イバライガーに取り込んでる科学ネタ

2018年1月12日

 ボクは、とある研究機関で素粒子物理学などをテーマにした科学漫画を連載した経験を持っていて、ホンのちょっとだけ聞きかじった知識がある。

 漫画の打ち合わせのためとはいえ、あれは事実上の個人授業だった。

 毎月1回、本職の研究者に何人も集まってもらって、ボクに個人授業してくれるのだ。そこで学んだことをボクは漫画にしていく。
 実際にノーベル賞受賞者も在籍している研究機関だから、内容はまさに世界最先端。

 そういうことを8年間も経験した。

 だから、ホンのちょっとというのは申し訳ないような気になるが、ボクは一介の漫画家&広告・広報プロデューサーに過ぎないので、ホンのちょっとと言わざるを得ないの。
 実際、本当の研究者になれるほどには理解できてないと思うし。

 それでも、そうした経験ができたことは大きい。

 単に知識を得たという以上に、その後のボクの考え方、物事の捉え方にも様々な影響がある。
 科学知識を学んだというより、論理的な考え方、正しい科学知識へのアクセスの仕方を学んだというほうが大きかったと思う。

 で、当然ながら、そうした経験はイバライガーの物語にも取り込んでいる。

 そのいくつかを紹介しよう。
 一気に全部を語るのは無理なので、とりあえず今、思いつく分だけね。

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素粒子

 イバライガーのエネルギー源は、みんなの応援=感情エネルギーだ。

 でも、感情エネルギーってナニ?

 思考とか感情というのは脳の働きによるもので、それを伝達しているのは光子=光だ。
 つまりボクらが意思と思ってるものは、脳の電気信号に過ぎない。
 成長、経験、体の状態などによって脳のシナプスが発達し、独自の考え方、自分だと思っている思考が生まれる。
 それだけのことだ。

 脳というのは、ものすごくエネルギーを消費する機関だから、熱などは発散する。
 でも、感情エネルギーなんてものは出ていない。
 感情が他人を力づけることはあるけれど、それは動力などに使う物理的なエネルギーとは違う。

 でもイバライガーは、感情エネルギーで動いているのだ。
 これは基本設定なんだから変えられない。

 というわけで、何が何でも感情エネルギーが実在することにしなきゃならない。

 そこで色々考えた。

 小説では、感情エネルギーは「エモーション」という素粒子だと考えている。

 素粒子っていうのは「物質の最小単位」ってとこかな。
 例えば人間は細胞の集まりで、その細胞は分子の集まりで、分子は複数の原子がくっついたもので、原子は原子核と電子で出来ていて、原子核は陽子と中性子で出来ていて、その陽子や中性子はクォークという素粒子(6種類あるクォークの内のアップとダウンの2種類)で出来ている。

 素粒子にはクォーク以外にも色々あって、未発見の素粒子(理論上あるはずだけど確認できていない)も多い。

 ボクは、その未発見の素粒子の1つが感情エネルギーの正体ってことにしたんだ。

 実際には、そんな素粒子が存在する可能性はゼロなんだけど、ま、そこは目をつぶるしかない。
 こういうのは「ソレっぽくするためのシズル感」ってやつだから(笑)。

 ポジティブとネガティブ。
 プラスとマイナス。

 2つの未知の素粒子があって、それを発見しようと粒子加速器による素粒子実験をやったら、見つかったのはいいけどジャークが生まれてしまって……というように描写している。実際の素粒子も、プラスとマイナスが対になってるものが多いしね。

 それに、そういう設定なら、そんな実験ができる施設は国内ではつくばだけだし、イバライガーの物語が茨城を主要な舞台にしていることにも説明がつくし(笑)。

 ただ、この感情エネルギー=エモーション。
 最初は「そういう素粒子」というだけしか考えなかったんだけど、扱っていくと色々と追加設定を考えていかないとダメになってくるんだよね。

 例えば、感情という「力を伝える粒子」だと考えると、光子、Wボゾン、Zボゾン、グルーオンなどの「ゲージ粒子」という素粒子の仲間と思えるんだけど、そうだとするとコイツらは弱い相互作用とか強い相互作用などを伝達するだけで、コイツら自体が物理的なエネルギーというわけではなくなる可能性が高いんだ。

 釘をトンカチで叩くときに、その力を伝えているのがゲージ粒子(この場合は光子)なんだけど、釘が刺さる現象そのものは電磁気力なのよね。
 電磁相互作用を伝えているのが光子というだけで、光子自体が力なわけじゃない。
 あくまでも力を伝えるだけなんだ(重力を伝える重力子=グラビトンもゲージ粒子の仲間だと考えられているけど、これは未発見)。

 となると、感情エネルギーもそういうことなのかも知れないのだ。
 エモーション粒子が力を伝える。
 それによって何かが励起されて、力になる。

 そういうことなのかも、とかね、考えちゃうのよ。
 考えたところで、どうにもならないのだけど。

 まぁ、感情エネルギー自体が無茶な設定なんだから、そこを厳密に考えすぎるとアレもコレも破綻してしまうし、素粒子論なんてものを読者に押し付けるのは無茶なので、嘘な部分は思い切って嘘をつくしかないんだけど……ま、その嘘を、できるだけソレっぽく語るのがSF設定だから一応は考えておく、という感じかな。

 なお、感情エネルギーを考えるときに最初に参考にしたのは、科学の本じゃない。

 長谷川裕一先生の漫画『マップス』だ。

 この作品中に、究極兵器として「生贄砲」というのが出てくるの。
 生命の断末魔の悲鳴をエネルギーに変換してぶつける、というもので、小さなネズミ1匹の断末魔で宇宙戦艦を撃沈できるほど。
 クライマックスでは、地球を丸ごと生贄砲にして宇宙そのものの破壊を企む敵との、壮絶な宇宙大戦が描かれる。

 このアイデアをボクはとても気に入っていて、それで感情エネルギーと聞いた途端に思い出したんだよね。
 生贄砲のアイデアを応用してやれそうだぞ、と。

 なので、ソレっぽいという程度で、本気で素粒子物理学的な設定をしているわけじゃないから、そこはイロイロとご容赦を。

 あと『マップス』はものすごい傑作スペオペなので、ぜひ読むように。
 (実は同じ作者のタイムパトロールもの『クロノアイズ』も傑作で、やっぱり参考にしてるのよ。他にもアイデアを拝借したりインスパイアしたりした映画や漫画やアニメは山ほどあるんだ)

つくば市郊外の巨大な加速器研究所

 本編冒頭に登場する「つくば市郊外にある巨大な加速器研究所」とは、もちろんアレだ。
 分かる人には一発でわかる。

 ただし本編中では名前は出していない。
 アレしかないけど、はっきりとは言わない。言えない。

 なんせボク、かなりお世話になってるから。
 研究所のWEBサイトで、素粒子物理学などをテーマにしたギャグ漫画を足掛け8年も連載しちゃってるから(笑)。

 そういう場所を物語の冒頭で使ってしまった。
 爆発したり炎上したりと大変なことになって、職員の多くも死んだり怪我したり怪物化したりしちゃうとか、えらい目に遭わせてしまった。
 でも、はっきり断言して書きにくかったので、研究所名はボカして描写したの。

 ただ、この手の新エネルギーというか仮想粒子を捉えるとなれば巨大な粒子加速器が必要だろうし、都合のいいことに茨城には、そういう場所が2つ(つくばと東海村)もある。

 だから、その1つ、勝手知ったる……いやいや、とにかく郊外にあるデッカい加速器がエライことになるってことにさせていただいたのだ。

 つくばのほうを選んだのは、東海村だとすぐ隣りに原発があるから、大爆発・大惨事となると別な問題が出てきちゃって、ややこしくなりすぎるから。
 それにアッチは陽子加速器で、中性子とかニュートリノとかを作ってるんで、用途的にもちょっと違う気がするし。

 まぁコッチの加速器でも、作品中で描いているような新粒子を見つける実験は無理なんだけどね。
 なんせヒッグス粒子よりも高エネルギー領域にアクセスしなきゃならないという描写なんで、そんなことができる加速器はまだないんだ。
 建造予定の「国際リニアコライダー」でも無理なはずだし、ジュネーブにある世界最大の加速器LHCでも無理だろうし。

 それでも、やってることは相当すごいよ。

 電子と陽電子。つまり物質と反物質を、ほぼ光速にまで加速してぶつけて対消滅させるとかいう、ほとんどSFみたいなことが普通に行われているんだから。

 反物質なんか、フツーに作ってるんだ。
 映画『天使と悪魔』でジュネーブのCERNに貯蔵されていた反物質が盗まれる描写があったけど、貯蔵はともかく、生成している量だけで言ったら、日本のほうが多いんだ。

 本職の博士が「つくばの名物はガマの油と反物質だ」と断言するくらいに。
 (これ、本当に本物の博士が言った名言なんだよ)

 そういう実験が日本でも行われているんだ。
 しかも、ボクの自宅からクルマで30分程度の場所で。

 そんなことを漫画家が知っっちゃったら、ネタにしないわけがないじゃないか(笑)。

 なお、一応、本書を書く前に実在するほうの研究機関の博士たちに「そういうのを書きます、ごめんなさい」と話はしている。
 みんな笑ってくれたので、公式回答じゃないけど勝手に許可は取ったと思い込むことにしている(笑)。

※追記
 実はボクは他の研究機関のWEBサイトでバイオ系の科学漫画も連載していて、そっちも名前を伏せたまま劇中で使わせてもらっている。
 小説17話からイバライガーたちの新基地が登場するんだけど、その場所としてね、接収させていただいてしまった。
 いや、本当に大事な研究をしてる研究所なんだけど、悪の怪物たちによって人類の生存が脅かされてる世界なんで、まずはそっちの対策優先というわけで、政府によって接収されて、イバライガーたちに貸与されることにしたんだ。
 色々な条件的にも合っていたし、何より、今後ずっと主人公たちの拠点として描写していくには、ボク自身がよく知ってる場所のほうが都合がいいんで……(苦笑)。

ダークマター(暗黒物質)

 本編冒頭では、ダークマター(暗黒物質)などについても言及している。

 ダークマターは未発見の「正体不明の物質」で、宇宙の全質量の20~25%くらいだと言われている。
 通常の、我々が知っている物質は、全部合わせても5%程度でしかないから、ダークマターのほうが圧倒的に多い。
 もちろん、我々の周囲にも存在しているはずなのだけど、未だに感知できないのだ。

 ちなみに、ダークというのは暗黒の力とかじゃなくて、単に「なんだかわからない」からダークなのであり、これまで観測できなかったことから「光では見えない」という意味もあるようだ。

 当然だけど黒いわけでもない。
 つ~か光では見えないんだから、色でイメージすること自体間違っているんだろうけど。

 このダークマターの正体として有力なのはニュートラリーノと呼ばれる粒子(他にも候補は色々ある)で、これを発見しようとする実験が日本のKEKや欧州のCERNで進められている。

 以前に観たCG版の映画『宇宙海賊キャプテン・ハーロック』では、主役の宇宙海賊艦アルカディア号のエンジンはダークマター推進とかいうハイテク機関だと設定されていた。
 けど、エンジンに応用できるほどにダークマターについて理解されているのなら正体もはっきりしてるはずで、そうなると、例えば予想通りにニュートラリーノだったとすれば、それはニュートラリーノと呼ばれるはずだよねぇ。
 なんでダークマターの名前を使ってんだ?(いや、そのほうがソレっぽいのはわかるけどさ)

 なお、ハーロックでのダークマター描写は、まだマシなほうだよ。
 ボクが観た海外のテレビムービーには「宇宙から墨汁みたいなダークマターが垂れてきて、それを鼻から吸い込んだらカメハメ波みたいなのが撃てるようになる」という、何を言ってんだかわからないモノがあったんだから。

 それをKEKに紹介したら喜んで購入して上映会をしたそうだ。
 う~む、立ち会いたかったな~~(笑)。

ダークエネルギー

 本編中では、ダークマターのついでにダークエネルギーについても言及している。

 宇宙の全質量の20~25%はダークマターで、我々の知っている物質は5%程度。
 残りの宇宙の7割近くを占めていると考えられているのが「ダークエネルギー」と呼ばれる謎のエネルギーだ。

 アインシュタインの相対性理論で有名な「E=mc2」の数式などで知られているように、質量とエネルギーは同じものだから、ダークエネルギー、ダークマター、我々が知っている物質を合計したものが宇宙の全質量というわけだ。

 宇宙は今も膨張を続けていて、しかも現在は第2のインフレーションと呼ばれるほどの加速膨張期になっている。
 この宇宙を膨張させている力がダークエネルギーだと考えられていて、日本語では「宇宙項」などとも呼ばれている。

 ダークエネルギーもまた、理論上のもので確認されたことはない。
 そして、やはり「何だかわからないからダーク」なだけで、黒いわけじゃない。

 このダークマターとかダークエネルギーとかは、イバライガー本編とはそれほど関係ないはずなんだけど、ダークエネルギーのほうは、ラスト近くで関係してくるかもしれない。

 こういう話って、ストーリーが進むごとにどんどんスケールアップしていくのが常だから、宇宙規模くらいまでは行こうかな~って思ってるんで(笑)。

特異点

 イバライガーが時空を超えるために利用したのが「特異点」だ。

 この世の物理法則とは全く違う特殊な領域、という感じかな。
 ブラックホールなども「事象の地平」の内側は特異点となっていると考えられているから、ものすごく小さなブラックホールみたいなモンだと思いねぇ。

 実際、素粒子実験でマイクロ・ブラックホールが生まれる可能性はないわけじゃない。
 欧州の大型陽子加速器施設CERNが稼働した際には、ブラックホールが生まれて地球が消滅するのではと考えた人々が実験中止のデモを繰り広げたし、インドでは地球が滅亡すると思い込んで自殺する人(女子高生だったらしい)まで出たそうだ。

 ただ、素粒子実験でマイクロ・ブラックホール発生の可能性がゼロではないにしても、確率的にはすさまじく低い。

 また、本当にマイクロ・ブラックホールが生成されたとしても、それは何の問題も起こさずに一瞬で消滅するはずだ。
 マイクロすぎて何も出来はしないもん。

 それに、素粒子実験でブラックホールが作れるのだとしたら、それは日常的に地球の大気圏外で起こっていることのはずなのだ。

 大きな素粒子実験のために注ぎ込むエネルギーは莫大なものだけど、それでも太陽からの放射線に比べればマッチの火ほどにもならない。
 宇宙で、そうした現象を観測するのは大変すぎるから、加速器で極小規模で再現してみるというだけ。

 素粒子実験などとはスケールのケタが違う現象が常に起こっている宇宙で、地球は46億年も消滅せずに存在している。
 実験でマイクロ・ブラックホールが生成されたとしたら、それは大気圏外で毎日、ごく日常的に起こっていたことのはずなんだ。

 つまり、加速器でマイクロ・ブラックホールが出来ようが出来まいが、我々の日常には何の関係もないのだ。

 ただ、そういうモノが生まれる可能性はあるので、それをイバライガーの世界に利用させていただくことにしたのだ。

 実際、つくばの粒子加速器で行われている実験は「宇宙をつくる実験」などと言われることもある。
 ものすごく小さな、超ミクロなスケールに過ぎないけれど、宇宙が誕生した時と同じ状態を加速器の中の一点に生み出して、その「点」で何が起こっているかを可能な限り詳しく検証する、という実験が何度も行われているのだ。

 そうやって宇宙誕生のメカニズムを解析し、この世界の成り立ちを理解しようとするのが、素粒子実験の目的なんだ。

 そんなわけで、ブラックホールの生成とか特異点といったことは、荒唐無稽というほどじゃない。
 実際に起こり得る、あるいはすでに起こっているかもしれないことなんだ。

 だから、ネタにしたの。
 リアルなネタを取り込むと「シズル感」が違うからね~~(笑)。

 でも、あくまでも「へ理屈」そのものだから、特異点を使えばタイムトラベル出来るなどと本気で信じられても困るんだけど。
 それに、日本の加速器のエネルギー量では、どんなに強化してもマイクロ・ブラックホールは生成できないと思うし。

ヒッグス粒子

 ヒッグス粒子についても、劇中で扱っている。

 2012年7月に「発見」の報が世界を駆け巡ったヒッグス粒子は、物質に質量を与えていると考えられている素粒子。
 この世に質量があるのはヒッグス粒子(正しくはヒッグス場、あるいはヒッグス機構)のせいらしいのだ。

 あ、ちょっと触れておくと、質量は重さのことじゃないよ。

 重さっていうのは、場所によって変化する。
 例えば重力が弱い月面に行けば、モノの重さは地球上の約6分の1になる。

 でも質量は変わらない。
 宇宙のどこに行っても、同じ大きさのモノは同じ大きさのままだ。

 質量=重量のように説明する例も多いのだけど、厳密には「質量=動かしにくさ(あるいは動かしやすさ)」のことなんだ。

 で、その動かしにくさを生み出しているのがヒッグス粒子というヤツらしい。

 この宇宙は目に見えないヒッグス粒子(ヒッグス場)の海の中にあるようなもので、ヒッグスがなければ、我々の身体を構成している素粒子はそこに留まっていることはできず光速で飛び散ってしまう、と言われている。

 つまり、物質そのものには質量なんてものはなくて、でも宇宙のすべてが見えないヒッグス粒子の中に沈んでいるので、そのせいで物質ごとの大きさに対応した抵抗を受け、結果として質量があるように見える、ということらしいんだ。

 そういうふうに考えられたのは、計算上では質量がないと考えざるを得ない素粒子に実際には質量があるということがわかって、でも、それだと計算が合わなくなっちゃうので「ないけど、ある」としたら……と考えた結果、ヒッグス博士という人が、そういう粒子を思いついたわけ。

 なんか屁理屈っぽいけど、そう考えればツジツマが合うようで、その方向で色々実験をやってみたら本当に見つかった、ということなんだ。
 この発見でヒッグス博士は、ノーベル物理学賞を受賞している。

 なので、このヒッグスはイバライガー自体の能力設定にも組み込ませてもらっている。

 もしもヒッグス場をコントロールできるのなら、自在に質量を変えられるかもしれない。
 軽くなって素早く動く、重くなって破壊力を増す、色々考えられる。
 パンチが当たる一瞬だけ、拳の質量を変化させて莫大な威力にするとかね。

 そういうのを、本編中で描写させてもらってるんだ。

 いや、すげぇ戦いを描きたかったのよ。
 イバライガーは人間サイズのヒューマロイドだけど、パンチが当たっただけでビルが崩れるとかね、どう考えても人間サイズでは成し得ないようなパワーを持たせたかったの。

 小さいけれど怪獣並み。人類には手出しできない規模の戦い。
 そういうふうに描写したくて、それでヒッグス場理論を利用してソレらしい理屈をつけたわけ。

(実際にそのへんの描写があるのは、19話/単行本5巻でのイバライガーR対ジャーク四天王ダマクラカスンの戦いで、ダマクラカスンがイバライガーが身体の各部のヒッグス場をコントロールして、一瞬だけ質量を変化させながら戦っていることを看破するシーンを書いた)

 現実には、ヒッグス粒子の存在を確認したというだけで、それが理論通りの性質を持っているのかどうかは今もわかっていない。
 ましてやヒッグス場を制御することが可能かどうかは、まるでわからない。
 それを検証するには、新たな加速器を作り、幾度も実験を繰り返していくしかないのだ。

 そのための次世代加速器「国際リニアコライダー(ILC)」の建造計画はすでに進んでいて、世界中で共同して1つだけ作ることになっている。
 これは全長30キロを超える直線型加速器(2017年の国際会議で初期段階では20キロほどにスケールダウンして作られることになったらしいけど)で、日本の宮城県北端から岩手県にかけての地域が候補地の1つになっていて、現地では積極的な誘致活動が行われている。世界で1つしかない科学研究の拠点を誘致できれば、復興の起爆剤にもなるからね。
 ボクも現地の依頼でILC誘致コミックを描いているし、本当に日本にできたらスゴイよな~~。

 なお、このヒッグス粒子も海外のB級ムービーのネタになっていて「ヒッグス場を利用して発電を行うことにしたら爆発事故が起こって、最終的には地球が滅亡しちゃう」というスゴイのがある。
 一番スゴイのは事故現場の検証にCERNの研究チームが来るシーンで、地雷探知器みたいなのを持ってウロついて「博士、ここにヒッグス粒子の反応が!」って、地面指差して言うんだよ。
 落ちてんのかヒッグス粒子?

 


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