いているんだ。
 本編ではネタとしてイジって楽しませて、本当に詳しいことはコラムの文章に書いてある、という方法。

 コラムだって漫画の一部(解説ナレーションのようなモンだ)だからボクが書くのだけど、漫画本編に比べると修正が出ても対応はラクなんだ。文章だけだからね。

 自分の作品だけど、自分だけで抱え込まない。
 依頼者も巻き込む。共犯になってもらう。

 そういうふうに構成しているから、門外漢なボクでも、そこそこの科学漫画を描けちゃうわけ。

 

※補足
 念のために断っておくけど、コラムで説明するからって、本編ではちゃんと解説しなくていいや、ということじゃないよ。

 ボクは本編は、漫画として楽しめるかどうかをメインに構成している。
 解説漫画、学習漫画とはいえ、解説にとらわれて漫画の部分を犠牲にしていいってもんじゃない。解説しなきゃならないけど、漫画としての楽しさは失いたくない。それを失ったら、漫画にする意味がないんだから。

 なので、本編でも解説はするんだけど、漫画のテンポや読者の気持ちを大事にして、あまりクドくならないようにまとめることが多いんだ。
 面倒臭いと感じさせない範囲に抑えておいて、それでは説明不足になったり詳しい理屈が理解しにくいときに、そこをコラムで補填するって感じにしているんだ。

 だから、コラムを丸ごと読み飛ばされても大丈夫。

 ていうか、読み飛ばされる前提でやっている。最初は漫画だけを読んで、もっと詳しく知りたくなった人は、もう一度、今度はコラム込みで読む。すると一度読んで最低限の知識は得ているから、今度はコラムも含めて読んだほうが楽しく感じる。
 そういう読み方をする人が多いだろうと想定して構成しているんだ。

 もちろん、詳しいことに興味持てなかった人は、漫画だけ読んで終わりでもいいし、逆に最初からコラムごと読んでくれてもいい。

 読者の「興味の距離感」に応じて、様々な読み方ができるようにしておく。
 それが、ボクのやり方なの。

 

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※このブログに掲載されているほとんどのことは電子書籍の拙著『広告まんが道の歩き方』シリーズにまとめてありますので、ご興味がありましたら是非お読みいただけたら嬉しいです。他にもヒーロー小説とか科学漫画とか色々ありますし(笑)。

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