カソクキッズ取材:フォトンファクトリー探訪

 2014年2月、カソクキッズ執筆のためにKEKのフォトンファクトリー(略称PF)を見学したときの写真たちが出てきたので、ここで公開してみる。
 シズル感バリバリの写真が多いし、一般公開でも立ち入れない場所の写真もいっぱい(役得!)なので、こういう施設好きの人、科学好きな人なら楽しんでもらえると思うよ〜〜(笑)

なお、フォトンファクトリーについては「カソクキッズ16話:刻々と2マイクロ秒」の記事中でも紹介しているので、そっちも参照して欲しい。

 

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フォトンファクトリー/実験エリア

このフォトンファクトリーという施設では、荷電粒子を磁場で曲げたときに出る放射光という光を使って、ミクロな物質の分析や解析をしている。
すんげぇハイテク設備だけどKEKの中では最古の施設に近いのだ。

 

中はこんな感じ。この場所は毎年9月の一般公開でも通れたようなきがするけど、どっちにしても、この風景だけでかなりワクテカ。
日常では、こういう風景にはなかなかお目にかかれないからね〜〜。

 

これはクライストロン。これで電磁波(マイクロ波)をつくって加速器に送り、そのエネルギーでビームを加速しているのだ。

 

この曲ったパイプがダイナミックでかっこいいよなぁ。
「はやぶさ」が持ち帰ったイトカワの微粒子も、このフォトンファクトリーで調べられたらしい。ワクチンなんかも今では分子レベルで解析してつくっているそうで、製薬メーカーなどとのコラボ研究もけっこう多いそうだ。

 

こういうカットを見ていると、研究所というよりも正に「工場」といった感じ。とにかくパイプだらけで、裏に回るとたくさんのコードが「呪怨」みたいにあちこちに這いずっているんだ。薄暗いし、ちょっと怖い。裸の男の子がしゃがんでたら一目散に逃げる(こんなハイテク施設でも、そういう想像しちゃうんだよなぁ……)。

 

ここでも天井撮影。この円形に曲がった感じがシズル感でしょ。機器の搬入・設置に使われるクレーンとかも。

 

手前の通路だけ残して奥の背景を消して、そこにガンダム(どっちかというとザクかな)を合成したりすると……。
いや、だって手前の通路、ジオンの士官が歩いて来そうじゃん。昔のガンプラのCMってこんな感じだったじゃん!

 

スターウォーズのジャングルの星ヤヴィンや氷の惑星ホスの反乱軍基地って、こんな感じだったよねぇ。
どっか奥の方でチューイがミレニアム・ファルコンをイジっていても、何の違和感もないよ。

 

ここがフォトンファクトリーの一番奥。いや、円形の施設だからどこが奥ってこともないと思うんだけど、とにかく、この先は外周に沿って作られた加速リングなのだ。
というわけで、さらに奥へ進む途中で振り返ってパチリ。

 

ものすごくブ厚いドア。ここは放射線施設だからね。入室するときは線量計を身に付け、ヘルメットも着用する。
ドアの奥にチラっと見えるのが加速器のビームライン。これから、あそこに行くのだ。

 

フォトンファクトリー/加速リング内

ここが加速リングの中。
左から生成されたビームが入ってきて、内部の円形加速器に合流する。
ここは「さよならジュピター」のロケに使われていて、この場所で三浦友和さんが喋ってたよね。木星軌道上に浮かんでいるって設定で。

 

 

6極電磁石。こういう電磁石がずらっと並んでいて、これでビームを絞ったり曲げたりするのだ。
オラ、こういうのを見るとSFワールド全開な感じでワクワクするのだ。

 

電子を曲げるとエネルギーの一部が放射光となって放出される。ずっと曲がっているのだから、つまりはあらゆるところから放射光が出ているわけだけど、研究者が欲しがる「ピンポイントの波長」を作りだすために、部分ごとに細かく磁石を調整しているのだそうだ。

 

入射器につながる部分。7mくらい上がってきて、12度の角度で加速リングに入っていくのだそう。
KEKのメイン加速器(KEKB)はできるだけビームを曲げずに、全エネルギーをピンポイントに叩き込みたいんだけど、この施設では放射光を使いたいので、生成したエネルギーの一部をこっちに回して、わざと曲げているのだ。

 

この角張ったパイプ的なモノでマイクロ波を送り込んでいる(ハズ)。
放射光といっても光には波長があって、研究者ごとに欲しい波長が違うので、理想の波長が出る曲がり具合にするために、みんなこだわってカスタマイズしてるんだそうだ。研究者は放射光マニアなのだ。

 

緑色のは八極電磁石で「今は使っていないけれど、一時「陽電子」を加速したときに陽電子がボヤけたようになるのを抑えるために付けたのだ」と説明してくれた。
でも、ボクの後ろにいた同行してくれた博士が「ビグザムの色だ。ザクじゃない」と小声でつぶやいたせいで、そっちが気になって、気になって……。

 

電子の軌道を曲げて放射光をつくる、アンジュレーターっていう機械の部分アップ。未来の宇宙船ドックだとか言われても信じちゃいそうにカッコイイ。
この時、脳内には「♪アンジュにおまかせ〜、アンジュにおまかせ〜、アンジュにおまかせ〜」というメロディが流れていたけど濃すぎるネタで漫画に使えなくて本編では「安寿と厨子王」になった。

 

一周回って帰ってきた! 1時間くらいはいたはずなのに、あっという間な気分だった。
中で出会った人たちは、また加速リング内に戻っていった。別れるとき、なんとなく「ラピュタ」で洞穴の中にいたおじいさんを思い出した。

 

エンディング

帰りに通った通路。ここも「さよならジュピター」のロケが行われた場所。あの頃、すでにこの場所はあったんだよなぁ。ホーキング博士もここを見学したそうで、そのときに段差がないように工夫したと聞いた。
PFはKEKで一番古くから使われている施設の1つ。様々な改造を加えながら、今も第一線の放射光施設として活躍しているのだ。

 

 というわけで、とても楽しかったフォトンファクトリー見学。

 このときのことはKEKのWEBサイト上で無料公開されている『カソクキッズ/セカンドシーズン第16〜18話』にまとめている(見学レポートは18話)ので、興味が沸いたら読んでみてね〜〜(笑)

 


※カソクキッズ本編は「KEK:カソクキッズ特設サイト」でフツーにお読みいただけます!
でも電子書籍版の単行本は絵の修正もちょっとしてるし、たくさんのおまけマンガやイラスト、各章ごとの描き下ろしエピローグ、特別コラムなどを山盛りにした「完全版」になってるので、できればソッチをお読みいただけると幸いです……(笑)

 


※このブログに掲載されているほとんどのことは電子書籍の拙著『カソクキッズ』シリーズにまとめてありますので、ご興味がありましたら是非お読みいただけたら嬉しいです。KEKのサイトでも無料で読めますが、電子書籍版にはオマケ漫画、追加コラム、イラスト、さらに本編作画も一部バージョンアップさせた「完全版」になっているのでオススメですよ~~(笑)。

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