納品からお金を受け取るまでは、どんな感じ?

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納品ってどういう方法でやってるの?

 ボクの場合は、自分のオンライン・サーバーに納品データをアップロードし、そのURLをメールで伝えてダウンロードしてもらう、という方法が一番多い。

 ボク一応、WEB業者でもあるからね。
 そこそこ大容量の専用サーバーがあるのよ。

 今だと格安のクラウドサービスでもかなりの容量を使えるから、そういうのを利用してもいいんだけど、まぁ、無料のデータデリバリーサービス(宅ファイル便とか)を使うのが一番標準的だよね。他の人も大抵はそうしているし。

 あまりオススメできないのは、メール添付。

 たまに何十メガもあるデータを添付で送ってくる人がいるけど、あれ、割と迷惑なのよ。
 メールサーバーの容量を無駄に使っちゃうし、送受信のためにネットにも負荷をかけてることになるし。

 ネットって公共交通機関みたいなモンだから。
 いくら高速でサクサク使える時代になったからって、巨大な手荷物を持ち込むのって周囲に迷惑だよね。

 自分くらいいいだろと思っても、そういう人が大勢いたら大きな迷惑になるんだから、メールにファイルサイズの大きなデータを添付するのはマナー違反だと思うんだ。

 いずれにしても、ウチの場合は制作物は全部デジタルデータだから、ネット経由の納品が多いんだけど、オンライン以外の納品がないわけじゃない。

 プリントアウトして「原稿」を渡すといったことは全くやってないんだけど、納品データをCD-Rなどに焼いて郵送もしくは直接届けるってのはある。
 そういう「カタチ」がないと、納品と見なされないってコトもあるのよ。

 以前に刷り上がった漫画冊子2万冊を納品したとき、3つの場所に分納しなきゃいけなかったんだけど、分散しちゃうと2万冊だったことがわかりにくいから、2万冊丸ごとある状態を撮影しておいて、と言われたこともある。
 いや、そんなモン撮影してもあんまり意味がないような気がするんだけど、一応撮影して、その写真データも送ったよ。

 ちなみに、印刷物の納品まで自分で担当することは滅多にないのだけど、このときは2万部という数だったので、印刷屋さんも大変でしょ。
 だから手伝いに行ったの。

 そういうふうに気を遣っておくことも大事なのよ。

 他にもデータサイズが大きすぎて、ネットにアップしたりダウンしたりするよりゲンブツを郵送しちゃうほうがラクってこともあったな。
 どうせ納品書や請求書は郵送しなきゃならないんだから、データも一緒に送っちゃうのは、それほど面倒でもないんだ。

 なお、納品を知らせるメールは、あまりフザけないで書いたほうがいいようだ。

 ボクはお客と友だちみたいに付きあうことが多いから、メールでもくだけた文章を書いちゃうことが多いんだけど、普段はオッケーでも納品メールではマズイってことがあった。

 納品データと納品メールの両方を揃えて、さらに見積書、納品書、請求書もある状態で経理や総務に提出しないと、納品として受理されないなんていう仕組みの場合もあってね、そういうときにフザけたメールだとマズイんだって。
 上司に見せられない、みたいな。

 今どきは色々厳しいんだよな~~(笑)。

 

請求書はどのタイミングで出すの?

 普通は納品したら、いつ出してもいいはずだよ。

 ボクの場合だと納品はオンラインで請求書は郵送だから、先に請求書を発送しておいてから翌日オンラインで納品、ってコトもあるんだけど……大抵は出し忘れちゃって、月末にまとめて発送とか、下手すりゃ翌月になってからということも結構あるんだよなぁ。
 仕事はちゃんとやるんだけど、請求書発送とかの事務系はね……苦手で……ついつい後回しになっちゃうのよ。
 そんなんでも生きていられるのは、優しいクライアントさんたちのおかげだよ、ホント。

 でもまぁ、何にしても請求書を出さないと代金は支払われない。

 前にも書いたけど、今は先払いってのは滅多にない。10年くらい前までは先払いも認めてもらえることが結構あったんだけど、そういうのって不正に利用されがちなんだよね。実際には何もやってないのに先払いで代金だけ受け取っちゃうとかさ。
 払ったことにして担当者がフトコロに入れちゃうとか。

 実際そういう不祥事がアチコチで発覚して、それで厳しくなり、今では先払いは基本的にNGってコトになってる企業や組織が多いんだ。
 だから、アバウトにやってる中小企業さんなどなら今でも前金もあり得るだろうけど、大きな会社や組織では、まず考えられないんだよね。

 それと、請求書を送るときには、納品書も一緒に送るよ。
 まぁ納品書が不要な取引先も多いから、必要な相手のときだけだけど。

 ウチの場合、見積書、納品書、請求書は全部同じ書式。

「見積、納品、請求」の文字と発行日付が違うだけ。見積書は着手前の見積りした日になっていて、納品書は納品した日、請求書は請求日になってる。
 大抵は納品したら即請求するから、納品と請求は同じ日付だけど。

 とにかく、仕事に入る前に見積書、終わったら、完成したゲンブツと納品書と請求書。
 これらが、ちゃんと(しかも実際に紙で)揃ってないとダメというのが普通なんだ。

 請求書を送らないと、いつまで経ってもお金はもらえないんで、ボクみたいにうっかりしてちゃアカンよ。

 もっとも、ココだけのハナシ、全部を納品後にまとめて出しちゃってるコトモ珍しくないんだけどね。
 長くお付き合いしていて、お互いに信用できてるような相手の溶きには、事前に出すはずの見積書も、発行日付だけ着手前にして後出しさせてもらっている例もけっこうあるのよ。

 あくまでも、そういうのがアリなほどに仲のいい取引先だけだけど。
 しかも先方がソレを認めてくれてる場合だけ。
 いつでも、そういうグダグダでもアリってコトじゃないから、こういうのは見習っちゃアカンのだけど。

 なお、今までは実際の書類(紙)で郵送しなきゃダメな場合が多かったんだけど、最近はPDFなどでもOKな会社が増えてきている。
 紙が必要な場合でも、先にPDFで送っておくと、それを代用にして早く支払い手続きをしてもらえるといったケースもある。

 まぁ、これも月末ギリギリのときの裏技みたいなモンで、やっぱり長く付きあって信用を積み上げてないとダメだから、こうした書類関係はなるべくスピーディに処理することをオススメする。
 誰よりもボクに。

 いい加減、ちゃんとしろよ自分!

 

お金はいつ振り込んでもらえるの?

 一番多いのは月末締めの翌月末払いだから、請求書を発送した月の翌月末に代金が振り込まれるってコトだね。

 だから月末の、先方の最終営業日までに請求書が届いていれば、1ヶ月後には代金がもらえるけれど、もし請求書を出すのが1日ズレて翌月になっちゃうと、2ヶ月待たなきゃならなくなる場合もあるわけだ。

(これまたボクはそういうコトがしょっちゅうで、先方のお情けで前月末締に組み込んでもらえて……みたいな展開に日々救われている)

 ただし、この締め日や支払いまでのスパンというのは会社ごとに違うから、中には15日締めで翌月20日払いとか、月末締めなんだけど支払いは翌々月末とか、色々あるんだ。

 専用の伝票でないとダメな会社もあって、最初に見積書、仕事が終わったら納品書を送って、それが受理されると請求伝票が送り返されてきて、そこにサインして、また送り返して、それが次回の締め日に処理されて、その翌月末にようやく入金、というような例もある。
 こういう場合はやり取りが何度もあるから、そのどこかでうっかり滞ったりすると、それだけで入金が1~2ヶ月ズレることもあるんだ。

 そうでなくとも翌々月末払いの場合だと、納品&請求から代金が振り込まれるまで最短でも2ヶ月、最長だと3ヶ月以上待たされることもあるから、このへんは要注意だよね。

「もっと早く払ってもらえないの? こっちは個人なんだよ?」と言いたくなるかもしれないけど、そういう泣き言って、そうそう通らないのが現実だ。

 翌月末、あるいは翌々月末といった支払いスパンではやれないというのなら、受注できないというだけなのよ。条件の合わない業者には発注しない、というパターンのほうが多いから。

 先に触れたように、こういうルールは不正を防ぐ意味もあってのことだから、それを破ることはまずないんだ。

 だから、フリーランス専業で仕事を始めるには、少なくとも2~3ヶ月は無収入でも暮らせる状態でないとヤバイ。
 最初の2~3ヶ月を乗り切ってしまえば、後は継続的に仕事が入っているなら、毎月何らかの入金があるはずだけど、一番最初だけは入金まではゼロだからね。

 実際には、半年から8ヶ月くらいは無収入でも生き延びられる程度の蓄えがあったほうがいいと思うんだけど、そこまで貯金できる人は少ないだろうなぁ。ボクも、そんなコトは無理だった。
 だから最初は何かと兼業でスタートして、徐々に専業に切り替えていくというのが基本だろうと思う。

 お金って、予定通りには入ってこないんだよ。

 翌月、翌々月ってのは、あくまでもマトモに支払いしてくれたときの例だから。

 ヒドイ例だと、仕事自体をダラダラ引き伸ばされて、着手から納品まで半年(普通なら1ヶ月もかからない案件)もかかった揚げ句、支払いじゃなくて約束手形で半年待たされ……なんて経験もある。

 つまり仕事を引き受けてから入金まで1年以上かかってるのよ。
 冗談じゃねぇよなぁ。

 しかもソレすら最悪のケースじゃないの。

 最悪って言うのは、全く支払われないヤツだ。
 それも不当に払わないんじゃなくて、真っ当に払えない。
 倒産ってヤツだよ。

 ボクは倒産されて代金回収不能になったことが数回あるんだ。

 不当な扱いを受けたのなら、訴え出ることもできる。
 でも倒産の場合はねぇ。

 訴えたところで、相手に支払い能力がないんだから。

 一番痛かったのは、大口の倒産が2つ同時に重なったとき。
 合計数百万円。
 それが丸ごと回収不能になっちゃった。

 もちろん、払わなくていいってことじゃないよ。
 ボクだって債権者なんだから。

 ただねぇ、十数億円もの負債がある大型倒産だったから、債権者がワンサカいるわけよ。
 ン億円吹っ飛んでる人たちだって、そう簡単には取り返せないわけよ。
 そうなっちゃうとボクの順番なんか、そうそう回ってこないのよ。

 キチンと債権者説明会とかに出てギャアギャア言えば、ウチみたいな零細への対応を優先してもらえる例も多いらしいんだけど、こっちもねぇ、そんなコトに長々と関わってられないんだよ。
 どんだけ関わったら払ってもらえるかわからないんだから。

 払われるまで何ヶ月も何年もかかるかもしれないわけで、それだと、その前にコッチが倒れちゃう。
 だから目先の仕事を少しでもやっつけて何とかするしかなかったの。
 より確実性の高い方法を選ばざるを得ないのよねぇ。

 だから事実上、回収不能なわけ。

 いやぁ、あのときは詰んだかと思ったね。
 数百万円の赤字なんか、どうにもならんと思ったよ。

 でも、何とか生き延びた。
 不思議と生き延びられた。

 気持ちが折れてなかったからだろうなぁ。

 大金を失ったけれど、他の仕事は入っている。
 今さえ乗り切れば、まだまだやっていける。

 そう思えたから耐えられたんだよね。

 まぁ、支払いの話で支払わない例を書いても仕方ないので、ここまでにしておくけど、こういうこともあるんだから「お金は本当に受け取るまではゼロ」と心しておくほうがいいとは思うよ。

 明日入金予定でも、明日が来て、実際に振込みを確認するまではゼロなんだ。
 カネが入る予定だから使っちゃおう、などと思っちゃアカンよ。

 

再掲載とか増刷でもギャラもらえるの?

 著作権を放棄していなくて(そういう契約をしていない)、さらに特になんの取り決めもしていないのであれば、本来は再掲載や増刷のときにも「使用料」を請求できるはずだ。

 通常は制作時の2~3割ってトコかな。
 4~6割くらいもらえちゃうコトもあるけど、普通は2~3割がいいトコだね。

 再利用する度に額面が小さくなるとか、そういうケースもあるよ。

 出版社とか広告会社とか、そうした再掲載・再利用の経験がある企業の場合は、こうしたことをキチンと考えてくれることが多い。

 黙っていたら勝手に使われちゃったとか、そういうコトもあるんだけど、こっちが筋を通しておけば、向こうも筋を通してくれることが多いな。
 それなりの会社なら、こういう権利問題をアマく見ると痛い思いをすることもあると知ってるからね(それでもズルいことをするような輩には容赦する必要はないと思う)。

 ただ、一般的な企業が相手のときは、最初の契約次第だと思ったほうがいい。

 むろん、相手が誰だろうと法的なルールが変わるわけじゃないんだけど、そもそも一般企業はその手の知識を最初から持っていないから、勝手に再利用するのがいけないなどと思ってもいないことが多々あるんだ。

 つまり悪気はないの。知らなかっただけなの。
 知らなかったフリをするズルい例もあるだろうけど、大抵はそうじゃないの。

 じゃあ、指摘して教えてやれば代金もらえるよね、ということになるんだけど、現実的には厄介だなぁ。

 知らなかったということは、最初から再利用もできることまで想定して発注していたという可能性も小さくない。
 後からソレがダメだと知ったとすると、例え正当な要求だったとしても面白くないだろうと思うんだ。

 そうなら最初に言っといてよ、それを知ってたら発注しなかったのに。
 別なやり方を考えたのに。

 そういうふうに思う会社って、けっこう多いのよ。
 もちろん、それも先方の勉強不足であってコッチの権利はあるに決まってるんだけど、そういう例があまりにも多いんで、そこに文句言ってるとキリがないって部分はあるのよ。
 できるだけ事前に確認しておくようにはしてるけど、ぶっちゃけ再利用NGもしくは別途費用っていうことだと、最初から受注できないってことになる可能性のほうが高いのよね……。

 なのでボクだったら、指摘はするだろうけど代金は請求しないかな。
 よほど大きな額面の再利用のときは言うしかないだろうけど、大抵は言わない。

「ご存知なかったのでしょうし、ボクも最初にお話ししておくべきでした。ですので、今回の件に関してはご請求は致しません。そのまま、ご遠慮なくお使いください。ただし、次回以降、同様の再利用をご希望の場合はお知らせください。お話し合いの上で、お互いにとってよい提案をさせていただきます」

 こんな感じで連絡するだろうと思う。

 実際には、それも滅多にないんだけど。

 広告ってのは、大抵はそのときだけ、その依頼者だけのモノだから、再利用自体がそれほど多くはないというのもあるし、再利用料って、そんなに儲かるわけでもないからね。こっそり再利用してないかどうか、ずっと見張ったりするのも厄介。

 そんなコトに労力使うくらいだったら、気持ち良く再利用を許してあげちゃって、また別な仕事を発注してもらうほうが効率いいのよ。

 だから、最初の契約段階で再利用も認めるよと伝えちゃっているケースのほうが多いんだ。
 むろん、認めていいと思える案件のときだけだけどね。

 そういう条件にすることで、著作権を譲渡したり放棄したりしなくて済むようにしてるってトコもあるのよ。
 広告とはいえ、自分の作品だからね。

 そんなわけで、著作権が自分にあるのなら、再利用や増刷でもギャラを請求していいとは思うんだけど、そのへんは個々の判断によるって感じだと思うよ。

 なお、これは広告作品の場合だけの話だよ。

 オリジナルの漫画やイラストの場合は、例えソレが広告使用を前提に描かれたモノであったとしても、オリジナル作品には違いないんだから、再利用・再掲載のときにもキッチリ代金をもらうべきだ。
 生み出した作品に何度も働いてもらえるからこそ、質の高い作品が創れるっていうのもあるんだから。

 作業賃じゃなくて作品そのものの価値で稼ぐ。
 本当はそっちが正しいんだから。

 


※このブログに掲載されているほとんどのことは電子書籍の拙著『広告まんが道の歩き方』シリーズにまとめてありますので、ご興味がありましたら是非お読みいただけたら嬉しいです。他にもヒーロー小説とか科学漫画とか色々ありますし(笑)。

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