カソクキッズ取材:J-PARC探訪

 こっちは茨城県東海村にある加速器施設「J-PARC(ジェイパーク/大強度陽子加速器施設)」を2014年3月に見学したときのもの。

 とはいえ、J-PARCはとても広いので、一度に全部を見るのは無理。
 なのでこのときは、岐阜県神岡の地下1000mにある施設「スーパーカミオカンデ」までニュートリノビームを送っている「ニュートリノ実験施設」と、中性子やミュオン(ミューオンともミュー粒子ともいう)を使って物質や生命の仕組みを調べている「物質・生命科学実験施設」の2箇所を見学した(その1年後、他の施設も見学したけど、それはまた別の物語ってことで)。

 とにかく、いつも通り、すごい施設をバカになりきって見学(ボクの脳内にはいつでもキッズたちが住み着いているので仕方ないのよ)したので、そのバカっぷりと共に当時の写真を公開しよう(笑)。

なお、ニュートリノ実験については「カソクキッズ15話:ニュートリノをご案内、あっちが神岡」の記事中で紹介しているし、J-PARCについても「カソクキッズ17話:こっちの世界に来てはいけないよ」などでも紹介しているので、そっちも参照して欲しい。

 

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ニュートリノ実験施設

ここがT2K実験の現場。巨大な穴の底にニュートリノ施設が見える。
そう、この茨城県東海村のJ-PARCから岐阜県神岡のスーパーカミオカンデまでニュートリノビームを打ち込んでいるのだ。

 

ここは発射したニュートリノを確認する前段検出器の部分で、残念ながらビーム生成してる部分は見られなかったのだけど、陽子が崩壊してミュオンやニュートリノになるエリアは「ディケイボリューム(崩壊領域)」と呼ばれていて「電磁ホーン」があったりする。
もうネーミングだけでワクワクしちゃうよね!

 

巨大な井戸のフチ。ど~考えても秘密兵器が出てくるとしか思えん。

 

こういう天井とかもシズル感だよね~~。

 

この巨大井戸は実験中はふさいでしまうので、このときしか見れない。
せっかくなのでエレベーターで地下に降りてみることに。

 

ここでつくられているのはミュー・ニュートリノ。それが神岡まで、ミュー→電子→タウと3つのニュートリノに変化し続けながら飛んでいく。いや本当は神岡も突き抜けて、どこまでも飛んでいく。
このニュートリノが変身することをニュートリノ振動といい、それを証明したから2015年にノーベル賞を受賞したわけ。

 

施設の地下に降りてみる。なんか禍々しい感じすら……(いやまぁ、ボクがそういうふうに撮っているせいなんだけどさ)。

 

なんつ~か、ミニ四駆のコースみたいなモンが天井を這い回っていて……。ケーブルを通してるんですけどね。
他にも、何に使うのかさっぱりわからん機械がいっぱい。下手にそのへん覗いたら、絶対に「見たなぁ~~」って改造人間が出てくるのは確実。

 

ここ、地下4階くらいの深さなんだけど、壁がね、地下水とか染み出してコケとか生えてるのよ。そういう内壁の地下で実験やってるのって、まさショッカーじゃん。
なお「もうちょっとちゃんとしたら?」と聞いたら「そんなもんに使う予算があったら実験に注ぎ込みます」と。
なんというニュートリノバカ!あっぱれだ!!(もちろん褒めてるんだよ)

 

ううっ、いちいちソレっぽい。ここで仮面ライダーの……いや、イバライガーのロケやりたいっ!(ものすごく高価な機械がいっぱいだから、ここでアクションなんか絶対無理だと思うけどさ……)

 

帰るときにも、上から撮影。やっぱりウルトラホークがせり上がってきそう。ていうか絶対そう。ここでワンダバが流れたら、超アツくなるのは間違いない。

 

物質・生命科学実験施設(中性子編)

ここからは「物質・生命科学実験施設(中性子&ミュオン施設)」。
物質の構造等などを調べているのだが……すごく広くてカラフルで、今度は正義の基地っぽい!

 

左端に写っている青い半円状のとこに「標的(タングステン)」があり、そこに陽子ビームが直撃すると中性子が生まれる。
生まれた中性子は放射状に飛んでいくので、その放射に沿って様々なビームライン(研究ブロック)が並んでいるのだ。

 

こういうトコでも天井を撮っておく。色んな漫画の背景に使えそうだよねぇ。

 

もう完全にワンダバ。いやガンダムでもいい。
あまりにもカッコイイので漫画本編でも使わせてもらった。漫画の背景用に写真加工するときのワクワク気分はたまんなかったよ。

 

この風景の向こうにモビルスーツがあっても、何のフシギもないって感じ。

 

ちょっとしたスキマもシズル感いっぱい。
え? 科学見学してるのかSF素材写真撮りに来てるのかわからないって?
もちろん後者に決まっとる! こんなモン見てSFマインドが滾らないわけがないじゃないか。仕事なんか知るか。もう誰にも止められんぞ。

 

中性子は、遅いヤツだと人が歩くくらいの速度で飛んでいくそうで、研究者は、その「遅さ」にこだわる。調べる物質や調べたいコトによって必要な遅さが違うんだって。

 

放射状に広がる中性子たちを待ち受ける研究ステーションたち。コンテナごとに別々の研究機関がやっているのだ。
(茨城県のマークの研究コンテナもあった)

 

なんていうか、こういうのがあちこちにある。なんだか知らないけど雰囲気がいいので……

 

こういうの見てると、上のデッキの上をアムロが歩いてて、下のほうでジョブジョンが何か作業してて……みたいなシーンを思い浮かべてしまう。

 

ハックルベリーの小屋かと思うようなトコにプレハブのコントロールルームが。
実はKEKでもJ-PARCでも、アニメや漫画に出てくるようなカッコいいコントロール室って、まずなくて、どこに行ってもプレハブ小屋なんだよ。設備はすごいけど研究者はプレハブにいるの。

 

もうコレ、宇宙船ドックってコトでいいんじゃないの?奥の壁消しちゃって宇宙を合成すれば、ソレにしか見えないじゃん。

 

どこを見ても非日常なんだけど、ここで働いている人たちにとっては、これが日常の風景なんだよなぁ……。

 

ほらほら、この脇にXウイングが止まってたんだよ、って言っても信じてもらえそうな雰囲気。

 

広いけどギュウギュウに設備が詰まってるから、歩くと狭いトコを何度も通る。上り下りも多い。その度に「ソレっぽい風景」に出くわす。

 

フォトンファクトリーもそうだったけど、ここでもあっちこっちに恐ろしいほどのコードが這い回っていて、まるで怪物の触手みたい。クトゥルーっていうか呪怨っていうか。こっちくんな。

 

なんかギャラクティカの先端みたいな形のヤツがあった。

 

こういう隙間からの構図って好き。実相寺さんのせいだな。

 

施設がデカイ上に、漫画でキャラの背景に使おうとか思ってるせいで、どうしても見上げるアングルが多くなる。

 

こういうトコ撮ってると、なんでそんなトコ撮ってんの?と聞かれる。実験施設と関係ないから。でもねぇ、コレ!コレを撮らずにいられようか!

 

ほらほら、この奥行きの感じ!いいじゃん、こういうのいいじゃん!

 

ガンキャノンではなく、中性子のビームパイプである。この先に鉛で覆われた「中性子の墓場」があり、最後はそこに……

 

物質・生命科学実験施設(ミュオン編)

このへんからミュオンの実験施設。同じ建物の中の似たような風景だけど、半円の反対側なんだ。

 

ミュオンの検出器。こういう形を見るだけでワクワク。
ちなみにミュオンはミューオンともミュー粒子とも呼ぶ。研究者によって呼び方が違い、ここではミューオン派が多い印象。ボクはミュオンが好きなので、この記事ではミュオンに統一させてもらっている。ミュオンの恐怖。

 

基本的な風景は中性子のトコと同じ。ちなみに、この施設が稼働したのは2009年だそうで、カソクキッズ連載スタートのほうがほんのちょっと早いのだ。カソクキッズだってKEKの公式な事業なんだから研究と同じなのだ。
というわけで、うわぁあい、J-PARCに勝ったぞぉお!!(何が?)

 

「帰ってきたウルトラマン」にオクスターっていう怪獣が出てくるの。この風景を見たときに、突然思い出したの。なんとなくオクスターっぽくない? メカ・オクスター。

 

ここもプレハブ小屋のコントロール室だらけ。やっぱり予算は実験に注ぎ込んじゃうらしく、アメニティなんぞに予算は割けないらしい。

 

遠景で全体を眺める。やっぱウルトラ警備隊だな。カラフルだからZAT基地かも。

 

縮尺を無視して想像すると、写真中央やや左下の、緑色の実験ステーションが銀河英雄伝説(最初のアニメ版)の「ヒューベリオン」に見えてきた。だって似てるでしょ?

 

ほらほら、ヒューベリオンのアップ。奥に赤いのも見えるが、もしやバルバロッサ?だとすると、その2艦が並ぶ可能性があるのってイゼルローンでの捕虜交換のときくらいのハズだから、ここはイゼルローン!?
提督!ヤン提督はどこにおられますかっ!ボクもイレギュラーズに入れてくださいっ!

 

ここからヤン艦隊が出撃していくのだ。そのへんでポプランが女性士官を口説いていそうだよね~~

 

研究者の方々は、みんな一所懸命、生き生きとお仕事されていた。ここで「歓送の歌」なんか流れたら泣いちゃうな。確実に泣く。

 

さらばイゼルローン!お前は本当に虚空の女王だ!!(もう、中性子もミュオンも忘れている)

 

 ……というわけでイゼルローン……じゃなかった「物質・生命科学実験施設」を後にしたのだった。

 J-PARCに入ったのは午前11時頃だったと思うんだけど、出てきたときには夕方18時過ぎ。
 ちょうど帰宅ラッシュの時間で、この時間のJ-PARCはものすごく混む。出口のゲートに並ぶだけで1時間くらい待たされるらしい。
 なので、しばらくは施設の方々と歓談したりして20時近くになるまで待った。カソクキッズ作者来訪ってことでサインを求められたりもしたんだけど、アレはボクに気を使ってくれたんじゃないかなぁ。だってさ、ここで働いてる人たちのほうがずっとスゴいもん。こっちがサインもらいたいくらいだもん。

 とにかく、こういう研究施設訪問はとても楽しい。妄想しながらだと、もっと楽しい。
 J-PARCもKEKも、毎年一般公開している(J-PARCは公開しない年もあるようだけど)ので、チャンスがあったら是非、自分の目で見てほしい。

 科学の勉強なんかじゃなくて、とにかく楽しむためにね(笑)。

 


※カソクキッズ本編は「KEK:カソクキッズ特設サイト」でフツーにお読みいただけます!
でも電子書籍版の単行本は絵の修正もちょっとしてるし、たくさんのおまけマンガやイラスト、各章ごとの描き下ろしエピローグ、特別コラムなどを山盛りにした「完全版」になってるので、できればソッチをお読みいただけると幸いです……(笑)

 


※このブログに掲載されているほとんどのことは電子書籍の拙著『カソクキッズ』シリーズにまとめてありますので、ご興味がありましたら是非お読みいただけたら嬉しいです。KEKのサイトでも無料で読めますが、電子書籍版にはオマケ漫画、追加コラム、イラスト、さらに本編作画も一部バージョンアップさせた「完全版」になっているのでオススメですよ~~(笑)。

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